皮膚・爪・髪の病気

女性の水虫が増えている理由・上手な水虫対策法

女性にも多い水虫の悩み。ある医薬品メーカーの調査によると、3人に1人が水虫にかかったことがあるとの報告もあります。ストッキングやブーツの着用を始め、女性に水虫が増えた理由、そして水虫を防ぐ効果的な方法について解説します。

執筆者:All About 編集部

女性が一年中水虫になりやすい原因は?

ハイヒールパンプスを履いている女性

ストッキングを履く人は、水虫になりやすいかもしれません……

水虫というと、「男性がなりやすい」イメージがあるようです。しかし、条件さえ整えば性別を問わず誰でも水虫になりますし、近年は女性で水虫に悩んでいる人がとても増えています。

そもそも水虫とは、皮膚の角質が「白癬菌」に感染することによって発症する皮膚病のこと。体のさまざまな部位に感染しますが、一般に水虫というと足に感染して起こる足白癬のことをさします。白癬菌は高温多湿な環境で活発化するため、梅雨から夏の時期がいちばん感染しやすいといわれています。つまり、足が蒸れている状態が長く続くと水虫になりやすい、ということです。

ところが女性の水虫は、季節に関わらず発症しやすいのです。その理由は、「ストッキング」を履く習慣があるため。ストッキングは靴下などに比べて薄いものの通気性が悪く、さらに吸水性がないので、足はつねに蒸れた状態になってしまいます。そこに足にぴったりしたパンプスを履いて長時間過ごすことで、ますます白癬菌が増殖しやすい環境を作ってしまうのです。また冬場になるとブーツを履くことも多くなりますが、これも白癬菌にとって格好の環境。このように女性は、1年中水虫になりやすい状況で過ごしてしまうことが多いのです。

水虫予防のポイントは清潔&乾燥

水虫は、白癬菌に感染した人の角質から感染して起こります。ですから水虫の予防で何より大切なのは、白癬菌に触れたらすぐに洗い流すこと。そして、付着した白癬菌を増殖させないことです。

白癬菌は、高温多湿の環境であればどこにでも存在します。たとえば、スポーツジムのプールやシャワールーム、サウナ、更衣室の床、そして共有の足拭きマットなどは、他の利用者に水虫の人がいれば、その白癬菌がいると考えていいでしょう。

しかし、白癬菌が足についたからといって、すぐに感染するわけではありません。24時間以内に洗い流せば、ほぼ感染を防ぐことができます。ここからは、どこかで足に白癬菌が付着した場合を想定しての予防法になります。

パンプスやブーツなどは、1日履いたら内部を濡れたタオルで拭き、十分に乾燥させて白癬菌を増殖させないようにします。菌が付着したと思える履き物は、何日も続けて履かないようにしてください。会社にいるときは、通気性のよいサンダルなどに履き替えるようにします。ストッキングで足が蒸れていると感じたらすぐに予備に履き替え、そのときに足や足指の間を清潔なタオルなどふいて、できるだけ乾燥させ、清潔を保つようにしましょう。

そして帰宅後は、お風呂で足と足指をしっかり洗い、十分に乾燥させます。毎日、足を洗って清潔を保っていれば、その日どこかで白癬菌をつけてしまっても感染する前に除去することができます。洗うときのポイントは、石鹸で足全体を洗い、さらに足指の間や爪、かかとなどもまんべんなく洗うこと。その際、軽石でこすったり、ボディタオルでもゴシゴシと強い力で洗わないようにしてください。それによって角質に傷をつけてしまい、かえって白癬菌の感染力を強くしてしまうことがあるので、注意しましょう。

家族に水虫の人がいる場合は、素足で触れるバスマットやバスタオル、スリッパは共用せず、自分専用のものをつかうようにします。さらに部屋の中では、水虫の人もそうでない人もソックスを履くことで、感染リスクはかなり低くなります。オススメは5本指ソックス。足指のあいだの蒸れを防ぎ、また水虫の人には指同士で感染が広がることを避けられます。

水虫の症状は様々……かゆみ・水疱・角質が厚くなる等

ところで、ひとことで水虫といっても、感染する部位によって症状が異なります。足指の間にできる「趾間(しかん)型」は、足指の間の皮がふやけます。

足指や側面、土踏まずなどにできる「小水疱型」は、小さな水疱ができて強いかゆみがあります。

足の裏やかかとの「角質増殖型」は、角質が厚くなります。痒みがないことが多いです。このほか、足のツメにできる「爪水虫(爪白癬)」は、爪全体が白っぽく厚くなります。

水虫の治療期間は種類によって異なりますが、足の水虫でおおよそ2か月程度、爪水虫は飲み薬を服用して6か月程度かかります。爪水虫専用のつけ薬も出ています。一度水虫になってしまうと、完治するまでにある程度の時間が必要になるので、途中で治療をやめてしまう人も多いようです。

夏場に素足でおしゃれをしたくても、水虫があったら気分も台無し。まずは水虫にならないように、しっかり予防するのが先決です。

(監修:美と健康ガイド・蘇原 しのぶ(皮膚科・皮膚外科医))
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