日光消毒のためにお日様に当てて干すことは、必要不可欠?
お日様で干すことは重要!と考えている人は少なくないはず
でも、この「洗濯物や布団は、お日様に当てたい!」欲求を持っているのって、けっして少数派じゃありませんよね。晴れとなれば家々のベランダにひるがえる洗濯物、干し延べられる布団……。
でも、実のところ疑問ではあるのです。「お日様に当てる」ことって、洗濯物や布団にとって「絶対必要」……なの?
<目次>
日光に当てて布団や洗濯物を干す効果とは?
お日様は家事の味方、ではあるけれど
でも、そういう効果・メリットって、実際のところ「太陽光」にしかないものなのでしょうか?
「干す」イコール「乾燥させること」、なるべく「早く」がポイント
布団などは「乾燥させる」ことが重要です
ですから、ただ乾かせばいいというわけではなく、なるべく「短時間」で乾燥させることが大事なのです。
逆に言えば「短時間で乾燥」さえできれば良いので、現に「太陽光」には一切さらさず、エアサーキュレーター、洗濯乾燥機、浴室乾燥機、除湿機、エアコン、布団乾燥機などの家電設備のみによって洗濯物を乾かしたり、布団を乾燥させているという方も、最近は少なくありません。
住環境や生活パターンの多様化が進んでいるため、誰しもが必ず「お日様に当てて干せる」というわけではないのですよね。余談ですが、冬季の日照時間が短い北欧では乾燥機のほか、乾燥室や乾燥庫といった設備を活用しているそうです。北米など、「コインランドリー」利用が前提の国も少なくなかったりします。
「日光消毒」の効果は、実際どれくらいのものなのか?
さて、しかし世の中には「日光消毒」っていう言葉もありますよね。お母さんやおばあちゃんがせっせと下着を日向に干していた記憶がある方も多いのではないでしょうか。「紫外線消毒」なんて言い方もされますが、つまるところ部屋干しや乾燥機じゃ「日光消毒」「紫外線消毒」できないのでは?たしかに、太陽光に含まれるUV-Bという紫外線には殺菌効果があるといわれています。ただ、このUV-Bはとても「さえぎられやすい」という性質があり、対象物をつねに「直射日光」に当てないことには殺菌効果としては意味がありません(ガラス越しでもダメ)。厳密に運用するのは、少々ハードルが高いのです。
「お日様に当てる」デメリット……やみくもに長時間干すのはダメ
直射日光に当てすぎると、劣化を招くことも
紫外線のエネルギーが吸収されやすい色や素材の対象物では、退色したり、分解されてしまうなどの劣化が起こります。干した洗濯物の色が変わったり、布団の側生地が傷んでしまったりするようなことです。
濃色部が色あせ、薄くなり、花模様の布団の濃いツボミ部分だけ穴が空いてしまった布団など目にしたことがあるという方も、存外いるのではないでしょうか。
やみくもに長時間干すのではなく、10~14時くらいの空気が乾燥している時間帯に、布団や枕の表裏まんべんなく、それぞれ2時間ほど「直射日光」に当てるようにすると良いでしょう。
洗濯物にも布団にも必要なのは、素早い「乾燥」
「洗濯物も布団も日に当てなくていいってホント?」。この問いの結論は、「だいたいホント」というところになるでしょうか。繰り返しになりますが、洗濯物であれ布団などの寝具であれ、「干す」「直射日光を当てる」という営みから、私たちは紫外線による殺菌消毒効果などよりも、熱や外気による「乾燥」効果の方を日常的に享受しています。
雨上がりの湿気70%の直射日光の元で布団を干し、洗濯物を干すことにはあまり意味がありません。また換気もしない湿度の高い部屋の、日の当たる窓際で漫然と室内干しさせていることは、むしろ洗濯物や布団についた細菌を増やしてしまいかねません。
ですから洗濯物も布団も、なるべく短時間で「乾燥」させることを目的に方策を講じるべきであり、「日に当てる」ということは、第一目的ではないのです。
とはいえ「お日様」がありがたくも無料のエネルギー源であることは自明ですので、乾燥のためにも効果が高いと判断できる日には、ぜひ「天日干し」を! ガイドもせっせと干そうと思います。
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