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2016年の相場に泣いた人、笑った人

投資でいつお金を投入するかは、損益を分ける要因の一つです。2016年の相場で、良い結果を出せずに泣いた人、好成績を残して笑う人には、こんな違いがあります。自分なりの相場感を持って、投資スタイルを決めることが賢明です。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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やはり騒がしかったサル年

サル騒ぐ年として注目された2016年が終わりました。2016年の日経平均の相場は、18,800円で始まり、19,100円で終わりました。年足で見れば、5年連続で株価が上昇した年となりましたが、年央には日経平均が15,000円を切る4,000円安が、二回もあるという波乱の年でした(2月12日と6月27日)。

世界中で、非常にボラティリティの高い相場の中で、個人の投資家はどんな行動を取ったのでしょうか?明暗を分けた投資スタイルを、ご紹介したいと思います。ご参考にしてください。

意表を突いた年初の株安

多くの人にとって、2月と6月の暴落は、意外なものでした。年初からの株安の原因は原油安といわれていますが、その決定的な根拠はいまだに明確ではありません。6月の株安に至っては、英国の国民投票の予想外の結果により、一瞬にして全面安となりました。

この2回の暴落で、底値を拾えた人はあまりいないと思います。買うというよりも底なし沼に引きずり込まれそうな恐怖心に襲われた人が多いのではないでしょうか。十分な準備ができないままに、突然の暴落に奇襲されたという前半の6ヶ月でした。

押し目待ちに押し目無し

そして、秋に迎えた3度目の暴落のチャンス。暴落が起きる前から”トランプ・ショック”と名付けられ、トランプが勝てば金融市場はメルトダウンしてしまうと、まことしやかに報道されました。実際に、11月の大統領選挙直前には、暴落を待ち構える個人投資家が多くいました。三度の正直というわけです。

しかし、「押し目待ちにに押し目なし」の格言通り、トランプ当選にもかかわらず、株価暴落は訪れず、逆に、年末にかけて世界の株価は15%ほども反発を遂げました。

貪欲な肉食系がほんろうされた

こんな一年で、マーケットにほんろうされ、心も傷つき、お金も失ってしまったのは、積極的にタイミングを計ろうとしたアクティブな投資家たちです。肉食系の投資家とでもいいましょうか。多くの個人投資家は、タイミングをとらえた投資をしようともくろみながら、マーケットにほんろうされたようです(もちろん、タフな相場を打ち負かした強者もいますが)。

一方で、2016年のような相場で、ニコニコしている投資家もいます。
それは、タイミングを計ろうとしない、コツコツ投資家です。草食系の投資家とでもいいましょうか、アクティブに動かない静かな投資家です。

静かな草食系は堅実に収益を作った

ガイドは、草食系の投資成果を確認するために、毎月末に日経平均を定額購入していたらどうなっていたかという試算をしてみました。計算してみると、驚きの結果が出ます。年間の増減率は14%を超えています(資産は1.14倍)。収益率を、複利の利回りとして計算してみると、なんと28%です(幾何平均収益率)。

これは、毎月定時定額購入が、安いときにはたくさん買い、高くなると少ししか買わないという、自動調整機能を持つために起こるするサプライズです。2016年のように、スタートとゴールとで、株価がフラットであっても、その途中で大きく下げることがある鍋底のような相場では、立派な収益を叩き出します。

相場感から投資スタイルを選ぶ

定時定額購入がいつも優位にあるというワケではありません。もし、株価が右肩上がりに上昇を続ける年であれば、コツコツと分けて買うよりも、年初とにドンといっぺんにまとめ買いする方が、良い収益率が出ます。

2016年は草食系のコツコツ投資が勝ちましたが、2017年はどんな相場となるのでしょうか?相場感をもって、今年の投資スタイルを決められたら良いと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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