株安で売るのは、素直な反応だが

株価が下げると、資産を売る人が増えます。人は株価が下がることに痛みを感じ、耐えられなくなると売るのです。損を辛いと思うのは、人間として素直な反応です。しかし、値動きのロジック(論理的理由)を知っていれば、人は感情に逆らう行動が取れます。それができる人は、資産価額の下落に痛みを感じずにすみます。結果として、下げるたびに売るような軽挙を避けることができます。
 

作用反作用の法則

皆さんは、幅跳びで遠くに飛ばないといけないときにどうしますか?あるいは、高いところにリンゴがなっていたら、どう取りますか?幅跳びなら、助走をつけますし、ジャンプするためにはヒザを曲げます。

そうです。強く前進するには、いったん下がらないといけないし、高く飛ぶには、いったん身を低くしないといけないのです。これは、物理学で作用反作用と呼ばれる、重要な運動法則です。俗に「反動をつける」と表現されます。マーケットに意思があるとしたら、上げるために下げるのです。その下げを、運動法則のロジックでとらえないで、自分の投資行動の失敗だととらえる人が多いのは、残念なことです。
 

二重の買い圧力を創る

もう1つ、人間の心理から考えるとこんなロジックもあります。下げることで、市場には売り手が増えます。空売りをする人なら、いつか買い戻さないといけません。

順調に下がり続ければ、問題ないのですが、上げるために下げているのであれば、いつか下げは止まります。そこから相場が反転して、上昇が始まると、空売り集団は青ざめます。株高で損をすると連想する人たちは、安値のうちに利益確定しようと買います。そこに、二重の買い圧力が発生します。

元来、株高を願っている強気な投資家は、安値を買おうと勇んで買います。株安で利益を作った弱気集団は、損すまいと買い急ぎます。それまで、買い手と売り手に分かれていた投資家が、軌を一にして買い手として統合され、強い上昇相場が始まります。この場合には、株安は美味しいのです。
 

物理学を応用できる投資家なら

市場で、株安→反発→急騰というサイクルを描いた後には、今度はモーメントが働きます。反転した上方向に、より強い上昇が維持されます。これは、慣性の法則です。物理の法則は、自然界のことだけと思いがちですが、金融市場のような人工的な場面でも、立派に生きています。運動法則は、株価や為替など、資産価額の値動きにも当てはまります。結果として、理科の知識を生かせると、人生は豊かになります。

三流の人が株を売るときに、一流の人は買っていきます。株安で逃げ出す人もいる一方で、待ち構えている人もいる。本当に、皮肉なものです。資産価額が下がってから、資産を売るのは損な行動です。最高の売り方は、株価が過大評価されて割高になっているときです。人があわてて買い始めたら、一気に売ってしまうのです。お金を残せる人の行動はやはり違います。
 

逃げるべき株安を暴落

株安がいつも美味しいわけではありません。もちろん、逃げなければいけない株安もあり、それは暴落と呼ばれます。逃げる必要のない株安(調整)と逃げないといけない株安(暴落)の違いは何でしょうか? 一般的に言われている暴落の定義を、書いてみました。
 
  • 25日移動平均線から下に20%以上下げたとき
  • 上昇相場から利益の半値を超えて下落したとき
  • 数日間で、10%超の下落をしたとき

また、上げるために下げるの正反対に、下げるために上げるという相場もあるので、株高とて、いつも喜んでいられるわけではありません。このテーマについては、また改めて詳細の記事を書きたいと思います。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。