自分が“隠れ・愛着障害”の場合、どうする?
子供の頃、やりそこなった体験はなんですか?
『愛着障害の克服~「愛着アプローチ」で、人は変われる~』(岡田 尊司著・光文社刊)には、こういったことが書かれています。
愛着障害の人は、子ども時代に満たされなかった大きな欠落を抱えている。その克服は、ある意味、子ども時代を取り戻し、そこでできなかった甘えを甘え直し、やりそこなった子どもらしい体験をやり直すことかもしれない。
出典:『愛着障害の克服~「愛着アプローチ」で、人は変われる~』(岡田 尊司著・光文社刊)
つまり、自分が母親との間で築けなかった愛着(絆)をきちんと築いていくことが大事なのです。
愛着の安定化を目指す上でベストなのは、母親との関係を修復することではありますが、相手が“毒母”の場合は、相手が変わらないと難しい問題でもあるので、むしろ関わらない方がいいこともあります(現実的に、子供が愛着障害の場合、母親をカウンセリングすることで、症状が治まることもあるようです)。
その場合は、自分を受け止めてくれる「安全基地」となる存在を作ることが大切です。父親、親戚、恋人などがそういった存在になってくれるのがベストですが、難しい場合は、才能ある心理カウンセラーがそういった役割を果たしてくれるでしょう。
愛着障害の傾向がある人が恋愛のパートナー選びをするときは、特に気を付けなくてはいけません。単に上っ面の条件(ルックス、社会的地位、年収など)を見るのではなく、もっと深く人の魅力を判断できるようにならないと、ますます心を傷つけられてしまう可能性があるからです。
先ほどの本によると、「安全基地」に適している相手は、下記のようなタイプだそうです。
(1)接していて、怖さや危険な感じがなく、安心できる。
(2)穏やかで、気分や態度がいつも一定している。
(3)目線が対等で、見下したような態度やおもねりすぎる態度をとらない。
(4)優しく親切だが、必要なときには、言いづらいことも言う。
(5)相手の意思や気持ちを尊重し、決めつけや押し付けがない。
出典:『愛着障害の克服~「愛着アプローチ」で、人は変われる~』(岡田 尊司著・光文社刊)
自分は愛着障害の傾向があると思う人は、特にこういう人をパートナーにすることを心がけた方がいいでしょう。
実は、ここで挙げられている「安全基地」に適した人というのは、正直、恋愛でもモテるし、いい妻(夫)、いい母親(父親)にもなりやすいものです。
だから、「自分は愛着障害ではないけど、どうも異性からモテない」という人も、こういう精神が安定した人になることを目指してみることは大切です。
また、「恋人が愛着障害だ」という人も、自分が「安全基地」になる覚悟が必要です。その場合、具体的にどんなことができるようになった方がいいでしょうか?次のページをご覧下さい。