「#星野源に屈しない女の会」まで登場!?
『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡役で世の中の女性を"ムズキュン"させている星野源さん
新しいマルチの才能
歌う、ギターを弾く、作詞作曲もする、コントに舞台、マルチな才能を持つ星野源ですが、私たちが見てきたマルチな才能への固定観念とは違うようです。凡人には理解し難い芸術性や難解な思考から感じる縁遠さ……、しかし、星野源はそんな特別な存在に対する近寄りがたさを”感じさせない”マルチなタレント。実力は本物なのに共感しやすくわかりやすい「マルチをマルチに見せない才能」と呼んでいいかもしれません。「ぼくたち」のひとりとして存在する
「ぼくたち」と誰かが語るとき、その集合体のなかにテレビや舞台で活躍する俳優が入っていることは、あまりないように思います。かっこよすぎて、モテない気持ちなんてわかるはずないし……。でも星野源は「ぼくたち」に入っていると感じます。そう感じさせる魅力があります。それはなぜでしょう。・永遠の男子・永遠の少年だから
夢あり、女の子への好奇心あり、時々下心あり、少年のころ感じた感覚を今も生き生きと表現してくれること、歌、ギター、笑い、お芝居、今も少年のようにたくさんのことに夢中なこと、そんな彼は「ぼくたち」のひとりです。
『11人もいる!』で演じた、仕事が続かない不遇な主人公の弟真田ヒロユキが、ギターを持って歌う姿は少年のよう、胸にしみる歌声でした。
・どこかにいそうな人物を演じるから
手に汗握る恐怖の顔や震えあがる怖い顔など、驚愕の演技を見せる俳優を視聴者は"特別な人"と感じます。しかし、彼の演技はそうではありません。私たちのすぐそばにいそうな人物を自然な演技で見せてくれます。
TBSテレビの金曜ドラマ『コウノドリ』で演じた産科医の四宮春樹は、とっつきにくい人物、とにかく笑顔がありません。星野源が演じると、過去を背負う四宮が、実は誰よりも愛情深い人間であることが、ちゃんと伝わってくるから不思議です。笑わないメガネの奥の小さな光を丁寧に見せてくれました。
NHK大河ドラマ『真田丸』では、徳川家康の嫡男である徳川秀忠の腰の引けたかんじや苦悩・苛立ちを、内野聖陽、近藤正臣といった怪演俳優相手に自然体で演じきり、星野源ならではの人間味が伝わってきました。
視聴者が共感できる人物、寄り添える人物をサラリと演じてしまう星野源だから「ぼくたち」のひとりと感じるのでしょう。
星野源と津崎平匡のフツーとフツー超え
話題のTBSテレビの火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に登場する「独身のプロ」津崎平匡は、星野源が演じてこその人物だと感じます。フツーの人が抱える悩み、迷い、自己嫌悪、そこから生まれる決意、恋する誰もが経験することに真正面から向き合う津崎平匡、不器用ながらも毎日をまっすぐに生きる真面目な人物です。とんがったところもなく、服装も感じがいい、フツーで素敵です。かつて女子に人気のあった「ちょっと不良っぽいかんじ」もなく「壁ドン」の強引な香りもありません。しかし、津崎平匡は突如フツーを超えた行動で、私たちをドキドキさせることがあります。第6話では、手を握るかどうかの迷いが、突然キスに飛躍。一緒にモジモジしてきたはずなのに、私たちの一歩先をいきます。嫌いになる要素もないけど好きになる要素もない、と踏んでいた私たちにとって、駆け引きしない津崎平匡の想定外は、まさしくフツーを超え。そしてこれが、ドキドキに拍車を掛けます。フツーとフツー超えの絶妙な共存が津崎平匡の魅力。そんな彼を、フツー超えの才能にあふれながら、屈託のない笑顔でフツーの少年のように笑う星野源が演じる。気にならないはずがありません。
星野源の魅力はあふれる人間愛、時々昭和の雰囲気を漂わせるユーモアと好奇心、新しいフィールドに向かう勇気、2017年はさらに新しい星野源が私たちを楽しませてくれそうです。恋ダンスを踊りながら2016年を超えていきましょう。