気が萎える長時間移動
長時間座席でじっと静かにしてろって、どんな修行ですか!@子ども
子どもの気持ちになってみると、狭いシートに押し込められて、退屈するのもわかります。好きなことをしようとしたら怒られるし、ストレスも溜まって当然。とはいえ、周りの大人からの冷たい目線も、親としたら気になります。なんとか無事に当たり障りなく、移動を済ませたいものですよね。
子どもの退屈を撃退し、平穏な帰省を実現するために、長時間移動に携帯する「グッズ」について考えてみます。
お気に入りを厳選する
子どもに静かにしていてもらうために、絵本やオモチャを装備しておきたいものですが、荷物が多くなるのも困りもの。なので、なるべくかさばらない、子どものお気に入りのオモチャや絵本を厳選しましょう。何度遊んでも飽きていないという「実績のあるもの」が鉄板です。「新しいモノを与えたら、それでしばらく遊んでくれるのではないか」とか、「気に入らなくても他にモノがなければ、仕方なくそれで遊んでくれるのでは」と期待してしまうものですが、ニューアイテムは当たり外れが大きすぎます。
何を持っていくのか、子どもと選ぶといいですね。「このぬいぐるみはちょっと大きすぎるなあ」「このオモチャを持っていくなら、これはやめておく?」と、交渉するのも楽しいもの。子ども用の小さなリュックやカートを準備して「これに入るだけね」と容量を決めるのも手。また、バッグは原則として子どもが運ぶというルールにしておけば、重量の問題もクリアしやすくなります。
新しいブツは出先でゲットする
新しい刺激(オモチャや本やお菓子)の助けを借りたいのであれば、出先でゲットが鉄則です。「この絵本は、○○に帰る時に買ったんだよね」と、思い出スパイスも振りかけられます。また、向かう先には、かわいい孫に隙あらば何かを買ってやろうと待ち構えているジジババがいることも忘れずに。飛行機移動の場合は、絵本を貸してくれますし、小さなオモチャをプレゼントしてくれるところもあります。筆者は飛行機での帰省が多かったのですが、機内で子どもが騒がないために、よく考えられているグッズばかりでした。いずれもコンパクトながら、広げたり畳んだりすると形が変わるプラスチック製の軽いオモチャで、見立て遊びをしたりして、その後何年も遊んでいました。次の搭乗の際にも持参して、何度もお世話になりました。
絵本は読み終わったら「チェンジ」可能なので、客室乗務員を呼び出してお願いしましょう。航空会社側としても、子どもがぐずらないでいてくれるなら、それくらいの手間はなんてことないでしょう。気兼ねは要りません。
スマホやタブレットは活用しよう
スマホやタブレットは、長時間移動の強い味方です。ゲームはできるし本も読めるし動画も見られる。退屈撃退最強グッズです。充電器も忘れずに荷物に入れておきましょう。また、音の出るゲームをする可能性がある場合は、イヤホンも忘れずに。ただ、子どもは音を大きくしがちなので、音量には注意しましょう。もしかしたら「スマホに子守りをさせるなんて」と冷たい目を向けてくる人もいるかもしれません。でも、そういう人のほとんどはスマホを使いこなせていません。単に「イマドキの若い親たちに物申したい」だけなので、気にするだけ損。どうせ子どもはゲームにもすぐ飽きるのです。ならば、子どもがゲームに集中している間は、親は次なるバトルに向けて英気を養いましょう。
「子どもがスマホゲームにハマってしまったら……」と、帰省後のことが心配な人は、「公共交通機関での移動中だけ」といったルールを決めておきましょう。指紋認証やパスワード設定をするなどして、あくまで「親のものを借りている」という認識をさせ、親が管理するというのは、とても大切なことだと思います。
ほんの少しの気遣いでお互い快適に
どんなに準備をしていても、思い通りにいかないのが、子どもサマ。ぐずりだしたり、ジタバタしたり、「うんこ、ちんこ」と騒ぎ出したりするのは、不可抗力です。しかし、親としては、どのように周りに配慮すればいいのか悩んでしまいますよね。子どもの声がうるさいからと保育園建設反対の住民運動が起こったり、マンションで挨拶禁止のお触れがでたりというニュースを聞くと、息をひそめて子育てしなければならないのかと悲しくなってしまいますよね。でも、自分がかつて子どもだったことを忘れている大人たちばかりではありません。泣き止まない子どもを必死にあやすパパママを見て、まるで自分のことのようにヒヤヒヤしながら、何かできることはないかとチラチラと視線を送っている人たちも多いのですよ、実は。
なので、子どもの不穏な動き(ジタバタや絶叫)が2~3回続いたら、周りの人に「すみません」と声をかけたり、せめて会釈を送りましょう。「困ってるの、助けて」というサインを出したっていいのです。
「イマドキの若い親は、子どもも静かにさせられないのか!」と怒っている人たちは「自分なら泣き止ませられるのに」と手ぐすね引いているのかもしれません。本当は手を貸してあげたいのだけれど、どうしていいかわからず、そういう自分の不甲斐なさに腹を立てている人が、何割かいるのではないでしょうか。
そういう人たちの懐に入り込む「ごめんなさい」や「すみません」を、もっと活用してみましょう。大阪のおばちゃんなら、アメのひとつもくれるはずです。
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