ニューリッチへの道/ニューリッチへの道

金持ちが実践する無駄な会議を有意義にする方法

組織が大きくなるほど、役職が上がるほど、会議は増えていきます。しかし会議をしている時間は基本的に収益を生みませんし、出席者全員の時給を合計すると巨額なコストとなるなど経営的にもマイナスです。そこで会議を有意義にするためのアイデアをご紹介します。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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会議をしている時間は基本的に収益はゼロ

組織が大きくなるほど、あるいは役職が上がるほど、会議は増えていきます。そのため「月曜日は1日のほとんどが会議」という人もいるくらいです。しかし、会議をしている時間は基本的に収益を生みませんし、出席者全員の時給を合計すると、巨額なコストとなるなど、時間が奪われるだけでなく経営的にもマイナスです。

そのため、会議はできる限り減らすか、短時間で終わらせることが望ましい。私もかつて会社を経営していたころ、会議は週1回、それも30分程度だけにして、あとはショートミーティングを多用するようにしていました。しかし、自分が会議の主導権を持っていない場合は減らすということはできません。そこで効率的な会議運営を心がける、あるいは提案することになります。会議には主に、

  1. 伝達・共有するための会議
  2. 判断や決断など意思決定のための会議
  3. アイデアを出し合う会議

の3種類あります。もっとも非効率で生産性が低くなりがちな会議が1で、指示・徹底のための会議ならともかく、自分や自部門に関係ない報告や、すでに知っている内容の報告を聞くのは退屈です。

もちろん、社内のいろいろな動きを知れるというメリットはあるものの、経験を積んで社内事情に通じてくると、もはやどうでもいいことが多くなる。「そんなのメールでいいじゃん」と思ってしまうでしょう。かといって出席しないわけにもいかないのですが、これをうまく使うには2つの方法があります。

1つ目は、発信される情報一つ一つについて、「自分はこう考える」「自分ならこうする」という、勝手にコンサルを脳内で展開することです。これは論理的思考力を鍛えるだけでなく、一段高い視点で経営を考える訓練にもなります。2つ目は内職です(笑)。

会議を短時間で終わらせるために

2の会議で重要なことは、「出席人数を絞る」「事前にアジェンダ(議題・議案)を配って考えてきてもらう」「部門間の利害が対立する事案については、事前に根回しをしておく」ということです。

人数が多いと色々な立場から様々な意見が出て、脱線したり収集がつかなくなったりしりやすい。事前にアジェンダを配っておかないと、「えっ、そんなのすぐに決められない」「持ち帰って部内で協議してから」となりかねません。事前に根回しをしておかないと、強硬な反対意見が出て紛糾するリスクがある、というわけです。

3の会議で重要なことは、先ほどの2の条件に加え、「最初に目的を共有しておく」「ホワイトボードに書きながら」「批判ではなく代案を出す」ことです。目的とは、「この会議で何を得たいのか」ということです。ただのブレーンストーミングなのか、各人のToDoまで落とし込む作業内容や分担を決める会議なのか、問題解決のための会議なのかをはっきりとさせておくことが重要。

仮に目的が問題解決であれば、最終的には「誰が、いつまでに、何をやるか」まで落とし込む必要があるとわかりますから、「結論が出なかった」という事態になりにくくなります。

ホワイトボードに書きながら議論を進めることも重要で、全員が同じ論点・進度で議論でき、脱線や手戻り、今は関係ない些末な議論、本質とは外れた議論になるのを防いでくれます。また、書いた内容を写メして共有すればそのまま議事録となりますから、手間も最小限。

議論が紛糾したり、「それ、もう決まったことじゃん」「今それ言うなよ」という状況になったりするのは、言葉の空中戦で消えていくために、全員が同じ論点に注目していないからです。これは他人に説明するときも同じで、ノートやコピー用紙に書きながら話すと、会話は自分のペースでスムーズに進みますし、相手にとっても理解が得やすくなり、質問すべきポイントも明確になります。

そして最後の「批判ではなく代案を出す」は、「できない理由を探すのではなく、どうすればできるかを考える」に通じる重要な考え方で、1や2の会議にも言えますし、会議に限らず普遍的に必要な姿勢ではないでしょうか。

多くの人は「そんなのムリ」「そんなのダメ」「ハイリスク」「○○になったらどうするんだ」「誰が責任を取るんだ」など感情で反発しがちです。しかし、そもそも「批判」も「できない理由」も、そんなことを言ったところで1円にもならないし、何も変わらないし動きません。

ただ批判するだけなら子どもでもできます。なぜなら、考えなくてもいいからです。自分にとって面白くないし、考えるのも面倒。つまり、感情に支配され思考停止しているだけ。これを世間一般では「バカ」と呼びます。

それを理性と論理で抑え、「それはこういった理由で難しいと思いますので、こうしてみたらいかがでしょう?」と、批判するなら代案をワンセットで主張する意識を持つのです。こうすることで、会議の数はコントロールできない立場の人でも、質はある程度コントロールできる。それは、すなわち密度の濃い議論、効率的な進行となり、時間の短縮や、同じ時間でこなせる量が増える効果が期待できます。

もちろん、権限がある人は、メールでシェアすればよい程度の会議を減らし、1回の会議の時間にたとえば「30分で決める」とデッドラインを設けるなど、生産性の高い会議運営を意識する必要があります。

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