睡眠

1日の充実度が変わる!寝起きのだるさ解消法

毎日が多忙で生活リズムが狂ってしまうと、さわやかな朝を迎えるのが難しくなります。「朝からだるくて気力が出ない」とか、「眠気が取れない」ということもつながります。朝の「だるさ」を解消できれば、仕事の能率も上がるはずです。1日を快適に過ごすために、朝からシャキッとスタートできる対処法をご紹介します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

朝の「だるさ」の原因はいろいろ

あくびをする女性

いつまでたっても目覚めない。そんな日が続いていませんか?

朝、何となく気だるくてスッキリ起きられないと、一日の気力も減退してしまいます。この起きたときの「だるさ」には、いくつかの原因が考えられます。

「だるさ」の原因としてもっとも多いのは、単純ですが「睡眠不足」です。睡眠中には疲労が回復し、体力や気力が充実します。しかし、仕事やプライベートで睡眠時間が削られる日がつづけば、疲労が十分に回復しないため体に疲労が蓄積されて、朝から「だるさ」が抜けないのは当たり前のこと。十分な睡眠がとれるように、夜は早めの就寝を心がけましょう。

また、生活習慣の乱れも大きな原因の一つです。生活が夜型になっていたり、夜中に消化の悪いものを食べたり、深酒をしたりすることが多いと、体内時計が狂って、生体リズムが崩れてしまいます。そのため、朝起きたときも脳はまだ睡眠状態にあり、スッキリ目覚めることができず、「だるさ」を抱えたまま1日を過ごすことになります。不規則な勤務体系の人も、やはり生体リズムが崩れがちなので要注意です。

生体リズムが崩れる原因には、強いストレスによる自律神経(交感神経と副交感神経)の乱れもあります。ぐっすり眠るためには、交感神経が鎮まって副交感神経が優位にならなければなりません。しかし、ストレスにさらされ続けると、体は常に緊張して、交感神経ばかりが働いている状態になります。そのため、 熟睡できない、あるいは就寝中に何度も目覚めてしまうなど、心身を休めることができなくなっているのです。さらに、この状態が長く続いている人は、うつ病になりやすいことも知られています。

太陽の光を浴びて体内時計をリセット

生体リズムは、人間がもっている「体内時計」というメカニズムが調整しています。生体リズムの乱れを整えるには、朝起きたときに体内時計をリセットして、体を目覚めさせればよいのです。まずは起きたときに、太陽の光をしっかり浴びましょう。睡眠モードから目覚めモードになるには、この体内時計をいったんリセットする必要があり、そのスイッチになるのが太陽の光なのです。

「光なら部屋の照明でもいいのでは?」と、思うかもしれません。もちらん、目覚めたらまず部屋の照明をつけましょう。しかし、自然の太陽光は、晴れた日の日中で 10万ルクス以上、曇りの日でも1万~3万ルクスもあります。一般的な住宅のリビングの照明が150~300ルクス程度ですから、明るさのけたが違います。また、生体リズムを調整する高照度光療法でも、2,500~1万ルクスの光を浴びるので、やはり自然の太陽光をたっぷり浴びることが大切です。

なかなか布団から出られないときは、布団の中で深呼吸をして、脳と体に酸素を取り込みましょう。そして、横になったままで体をほぐします。手のひらをグッと握ったりパッと開いたりする、手足をいっぱいに伸ばしてみる、あるいは膝を立てて左右にゆっくり倒したりなど、軽く体を動かしましょう。こうすることで血流がよくなり、体が活動モードになってきます。

寝起きのけだるさ解消法

では、起き上がってから手軽にできる「だるさ」解消法を、いくつか紹介しましょう。

・コップ1杯の水を飲む
眠っているあいだに体の水分が失われているので、それを補って体を目覚めさせます。冷たい水は胃腸に負担がかかるので、常温の水を飲みましょう。

・熱めのシャワーを浴びる
少し熱めの41度くらいのシャワーを5分ほど浴びると、交感神経がはたらきだして心身がシャキッとします。足湯でも同様の効果があります。

・熱いお茶やコーヒーを飲む
熱い飲み物は、体の中から体温を上げてくれます。ただし、カフェインは血圧を上げる一方で、胃腸の負担にもなるので、朝食を食べながら飲むとよいでしよう。カフェインの覚醒効果は、飲んでから20~30分ほどで現れます。

・朝食をしっかり食べる
朝食は、朝から活動するための大切なエネルギー源であり、食生活のリズムを整える大切な役割もあります。生活習慣が乱れている人は、バランスのよい朝食をとることから、生活改善を始めるとよいでしょう。

朝食には、必須アミノ酸の「トリプトファン」をとることがお勧めです。トリプトファンは、覚醒神経系の伝達物質である「セロトニン」の原料です。トリプトファンは豆や豆製品、牛乳や乳製品、肉類、バナナ、アボカドなどに多く含まれています。

・目覚ましのツボを押す
人差し指と親指の骨が合流する場所の、やや人差し指よりにあるくぼみ「合谷(ごうこく)」 は、「目を覚ますツボ」といわれます。また、中指の爪のつけ根の「中衝」を刺激すると血行がよくなり、目覚めに効くとされています。

毎朝、寝起きがスッキリしない人は、まず生活習慣を整えることが大切です。そして、ここに挙げた「だるさ解消法」を実践して、気持ちのいい朝を手に入れてください。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで睡眠グッズをチェック!楽天市場で睡眠用品をチェック!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます