生活が変わる春にライフスタイルを変える?
わくわくあふれる新入学・新入園。楽しいスタートにしたいものです。
たとえば、転居。
子どもが学校に通いやすいところに新居を構える人も多いかもしれません。自宅購入の場合は、これから先何十年と、家族と過ごしていく「居場所」に移るわけです。この春に転居を考えている人は、おそらく前々から計画を立て、家族の気持ちも盛り上がっていることだと思います。
たとえば、仕事や勉強、習い事。
子どもの入園や入学を機に、本格的に仕事を再開したい、資格を取るための勉強に本腰を入れたい、などと思っているママ(パパも)も多いかと思います。
この春、家族全員が気持ちよくスタートを切るために、今からできることを考えてみましょう。
変化はストレス
「変化」という文字を見て、あなたはワクワクしますか?それとも不安になりますか?おそらく「できるだけ波風は立てないほうがいい」と思いながら生活している人は不安が強く、「変化は成長のチャンス!」と思っている人は、ワクワクが大きいかもしれませんね。
これは、これまで何十年にも渡る長い人生の中で、少しずつ蓄積され強固になってきた「価値観」や「信念」といったものなので、簡単には変わらないかもしれません。
ただ、基本的に人間は変化に弱い生き物です。変化は「喪失」を伴うからです。ですから、これまでの生活様式や人間関係にサヨナラを告げて、新しい環境に身を置くというのは、誰しもストレスを感じます。そのストレスを、いい「緊張感」として、プラスのエネルギーにしていきたいものですよね。
では、そのために、何ができるでしょうか。
同時に変化させてOKなラインを知ろう
1960年代のアメリカで、社会生理学者のホルムスらが「ライフイベントとストレス」という研究をし、変化の後、社会的に再適応できるまでの時間を指標にして、ストレス強度のスケールを作りました。(社会再適応評価尺度;social readjustment rating score;SRRS)1年間に起こった出来事につけられた点数を足してみましょう
過去1年間に起こった出来事(で感じるとされるストレス)の合計が200点を超えると約半数、300点を超えると約8割が、心身になんらかの病気を発症すると言われています。
入学や卒業をはじめ、結婚や妊娠出産、昇進などによる責任の変化など、「おめでたい」とされることも結構なストレスになっているところは興味深いですね。
「変化させないもの」を大事にしよう
時代もお国柄も違いますので、これをそのまま現代の日本人に当てはめるのは強引ですが、家族に起こった、ここ半年くらいの出来事を振り返って、これから迎える春に、どれくらいの「変化」を盛り込めるかどうかを考えてみるといいかもしれません。たとえば、「パパが異動になったばかりだから、ママが仕事を再開するのは夏以降にしよう」、とか、「転居と入学が重なっているし、去年は家族が亡くなったから、なるべく新しいことは始めないようにしよう」とか、「ママの仕事のストレスがこのところ多いから、パパの親戚関係のつきあいは極力パパだけで対応しよう」とか。
とはいえ、突発的に起こってくる避けられない出来事(ストレス)もありますよね。ですから、大きな変化が予測できている時には、就寝時間などの生活リズムを維持する、とか、習い事はやめない、とか、友人と会う時間は極力減らさない、とか、断捨離は先延ばしにして、お気に入りのものに囲まれて生活することを心がける、など、「変わらないもの」を大事にすることを意識しましょう。
また、家族のそれぞれが、この春どのような変化に直面し、どれくらいのストレスを抱えることになりそうなのかを共有しておくといいですね。余裕がなくなってくると「オレの方が大変なんだ!」「自分ばっかり大変だと思わないでよね!」てなふうに、悲惨比べになってお互いを責め合いがちですから。
なお、このストレススケールの日本版を、精神科医である大阪樟蔭女子大学人間科学部の夏目誠教授が作成しています。勤労者や大学生のランキング(「単身赴任」や「留年」「大学入試」などの項目も!)が載っており、その違いも面白いので、興味のある方はチェックしてみてください。
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