田舎暮らしには、都会人の理解を超えた謎にあふれている。侵しがたい村の掟(おきて)、初めて遭遇する風景、正体不明の器具類……。今回は、気がかりと同時にロマンを感じてしまう“田舎の謎”のトリセツです。

「ジーンズ+Tシャツ」さえ着てれば田舎は充分って、大きな誤解?

田舎の鉄板ファッション?

田舎の鉄板ファッション?

ジーンズとTシャツこそ、田舎暮らしのベストファッション。動きやすいし汚れても気にならないし、実用的なこの上下さえあれば大丈夫と思っている人。これは大間違い。ガイドの私がこの間違いに気付かされたのは、地元公民館で地域デビューをした時でした。

都会然とした気取った服装は止めようということで、夫婦揃ってカジュアルなジーンズで出席。異変に気づいたのは会場に入ってからです。ズラリと居並ぶ地元の名士や重鎮らしき人々。ほとんどがスーツやジャケット着用で、中には男子の最礼装たる黒紋付羽織袴の古老も……。しまった!人生の楽園から転げ落ちた気分でした。

地元の行事を大切にする田舎だからこそ、親しき仲にも礼儀あり。子供の学芸会やPTA、地域の記念式典、知人の結婚式など、ここぞという時にはピシリと決めるのが田舎のオキテ。夫婦それぞれ一着づつ、冠婚葬祭用の「キメ服」を確保しておくことが肝心です。

田舎の道端で自己主張している「コイン精米機」って、何に使うの?

自分好みのご飯を楽しむ

自分好みのご飯を楽しめる、コイン精米機。見た目はATM風だが……。

一見、銀行などのATM風にも見えるのが、コイン精米機。実は誰でも自由に使うことができる、玄米(脱穀した籾米から籾を取り去っただけで、まだ精白していない米)を精米するマシンなんですね。

玄米には栄養素(食物繊維やカルシウム、ミネラル、ビタミンなど)が豊富に含まれています。精米の際に三分づき、五分づき、七分づきなどを選ぶことができ(数字の低いほうが栄養価は高い)、自分好みのご飯の味わいや食感を楽しむことができます。

■使い方
  1. 玄米と100円硬貨(コイン)数枚を準備する
  2. お米の量と料金を確認してコインを入れ、投入口に玄米を入れる
  3. 好みの白さを選ぶ(90%の糠を除く標準、100%の糠を除く上白など)
  4. 受け皿の注ぎ口から、精米したお米を袋に入れる(ペダルを踏むと注ぎ込まれます)
  5. 玄米が残ってないかを確認して、美味しいお米の確保終了

田舎の道端にひっそり佇んでいる「卵販売機」って、どう使うの?

採れたて卵の販売マシーン

採れたて卵の販売マシーン

街の自販機というと缶入りのジュースやコーヒーという固定観念がありますが、田舎では卵だって売っています。小さな透明ドアがズラリと並んだ、コインロッカー風。基本販売しているのは生卵ですが、沖縄県にある自販機は、ゆで卵も購入することができるそうな。

朝昼夜と1日3回卵を補充している養鶏場もあり、人気の要因はやはりその新鮮さと、直営による価格の安さ。ガイドの私が暮らす郊外にも山道を走ると「つまんでご卵」「朝のたまご」「朝取りたまご」等々、その新鮮さをアピールしています。

■使い方(お札が使える自販機も見かけますが、今回はコイン用で)
  1. 事前に100円硬貨を数枚準備する(防犯上、両替機の設置が無いことが多い)
  2. 欲しい商品を選んでコインを入れ、購入ボタンを押す
  3. カチリと商品取り出し扉が開く
  4. ネット(カゴ)に入った卵を、優しく取り出す

信号機が夜10時頃から点滅が始まるって、イナカの中の田舎?

田舎の信号のミステリー

田舎の信号のミステリー

街の信号は、全て24時間通常の点灯をしているのが普通ですね。夜中に車の量や通行人がほぼいなくなり、通常信号の役割が少なくなる田舎では、自分でよく確認して走行しましょうということ。

道路交通法施行令第2条によると、赤色の点滅信号は、歩行者は他の交通に注意して進行することができること。車両等は停止位置において一時停止しなければならないこと。そして黄色の点滅信号は、歩行者及び車両等は他の交通に注意して進行することができること。と規定されています。

「田舎の暴走族は、ちゃんと信号で止まってる!」という、切ない話も聞いたことがあります。赤色点滅は一時停止!黄色点滅は注意!という、交通ルールを肝に命じておきましょう。

占冠村(しむかっぷむら)と恩納村(おんなそん)、村の読み方が違うのはなぜ?

北海道の占冠村は「しむかっぷむら」と読み、沖縄の恩納村は「おんなそん」。あれ?地域によって村の読み方が違う!それに、町も「まち」と「ちょう」の二種類の読み方があるんですね。気になって調べてみました。

むらと読むかソンと呼ぶか

むらと読むかソンと呼ぶか

一般論として、西日本は「チョウ・ソン」と音読みするケースが多く、東日本は「まち・むら」と訓読みするケースが多いという、大まかな傾向は昔からあるようです。しかし、逆のケースや、混在しているケースもあります。

読み方の分布の違いは、町村制の施行に際してそれぞれの府県で指導方針に違いがあったのではないか。旧来の自然集落としての「まち・むら」と、行政単位としての「ちょう・そん」とを区別する意図があったのではないか。

読み方については諸説あり、古くからある集落が「チョウ・ソン」と呼ばれ、行政区域が出来てから名付けられたものが「まち・むら」となった、との記事も発見しました。

なるほど、少し納得しました。でも個人的には「○○ちょう」より「○○まち」、「○○そん」より「○○むら」の方が、そこに住む人の体温が感じられるような気がするんですが……。

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