名字にキヘンがつく場合、名前に自然を表す字を使わない方がいい?
自然を表す字は名前に向く字が多い
A: 名づけで大切なことは、親が納得した名前をつけること
情報の質を確かめるのは良い心がけです。名づけで大切なことは、親が気に入り、あとあと後悔しない納得のいく名前をつけること。そのためには親の好み、本音を素直に表現することが大切です。
文字の好みは人それぞれ違いますから、キヘンだから、サンズイだから、というような基準で考えることではありません。サンズイの字が好きなら使えばいいだけです。
自然を表す字こそ最も自然
日本では歴史的に名字と居住地の関係が深かったため、日本人の名字の中には山、岡、岩、川、河、江、岸、瀬、海、浜、島、崎、浦、沢、野、原、沼、池、坂、谷、田、森、林など地形をあらわす字がふんだんに入っています。また漢字というのはサンズイ、クサカンムリ、ノギヘンはもちろん、山、木、竹、石、日、月、谷、雨の入る字など、自然を連想させる漢字は極めてたくさんあります。
また植物だけでなく、動物だって自然界の一部であるわけですが、たとえば名前によく使われてきている浩、寛、達、美、義、絆、造、豪、能、慶、操、也、地、楓、強、備、法などの字に動物が含まれているということは、かなり漢字に詳しくなければちょっと気がつきにくいのではないでしょうか。
たとえば最近の名づけで使われる漢字のベスト50位あたりまでを見ましても、美・奈・菜・陽・花・翔・莉・香・音・和・月・実・彩・梨・華・輝・生・穂・晴・瑛・蒼・航・理・楓・芽・桜・葵・樹・汰・羽・朗などざっと30以上が自然界に関係する字なのです。したがって日本人の氏名で、名字と名前の両方に自然を表す字が入るのはごく普通で当たり前のことです。
つまり名字が自然界の字なら名前に自然界の字を使うな、などという大ざっぱな言い方は、精密な研究に基づいた専門知識ではありません。そういう何の根拠もない連想ゲームのような話にとらわれてしまいますと、名づけが妙な方向へ走ってしまい、ご自分の好みの字を自由に使うことは出来なくなってしまいます。
もちろん自然界をあらわす字が名前に向く字が多く、好きな字を使うことは名づけの基本ではあっても、どんな字でも無条件に良いというわけではありません。キヘンやサンズイを含む字で良くない意味の字もありますし、読み方が難しくなったり、説明のしにくい字であれば、社会生活で使い勝手の悪い名前になってしまうこともありますから、そこは後悔のないように充分気をつけていただきたいものです。