初乗り運賃で1都6県に行ける!?

JRの初乗り運賃であるたった140円(ICカードの場合133円)で、1都6県が旅行できるのを知っていますか? 今回は、日帰りで楽しめる超格安・鉄道旅行の楽しみ方をご紹介します。
この切符だけで、いろんな所に行けちゃう?

この切符だけで、いろんな所に行けちゃう?
 

たった133円で楽しめる「大回り」ってなに?

大回りとは、JRの切符に関するルール「実際に乗る経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃が適用される」というもの。東京・大阪など、大都市近郊区間で適用されるこの規定を、楽しく旅行へ応用したものが「大回りの旅」です。

どういうことかというと、たとえば山手線で渋谷駅から隣の恵比寿まで行くのに、1駅分乗っても、逆回りで28駅分乗っても、同じ運賃(140円)になります。この仕組みを利用して、初乗り運賃だけで、関東中を大きな一筆書きで旅をするのが「大回りの旅」なのです。

ちなみに、駅の券売機で切符を買えば140円のところ、suicaなどICカードを利用すると、133円に割引されます。これを使えば133円だけで、1都6県だって回ることができる、超格安な鉄道旅行と言えるでしょう。

ルールは「一筆書きでなければならない」


この中一筆書きのルートを取る!(画像はJR東日本HPより)

この中一筆書きのルートを取る!(画像はJR東日本HPより)


この大回りは、一筆書きのルートでないと成立しません。同じ駅を2回以上通ったら、アウト。通常料金を払うことになります。実施する前に、路線図で一筆書きになっているか注意深く確認しましょう。

また、途中で改札を出れば通常通り運賃が発生しています。大回りは、改札を出ずに乗車だけを楽しむコアな旅として、鉄道ファンたちに人気なのです。車窓を見るだけでも、癒されたり、たくさんの発見があったりと、意外と楽しめるもの。

大回りならではの楽しみ 1.食事

大回り中は、改札を出ることができないので、食事のタイミングや方法はしっかり計画を。

コンビニはもちろん、ホームにある立ち食いそば屋を利用するのもいいでしょう。特に、千葉県の我孫子駅ホームにある「弥生軒」というお店では、大きな唐揚げの乗ったそばが有名です。

また、駅構内にレストランがあり、食事ができる駅もあります。たとえば東京駅や品川駅はエキナカが充実し、改札を出なくても、グルメが堪能できることで人気です。

都心を離れれば、駅構内にお店がない駅もあります。万が一の時のために、おにぎりをカバンに忍ばせておくと安心です。

大回りならではの楽しみ 2.景色

都心を離れると、癒しの景色が広がります。関東だとあまり変わり映えがしないと思いがちですが、都心を離れると海や山などのきれいな景色が楽しめます。

思わず、スマホで写真を撮りたくなるはずです。
外房線(千葉県)からは雄大な海の景色が

外房線(千葉県)からは雄大な海の景色が

田園風景や海や山、都心に帰ってくれば高層ビル群と、関東の景観の移り変わりをダイナミックに感じることができます。

忙しくて遠くに旅行に行けないという人でも、関東ならではの癒しの車窓を、堪能してみてくださいね。

おすすめルート【初級編】
「武蔵野ルート」で大回りに慣れよう

まずは、大回りという仕組みに慣れるために、比較的短い距離で楽しんでみましょう。

東京都、埼玉県を行く「武蔵野ルート」

東京都、埼玉県を行く「武蔵野ルート」



新宿~(中央線)~西国分寺~(武蔵野線)~武蔵浦和~(埼京線)~池袋

新宿を起点とし、中央線、武蔵野線、埼京線を使い、東京都・埼玉県の武蔵野路を堪能できます。武蔵野線は、狭山丘陵などの緑を多く楽しめる癒し路線です。また「新座」には、貨物列車にコンテナを積み下ろしする、貨物ターミナル駅があります。なかなか見ることのない風景なので、鉄道好きはもちろん、そうでない人も興味深いはず。

運賃は、新宿~池袋間で発生する160円(ICカード:154円)でOK。もちろん、新宿の隣りの新大久保駅まで帰ってくれば、初乗り運賃140円(ICカード:133円)で乗車可能。

おすすめルート【中級編】
「房総半島一周ルート」海に癒される!

慣れてきたら乗車距離を長くしてみましょう。

東京都、千葉県を回る「房総半島一周ルート」

東京都、千葉県を回る「房総半島一周ルート」


東京~(京葉線)~蘇我~(内房線)~安房鴨川~(外房線)~大網~(東金線)~成東~(総武本線)~錦糸町~(総武線快速)~秋葉原

東京都から千葉県へ。房総半島を縁取りするようにして、戻ってくるルート。房総半島を通る時は、進行方向の右側に座れば、きれいな海を眺めることができます。

東京の2つ隣りの秋葉原まで戻ってきても、運賃は140円(ICカード:133円)で済みます。

おすすめルート【上級編】
「北関東堪能ルート」で長距離大回りにチャレンジ!

最後に長距離を移動する上級編。ここまでくれば、あなたも立派な大回リスト!

東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、千葉県を行く「北関東堪能ルート」

東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、千葉県を行く「北関東堪能ルート」


池袋~(埼京線)~赤羽~(高崎線)~高崎~(両毛線)~小山~(水戸線)~友部~(常磐線)~上野

都心を離れ、群馬県・栃木県までくると、車窓に田園風景が広がり癒されます。思いっきり現実逃避がしたい人におすすめです。高崎駅や小山駅のコンビニでは、駅弁やご当地グルメ・スイーツを買うこともできるので、おみやげをゲットしましょう。

池袋~上野間の運賃は170円(ICカード:165円)。もちろん、池袋の隣の大塚でフィニッシュすれば初乗り運賃で楽しむことが可能です。

大回りをする上での3つの注意点

・乗り継ぎのタイミングを調べておく

都心に比べて、地方に行けば行くほど、電車の本数は減っていきます。長時間待ちぼうけ、なんて事態を避けるために、あらかじめ時刻表で計画を立てることがおすすめです。

・グリーン車を利用して、立ちっぱなしを避ける

通勤通学の時間に重なると、座席を確保できないこともあるでしょう。また、長時間の移動が続くと、のんびり座りたいものです。そんなときは、グリーン車の利用がオススメ。東海道線、横須賀線、高崎線、宇都宮線、常磐線、総武本線にはグリーン車付きの車両があり、追加料金をプラスすれば乗車可能です。

・ルートはあらかじめメモしておく

大回りを終えて改札を出るとき、一定時間を過ぎると、改札を出られないことがあります。その場合、窓口に行って「大回りをしてきました」と申告すれば、改札を通ることができます。(もちろん駅員さんも、大回りについては知っています)

その際、ルートの確認をされることもあるので、あらかじめルートをメモしておくと便利。事前に紙に書いたり、スマホのメモ機能を使うなど、スムーズに説明ができるようにしましょう。

ルートは無限! 楽しい大回りの旅を

いかがでしたか。今回は、一風変わった鉄道旅をご紹介してきました。

一筆書きのルートは無限大にあります。暇なときに都内近郊の路線図を見て、あなたオリジナルの大回りルートを見つけてみましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。