虫歯治療時の白い詰め物……変色は避けられない?

歯磨き中のカップル

前歯の詰め物の色の違いを気にする人は多いのですが…

歯に痛みを感じて歯科医院を受診された場合、虫歯の治療として歯に「詰め物」をするのが一般的な治療法です。虫歯の穴に詰める白い詰め物の素材が何か、ご存知でしょうか? 治療後の詰め物の色合いや着色などを不満に感じる方もいうようですが、詰め物の変色は素材が原因で起こります。白い詰め物の素材の正体とメリット・問題点について、解説します。

<目次>  

歯の詰め物の素材は、光で硬化する「コンポレットレジン」

歯科用undefined充填材料undefinedレジン

詰め物はペースト状や直接流し込むシリンジタイプのものなどがある

歯の詰め物の素材のベースは「コンポレットレジン(以下、レジン)」というプラスチックです。保険適用の治療で用いられる樹脂素材としては、コンポジットレジンが一般的。それに耐摩耗性や強度が向上するようにフィラーと言われる無機質が混ぜ込んであります。分かりやすく例えると、コンクリートを作る際に、セメントに砂利を混ぜて強度を増しているのと同じ仕組みになるのです。

この配合でフィラーが大きく硬くなれば耐久性が増し、少なければ表面が滑らかになりやすく、光沢も出やすくなります。歯の詰め物はこれらの大きさや量がバランスよく混ざったペースト状になっていて、それらを虫歯を取り除いたは穴に詰め込んで形を作ってから、光を当てて硬化させます。

素材は決められた波長の光を受けたときに固まるように作られています。穴に詰めて成形してから、青を発する波長の光を照射することで急速に硬化させることができます。
 

治療後に起こりやすい歯の詰め物への不満・その理由

■ 詰めた直後から少し黒い
詰めた直後であっても、歯と樹脂の光の透過性が異なるため、歯と歯の間の詰め物などが暗く見えることがあります。そのため樹脂の色を少し白くものを使ったりしますが、厳密に合わせることは困難なことが多いようです。詰め物の面積が小さいと逆に目立ちやすくなることもあります。

■ 詰め物が着色しやすい
レジンが劣化したり摩耗してくるとフィラー成分が表面に飛び出てくるため、凸凹が出来て色素が沈着しやすくなります。この場合表面を滑沢になるまで削って研磨することで、着色しにくくすることができますが、削ることで、樹脂の形態が変わるため、歯の全体のバランスが崩れるようであれば、詰め直すこともあります。

■ 詰め物の周囲に線が見える
樹脂と歯との境目が線のように目立つことがあります。これは歯との接着面がわずかにかけたり樹脂が磨り減ったりするためですが、凹みが大きいようであれば詰め直して対応するようになります。しかし一般的には、ごくわずかに表面的にヒビのようなわずかな隙間に着色が起こっているだけです。内部まで虫歯が進行していない場合も多く、そのままでも虫歯の進行には影響ありません。

■ 色が違う感じがする
樹脂の色合いは豊富な種類がありますが、どうしても周囲の歯の色に合わせにくいケースがあります。一般的な色合いよりも、かなり明るかったり、暗かったりするケースです。天然の歯の色は周囲のは光や明るさなどによっても見え方が異なるため、完全に一致するとこは、難しいことが多いようです。

■ 何度詰め治しても目立ってくる
セラミックのような耐久性が期待できないため、時間とともに劣化して、変色や着色が起こりやすくなります。しかし短期間で詰め替え続けることはお勧めできません。詰め替える際に、樹脂だけでなく歯をわずかに削ることがあるため、徐々に樹脂の面積が増加してくるリスクがあります。虫歯が進行していないのであれば、むやみな詰め替えは、控える方が、歯のトータルの寿命は長くすることができます。

歯の詰め物の本来の役割は、虫歯のままであれば黒い穴が空いていた部分を詰めることで修復し、再び虫歯にならないように治療することです。その役割にさらに追加として、歯の色と同じような色合いを持たせているだけなのです。虫歯になった歯に高い審美性を求めるのであれば、セラミックなどの被せ物になってしまうこともあります。
 

コンポジットレジンとセラミックの違いとは

小さな虫歯を埋める際に、セラミックに比べて変色しやすいレジンが主流になっているのは、ペーストを詰めて光をあてるだけで、歯と接着して隙間なく虫歯を治療できるから。さらに安価で、色が白いことも理由の1つです。

レジンの変色、着色しやすさなどは、あくまでセラミックと比較した場合であり、一度虫歯で穴が開いてしまった部分を修復するにかなり優れた素材です。少し変色や劣化してもそれがすぐに虫歯につながることなく、かなりの長期にわたって、虫歯ができることを防ぐことが可能なのです。

実はこのレジン、少し成分は異なりますが、前歯など、健康保険を利用して被せる時にも使われています。金属で被せ物を作り、表側部分のみを白くする際に使うプラスチックの樹脂そのものなのです。そのため、時間の経過とともに、詰め物と同じように被せ物も表面が変色したり、摩耗したりするケースもよく見かけると思います。一般的にレジンの経年劣化は、セラミックに比べると早く起こるようです。

では保険外でも良い場合、耐久性のあるセラミックで詰めることは可能なのでしょうか? その答えはいいえです。セラミックは光を当てても固まることがありません。900度~1500度以上の高温で焼き上げて固める必要があるガラスなのです。当然口の中では焼くことができないため、直接詰める物には使うことができません。

特徴や利便性、デメリットについてもよく理解した上で治療を受けるようにすると、治療後の納得感や満足度もさらに上がりやすいのではないかと思います。

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