保護者の同意があれば、未成年者も美容皮膚科での治療が可能

乳児の診察をする女医

美容皮膚科の受診は保護者の同意が必要にはなりますが、未成年でも治療は可能です

美容皮膚科というと20代以降の女性がレーザーやヒアルロン酸注射で受診するというイメージが一般的です。お子さんがシミやシワを理由に美容皮膚科を受診するといったイメージを持たれる方はそう多くはないと思います。

未成年者の受診は稀ですが、実際には子どものホクロやイボなどのできものを取り除いてほしいといった訴えで来院される方もいらっしゃいます。保護者の同意が必要にはなりますが、未成年でも美容皮膚科での治療は受けられるのです。

レーザー治療を選択する前に知っておきたいメリット・デメリット

ホクロやイボのうち、表面に飛び出したできものの多くはレーザー治療が可能です。レーザー治療の方が手術よりも仕上がりがきれいなことも多いです。ただし、できものを蒸散させてしまうため、手術でできものをとったときのように顕微鏡による検査(病理検査)で確定診断をつけることはできません。診断がはっきりしないできものの場合は皮膚科を受診して、まずはっきりとした診断と治療方針を聞くのがよいでしょう。

例えば一言でできものといっても、いろいろな種類があります。特に正確に診断する必要があるのは皮膚ガンとも呼ばれる悪性腫瘍です。しかし現実には皮膚ガンは高齢者に多く、年齢に比例してリスクが上がる疾患です。お子さんの皮膚のできものが悪性腫瘍だったというケースは極めてまれですので、多くの場合、過剰に心配しすぎる必要はないでしょう。

また、皮膚の下にあるできものの場合は美容皮膚科のレーザーでは治療できないため、皮膚科での手術が必要になります。

以下では、ホクロ、稗粒腫(はいりゅうしゅ)、血管腫といった子どもに多いできものやアザの治療法について、解説します。

子どものホクロ・色素性母斑…美容皮膚科での治療法

■特徴
ホクロは生まれつきある「先天性母班」もありますが、小児期にできて大きくなるものもあります。盛り上がるタイプのホクロは目立つため、子どもにも気になり、切除したいと希望される方もいます。
子どものホクロ

ホクロは子どもにできた場合でも多くの場合は炭酸ガスレーザーで削り取ることができる。特に顔では治療後のキズも目立たないことが多い

■治療方法
顔はキズの治りがいい場所なので、手術や炭酸ガスレーザーでホクロを除去すると驚くほどきれいに治ります。キズがほとんど目立たなく治ることは少なくありません。私も以前、中学生の患者さんからの希望で鼻部分で目立つ盛り上がったホクロを炭酸ガスレーザーで除去したことがあります。炭酸ガスレーザーによる治療は皮膚を蒸散させ、できものを削り取ることができます。子どものホクロの場合、見た目の問題以外にとる必要はほとんどありませんが、見た目に気になる場合には美容皮膚科、もしくは手術とレーザーによる除去を行なっている一般皮膚科でホクロ除去を検討してもいいでしょう。

子どもの稗粒腫(はいりゅうしゅ)…美容皮膚科での治療法

■特徴
稗粒腫とは、目の周りなど、うぶ毛が生える部位にできやすい白い角質がたまった1~2mm程度の小さなできものです。年齢は問わず、幼児~思春期、大人でも幅広い年齢にできます。稗粒腫で受診される方の多くは、美容皮膚科、一般皮膚科に共通して、「顔に小さな白いできものができて消えません…」といった理由で受診されます。ニキビのある方の場合、白ニキビと区別がつきにくい場合もあります。
稗粒腫

稗粒腫(はいりゅうしゅ)は大人だけでなく、小さな子どもでも下まぶたにできることが多い。注射針または炭酸ガスレーザーで表面に穴を開け、中につまった角質を取り出すことで治療ができる

■治療方法
稗粒腫は炭酸ガスレーザーもしくは注射針で表面に穴をあけて角質を取り出すことで治療します。数が多い場合は出血を避ける意味でも炭酸ガスレーザーの方が治療を手早く行えます。以前、小学生の稗粒腫を炭酸ガスレーザーで除去したことがあります。炭酸ガスレーザーは針で穴を開ける場合とは異なり出血がほとんどないので、仕上がりもきれいです。

レーザーでできものの除去をしている美容皮膚科、一般皮膚科を受診して相談するのは未成年でも可能です。レーザーで除去する場合は医療保険でカバーされませんが、注射針の場合は保険適応になります。少数の稗粒腫で値段を安く抑えたい場合は保険診療を行なっている一般皮膚科で注射針を用いた方法でとりましょう。

子どものアザ・シミ……美容皮膚科での治療法

■特徴
大人に多い日光による顔のシミは子どもでは目立ちません。生まれつき、もしくは小さいうちにできたシミやアザが気になるという場合が多く、たいていの場合親が心配して受診を促します。盛り上がっているかどうか、何色か、どの場所かで診断は異なりますが、生まれつきの顔の青アザである「太田母斑」、腕や脚、背中にできた青いアザである「異所性蒙古斑」、平坦な赤アザである「単純血管腫」、生まれてしばらくして出現した盛り上がった赤アザである「乳児血管腫」、茶アザとも呼ばれる「カフェオレ斑」「扁平母斑」など多くの種類があります。
蒙古斑

手首の異所性蒙古斑。腰以外にできた蒙古斑(青あざ)は消えずに残ることが多いが、保険適応でレーザー治療を行える

■治療方法
レーザーは小さい子どもほど皮膚が薄く効果が出やすいため、0歳から治療を開始することもまれではありません。レーザー治療は痛みを伴いますが、0歳の子どもであれば局所麻酔のテープやクリームのみで大人が押さえてあげれば治療が可能です。しかし、子どもは成長と共に力も強くなりスタッフで押さえながの治療は困難になるため、5歳前後の大きな子どもであざが広範囲の場合、入院で全身麻酔の上レーザーを当てる場合もあります。ただし、全身麻酔の場合は可能性は低いものの全身に合併症のリスクがあるため、整容面の治療にそこまでする必要があるのか、慎重に検討する必要があります。

このような生まれつき、もしくは生まれてすぐに出てきたあざの場合には多くが保険適応で治療できます。レーザーそのものは自費診療で大人のシミに使うレーザーと同じでも、生まれつきのアザであれば保険が効きます。そのため、子どものアザの場合にはレーザーを用いた保険治療を行なっている一般皮膚科の受診をおすすめします。保険適応がなく自費でレーザーを行う場合には面積で計算して料金を出すことが多いため、広範囲のアザの場合には大人のシミと違い高額になってしまいます。

乳児血管腫…美容皮膚科での治療法

乳児血管腫は生後少ししてから出てくる赤く隆起した赤いアザのことです。無治療でも自然に消えていきますが、しぼんだ血管腫のあとが傷あとのように残ってしまいます。乳児血管腫は1歳までに急激に増殖し、その後多くはしぼんでいきます。そのため、治療するのであれば自然退縮する1歳以前に皮膚科で相談する必要があります。今年、この乳児血管腫の増殖を抑えるための内服薬であるヘマンジオルシロップが認可され、保険適応になりました。

子どもの皮膚疾患は、一般皮膚科を受診して治療法の検討を

以上、症状別に美容皮膚科での治療方法を解説しました。子どもの場合でも、ホクロやイボなど盛り上がったできものの多くは、美容皮膚科でレーザーによる治療が可能ということがお分かりいただけたと思います。しかし繰り返しになりますが、できものを蒸散させてしまうレーザー治療の場合は、顕微鏡検査(病理検査)による確定診断が行えないため、正確に診断をつけたいのであれば、一般皮膚科で手術による切除を行う必要があります。そして平坦なアザの治療であれば保険適応でレーザー治療できる可能性があるので、負担する費用の面からも、まずは美容皮膚科ではなく保険診療をしている一般皮膚科を受診して、診断をつけた上で治療を検討するのがよいと思います。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項