ノロウイルスや胃腸炎の辛い症状……食事の献立やポイントは?
ノロウイルス、胃腸炎はつらいですですね。体力は落ちる、でも食べたくない……、こんなときどのように対処したらいいのでしょうか?
症状が辛い時は、胃腸の休養と水分や塩分の摂取を忘れずに
腹痛や下痢などの不快症状がある時には、原因が何であれ、まずは胃腸を休めることが肝心です。仮に腹痛や下痢が続いて1~2日くらい食べられなくても問題はありません。むしろ、そんなときに無理をして食事をするほうがよくありません。不快感がおさまってから食事をするようにしましょう。また、食欲不振が続く場合には、無理をして食べるのではなく、水分と塩分の摂取を心がけてください。経口補水液OS-1やスポーツドリンクのようなものが効果的です。これらの飲物は冷たいほうが美味しい印象がありますが、痛みを伴っているときは室温~人肌程度のぬるい温度で飲むようにしましょう。冷たい飲物で弱っている胃腸を冷やさないようにして下さい。また、水分摂取が薦められるといっても、炭酸飲料やジュースなどはおすすめできません。胃腸に負担がかかります。
食事の再開はいつから? 胃に優しい食事のポイント
痛みや下痢などの不快感が治まって、食事をしたいと感じられるようになったら、消化のよい温かい食べ物から食べ始めます。消化がよく温かい食べ物としては、やわらかく煮たお粥や素うどんなどがおすすめです。また、ニンジンやさつまいも、カボチャなどを柔らかく煮込んだスープなども良いかと思います。いずれも濃い味付けは胃腸に負担がかかるため、できるだけ薄味にしましょう。お菓子類や揚げ物など脂肪の多いものは消化に時間がかかるため、回復期の最初の食事としてはおすすめできません。
徐々に食欲がわいてきたら、たんぱく質と水溶性食物繊維を意識的に摂るようにしましょう。たんぱく質は、胃の粘膜を保護するはたらきがあります。ただし、脂身の多い肉ではなく、豆腐や卵、白身魚やササミなどをやわらかく煮たものが良いでしょう。水溶性食物繊維は、下痢によって著しく悪化してしまった腸内環境の改善に役立ちます。水溶性食物繊維はワカメや昆布などの海藻類やさつまいも、ヤマイモ、繊維質の少ない果物などがおすすめです。
子供などがぐずって食事を食べたがらないときは、プリンなども回復に役立ちます。また、ヨーグルトなどで乳酸菌を摂るのも効果的です。乳酸菌を摂ることで腸内の善玉菌を増やして、ノロウイルスなどの独壇場で荒れ放題だった腸内環境の改善を目指します。
胃腸炎から回復後の1週間前後は、二次感染予防が大切
食事を再開して1~2日くらいすると、体調もほぼ元通りと感じるくらいまで回復してくると思います。不快な症状がなくなれば、今まで通りの食事に戻しても良いでしょう。ただし、ここで気を緩めてはいけません。症状が治まっても約1週間は細菌やウイルスが出続けているといわれています。ノロウイルスや胃腸炎は感染患者の嘔吐物や排泄物の処理をする際にウイルスが手につくなどして、二次感染が拡がるケースが多々ありますが、下痢等の症状が治まってからもトイレの後の入念な手洗いなどは重要です。患者本人も家族も、「もう元気にしているから大丈夫」と過信せずに、体調不良が治まってからも1~2週間は排泄物からの二次感染に気をつけて下さい。
胃腸炎やノロウイルスのときの献立・レシピ……簡単に作れる卵粥と野菜スープ
体調不良のとき、手の込んだ料理を作る元気はありません。胃に優しく、簡単に作れるものとしておすすめなのが、冷蔵庫にある食材をやわらかく煮たものです。冷蔵庫によくある食材で簡単に作れるレシピを2つ紹介します。■卵粥 (1人分)
不足しがちなたんぱく質を消化の良い卵で摂れる一石二鳥のお粥です。体調が悪くないときでも美味しいです
冷ごはん 1膳
卵 1個
だし汁 400ml
塩 少々
しょう油 少々
<作り方>
1)ボールに卵を割って、卵を溶きます。これに塩・しょう油で味付けをします。
2)だし汁を鍋に入れ、冷ごはん、1)の卵を入れてやわらかく煮ます。煮えたら弱火に。ふたをして火を止めます。
3)最後に5分くらい蒸して完成です。
■野菜スープ (1人分)
野菜スープは体を温めるのに最適です。コクをだすためにモモ肉を使用しましたが、体がかなり弱っているときはむね肉やささみのほうがオススメです。
にんじん 1/4
キャベツ 1枚
鶏モモ肉 30g (むね肉やささみも可)
コンソメ 1/2個
塩 適量
こしょう 適量
水 300ml
<作り方>
1)にんじん、キャベツ、鶏もも肉は一口大よりも少し小さめにカットします。
2)鍋に水を入れ、カットした材料を入れます。
3)よく煮えたら、コンソメ、塩、こしょうで味を整えて出来上がりです。
何よりもノロウイルスや胃腸炎にかからないことが一番です。ノロウイルスも胃腸炎もどちらも、細菌やウイルス感染によって起こるため、特に小さい子どもや高齢者がいる家庭では神経質になってしまうかもしれません。 まずは手洗いなどの予防策を毎日欠かさず励行することが大切です。
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