毎年3月頃は「春の住み替えシーズン」などともいわれ、3月中に引き渡すことができるように工事を急ぐ新築物件もありますが、一般的に住宅を購入して3月末までに入居するためには、どのようなスケジュールを考えるべきなのでしょうか?
もし、購入代金を全額まかなえるほどの現金があり、すでに空室となっている中古マンションや一戸建て住宅、あるいは完成済みで「即入居可」の新築物件に対象を絞って探すのであれば、2月に行動を開始しても3月中の入居は十分に間に合います。
住宅ローンを借りる場合でも、購入する候補物件がある程度までリストアップされていて、さらに住宅ローンの事前打診やそれなりの準備もすぐにできる状態であれば、2月に契約を決めて3月に入居することも無理ではありません。
しかし、気にいった中古物件があっても、そこにまだ売主が居住していれば、売買契約締結から引き渡しまでに2~3か月ほどかかることも多いでしょう。
売買契約から1か月程度で引き渡しができる物件だとしても、リフォームをする予定の部屋であれば、その工事期間として2~3週間ほどの余裕をみておかなければなりません。
住宅ローンも原則的には売買契約が終わってから正式に申し込みをすることになり、どんなに早くても申し込みから審査、融資実行まで1~2週間はかかります。少し余裕を考えれば2~3週間程度をみておきたいところです。
つまり、自分たち家族が納得できる物件をじっくりと選んで、通常の段取りで3月末までに入居しようとするなら、1月中に物件を探したうえで2月初め頃までには売買契約を済ませておくことが必要です。
それを過ぎれば過ぎるほど次第に選択肢は少なくなり、妥協を求められる点が増えるなど、不本意な結果に終わる可能性も高まるでしょう。引っ越しのピークに重なれば、希望どおりの日時に作業ができないこともあります。
通常の住宅購入では、売買契約を締結してすぐに入居ができるわけではないことを念頭におき、入居時期の希望がある場合には、早め早めに行動することが欠かせません。
>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX
(この記事は2007年2月公開の「不動産百考 vol.8」をもとに再構成したものです)
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