科学ではまだ解明しきれない? 「ツボ」の意味と根拠

顔に手を当てている女性

皆さんはツボをいくつご存知でしょうか? 代表的な15個のツボをご紹介します

今や世界中で用いられているツボ治療。ツボは、未だ科学では十分に解明されていないものにもかかわらず、「WHOも認めるツボの有効性」記事などでも詳述しているように、国際的な機関でも医学的有効性が認められています。「理由ははっきりしないが、確かに効く」という長い歴史と多くの経験の裏付けがある治療法です。

鍼灸師は国家資格ですが、学校では「ツボは反応点であり、治療点である」と教わります。実際に、人の体をくまなく観察すると「他とは違う反応」が多く見られます。例えば、黒ずんだ皮膚の色、乾燥している、毛深い、硬い、盛り上がっている、痛い、冷たいなど局所的に起こっている反応です。

きっと何か理由があるに違いない……そう考えるのが普通ではないでしょうか? その反応が現れているところが「反応点」、いわゆる「ツボ」なのです。そこで初歩的な方法として、その場所を「治療点」として刺激していきます。

 361個のツボを結ぶ「経路」…生活習慣やストレスの影響とは

さてツボは、私たちの体に361個あるとされ、マニアックなものを入れれば1000個以上あるとも言われています。点であるツボとツボを線で結んだものを「経絡」と言い、体を巡る水路のようなものとして考えられています。この経絡は12本の本流、8本の支流の合計20本あり、この経絡上にツボが361個あります。

ツボを知るにはまず経絡についても、少し理解した方が良いでしょう。経絡は「川の流れ」と同じで、上流(始まり)と下流(終わり)があります。つまり、方向があるということです。

川の上流は森や山の中で細く、速く、冷たく、綺麗な水が流れている様子が想像できます。川の中流は平地で民家がちらほらあり、緩やかで、生活排水が流れている水が想像できます。川の下流は河口、海とつながるところで、幅広く、濁って、汚れた水が想像できます。

通常でも中流や下流は水がよどみ、臭いもあり、たくさんのゴミ(老廃物)を集めて流れているので、滞りやすいというのも想像できると思います。また例外として、台風や大雨など、特別な事態では上流も氾濫したり、大きな大木が流れることもあるでしょう。

日頃の生活習慣やストレス、病気などさまざまな理由で、川の流れ同様、私たちの体でも同じようなことが起こります。鍼灸師は、「流れの滞り」が体の不調を招き、また反対に、体の不調が「流れの滞り」を引き起こすと考え、滞った流れを改善するために、鍼灸やマッサージを用いていきます。前述の通り、川の流れには方向や深さがあるため、ツボや経絡を使うときにも方向や深さを考える必要があります。

少し専門的な話になりますが、鍼灸師は滞っているものの大きさや性質についてさらに深く知ることで、どのくらい刺激するべきかを考えて施術を行っているのです。

鍼灸治療適応の病気一覧…ツボの効果と押し方のポイント

世界保健機構(WHO)では、鍼灸治療の効果について下記の疾患名を挙げています。もちろん、これ以外にも鍼灸が効果的なものはたくさんあります(表1)。表1はあくまで疾患名ですが、日頃多くの方が直面するお悩み症状についても、ツボの効果と位置、押し方をご紹介します(表2)。
(表1)WHO ツボの効果

(表1)WHO ツボの効果


(表2)ツボの効果と位置、押し方

(表2)日々直面するお悩み症状・ツボ効果と位置、押し方


自分でできるツボ押し15選! 効果・位置・ポイント

表2に記載した15個のツボの位置を写真を見ながらご紹介します。症状とツボの位置や方向、深さを考えながら押してみて下さい。方向は流れをイメージして行ってみましょう。

施術に移る前に、深さについてもう少しご説明します。そもそもツボは深すぎる場所にはないのです。ツボや経絡は体表を巡るものですので、多少の深い浅いはありますが、力が届かない場所にはありません。力を入れて行くと必ず、「止まるところ」があります。そこがまさにツボです。これがわかれば、ツボの効果は何倍にもなるでしょう。表2におおよその深さを書いてありますので、こちらも参考にしてください。

では、各症状の位置写真を見て押してみましょう。

■頭痛に効くツボ…合谷(ごうこく)
症状:頭痛
位置:親指と人差し指の間にあって、人差し指側にあるくぼみ
方向と深さ:指先から上方向へ。深さは個人差がありますが、表層から中層。
合谷

合谷

■肩こりに効くツボ…天柱(てんちゅう)
症状:肩こり
位置:首の付け根、髪の生え際にあって中心から横へ指2本のくぼみ
方向と深さ:頭上から下方向へ。深さは中層。
天柱

天柱

■鼻炎に効くツボ…迎香(げいこう)
症状:鼻炎 
位置:小鼻の際
方向と深さ:小鼻から目の方向へ。深さは中層。
迎香

迎香

■目の疲れに効くツボ…晴明(せいめい)
症状:目の疲れ
位置:目頭を眉毛の生え際に向かって 
方向と深さ:目頭から眉毛へ。深さは中層。
晴明

晴明

■胃の不調に効くツボ…中かん(ちゅうかん)
症状:胃の不調
位置:体の中心にあって、みぞおちとおへその中心 
方向と深さ:みぞおちから下方向へ。深さは表層。
中かん

中かん

■便秘に効くツボ…足三里(あしさんり)
症状:便秘
位置:膝のお皿の外側の角から指4本下のくぼみ 
方向と深さ:膝から足首へ。深さは中層。
足三里

足三里

■むくみに効くツボ…豊隆(ほうりゅう)
症状:むくみ
位置:膝下と足首の中間の指一本外
方向と深さ:膝から足首へ。深さは深層。  
豊隆

豊隆

■下痢に効くツボ…天枢(てんすう)
症状:下痢
位置:おへその外指4本
方向と深さ:胸から下腹部へ。深さは中層。
天枢

天枢

■冷え症に効くツボ…太谿(たいけい)
症状:冷え性
位置:うちくるぶしとアキレス腱の間
方向と深さ:足首から膝へ。深さは深層。
太谿

太谿

■こむら返りに効くツボ…承筋(しょうきん)
症状:こむら返り
位置:ふくらはぎの中間で一番盛り上がっているところ
方向と深さ:膝裏からかかとへ。深さは深層。
承筋

承筋

■精神不安に効くツボ…神門(しんもん)
症状:精神不安 
位置:手首の小指側のしわのくぼみ
方向と深さ:肘から指先へ。深さは深層。
神門

神門

■不眠に効くツボ…失眠(しつみん)
症状:不眠
位置:かかとの中心
方向と深さ:まっすぐ。深さは中層。
失眠

失眠

■月経痛に効くツボ…血海(けっかい)
症状:月経痛(生理痛)
位置:膝のお皿の内側の角から指3本上
方向と深さ:太ももから膝へ。深さは表層。
血海

血海

■不妊に効くツボ…関元(かんげん)
症状:不妊・妊活
位置:体の中心にあって、おへそと恥骨の中央
方向と深さ:足に向かって。深さは中層。
関元

関元

■安産に効くツボ…三陰交(さんいんこう)
症状:安産
位置:内くるぶしの上指4本の骨際 
方向と深さ:くるぶしから膝方向へ。深さは深層。
三陰交

三陰交


身近にあるものでも代用可!オススメのツボ押しアイテム

使いやすさや症状に合わせて、ツボ押しアイテムも使いこなしましょう。手の届かない場所を押すときや、持続的もしくは強い圧が必要なときなどに使うと便利です。

■何と言っても指でツボ押し
親指だけでなく、他の指で押しても良いでしょう。場所によってはさする程度でもOK。使いすぎは関節を痛める人もいますので注意が必要です。

■テニスボールでツボ押し
足や腕、お腹の上を転がして使います。腰や太ももなどの大きな筋肉の場合は乗っかってもいいですね。

■スーパーボールや小石でツボ押し
小さいところをピンポイトで押したいとき、ツボの上において、指で押します。小石の場合、丸みのおびたものを使用しましょう。※あえて先のとがった石を使う場合もありますが、怪我をしないように注意が必要です。

■ストレッチポールでツボ押し
上に乗り、背骨の上、横を広範囲に刺激できます。背骨の上と横は神経と深い関わりがあり、全身を調整するには良い場所です。

■青竹踏みでツボ押し
昔ながらのアイテムです。足の疲れや冷え性にはこの上に乗ります。

■菜箸でツボ押し
箸頭の丸いものを使い、ピンポイントに刺激します。優しく、じっくりと押しましょう。

■ラップの芯でツボ押し
最近はやりの筋膜をほぐします。固すぎるところは強い力ではなく、何回もコロコロ転がし、大きな塊を潰すようなイメージで行います。

■米・小豆でツボ押し
テープに貼り付けて長時間刺激したい時に最適です。慢性的な肩こりや腰痛のとき、ツライところに貼り付けます。また、米や小豆をお手玉のように布に包み、電子レンジで軽く温めて気になるところに押し付けるのも効果的です。

「ツボ」はストレスや身体の不調を表す

私たちを取り巻く環境は常に変化をしています。それは天気であり、食事であり、精神状態であり、そして肩こりや頭痛、冷え性などとして現れてきます。この変化はまさに自然の反応と言えます。昔の人は、人も自然の中の一部だと考え、自然との調和を大切にしてきました。体内の自然の変化が体の表に現れ、それをツボと考え、自然との調和を図るために利用してきました。


以上、基本として覚えていただきたいツボ押しの効果とセルフケアの方法について解説してみました。体が発している合図に耳を傾け、不調を感じるときはぜひツボ押しを試してみてください。自分の体はどうなっているのか疑問に思う方、ツボや経絡についてさらに詳しく知りたい、鍼灸を体験してみたいという方は、一度鍼灸院を訪れてみてはいかがでしょうか。
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