宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

星組トップスター・北翔海莉、妃海風―退団(2ページ目)

2016年11月20日、星組トップスター・北翔海莉さん、トップ娘役・妃海風さんが、グランステージ『桜華に舞え』-SAMURAI The FINAL-、ロマンチック・レビュー『ロマンス!!(Romance)』の千秋楽(東京宝塚劇場)に宝塚歌劇団を退団しました。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

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北翔海莉 新人時代

歌、ダンス、芝居―。どれもができる男役として、下級生の頃より注目を集めていた北翔海莉さん。初舞台の翌年、若手の出世役でもある『ノバ・ボサ・ノバ』のドアボーイ役に抜擢されました。

2003年には、各組から2名ずつ選ばれた新進男役によるバウ・ワークショップ『恋天狗』でバウホール公演初主演を、『シニョール ドン・ファン』で、新人公演初主演を果たします。

その後、『薔薇の封印』、『飛鳥夕映え』と新公の主演、バウホールでは『BourbonStreet Blues』のW主演、『想夫恋』で単独主演を果たします。
また「加美乃素本舗」のイメージキャラクターに起用されました。

北翔海莉 宙組時代

2007年、宙組に組替えし、個性的な大役を次々と演じます。
主演作『THE SECOND LIFE』では、キザなマフィアと生真面目な青年を演じ分け、演技派スター・北翔海莉の名を不動のものとします。
『雨に唄えば』では初の女役、リナ・ラモントをキュートに、『銀ちゃんの恋』では、一途に小夏を守り、銀ちゃんを慕うヤスで、観客を泣かせました。

北翔海莉 専科時代

大きな転機となったのは、2012年の専科への移籍でしょう。花組公演『オーシャンズ11』では、ブラッド・ピットが演じたラスティー・ライアン役。金髪にスーツ姿もカッコよく、ワルなのに誰もが惹かれてしまうイイ男を好演しました。ラスティのソロから始まるナンバー「JUMP!」は躍動感にあふれ、メンバーが一つになっていく様を作り出しました。

「メリー・ウィドウ・ワルツ」をはじめ、朗々と、豊かな歌声を聴かせてくれた月組公演『THE MERRY WIDOW』のダニロ。舞台全体を包む温かさ、明るさは、北翔海莉ならではのもの。実力揃いなメンバーにも恵まれ、最上級のオペレッタに仕上がりました。

星組公演『眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯に―』では、北翔さんには珍しい、暗くて動きの少ない役ながら、圧倒的な存在感と色気のある妖しさでタレーランを熱演。出色の出来栄えでした。フィナーレのエトワールも話題となりました。

『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

妻エリザベートへの大きな愛を全面に押し出したフランツを演じたのが、花組公演『エリザベート』。愛が深いからこそ、エリザベートに拒絶される場面はもちろんのこと、母ゾフィとの確執や、マデレーネに誘惑される場面さえ、胸に響いてきたものでした。「夜のボート」の温かさと淋しさは、当代随一でした。

専科生として最後の主演作、花組公演『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』では、威勢のいい、気風のいい鼠小僧次郎吉を好演。笑いあり、涙ありの人情喜劇は、明るくダイナミックな北翔さんにぴったりでした。

舞台映えのする華やかな容姿に、誰もが認める抜きんでた実力。スター街道をまっしぐら……と思いきや、順風満帆とは言えない時期もあった北翔海莉さん。宙組時代には、面白いけれど、二枚目ではない役が続きました。そして専科時代は、同期の、また下級生のトップスターの下に就くこともありました。

トップスターへの道は断たれた……と自身もファンも思っていたことでしょう。しかし初舞台から17年目の2015年、奇跡が起こり、星組トップスターに就任します。

満を持して……その言葉がぴったりなお披露目は、月組時代に出演経験のある『大海賊』のエミリオ。組子たちに慕われて、堂々と力強く、星組の新しい船長になった北翔さんには、5組を経験し、そこで培った力を蓄えている多くの引き出しがありました。

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