介護

通販・取り寄せも可能!介護食対応のお正月用やわらかおせち

【管理栄養士が解説】高齢者向けの介護食対応の柔らかいおせちがあります。介護食品はスーパーや通販の他、地域によっては宅配サービスも増えてきましたが、お祝いの日の食事に、高齢者も安心して一緒に楽しめるお正月料理を探してみてはいかがでしょうか。販売する通販サイトと選び方のポイントをご紹介します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

やわらかい介護食を作る負担を軽減…お正月のおせちもあるレトルト介護食品

おせち料理

まもなくお正月がやって来ます。年に一度のお祝いはおじいちゃんおばあちゃんも一緒に、家族みんなでしたいもの。お年寄りも食べられる高齢者向けのおせちも販売されています

介護する側にとって、毎日の生活介助は体力的にも精神的にも重労働。ただでさえ忙しい日々を送っているのにも関わらず、普通の食事に加えて、食べやすく、やわらかい食事を作る手間がかかるとなると本当に苦労が絶えません。

しかし昨今、介護食品は薬局やスーパー、通販で手軽に入手できるようになった上、地域によっては毎日宅配で届けてくれる業者もある等、食事に関する介護側の負担は軽減されつつあります。

そんな介護食品が利用できるのは、日常的な食事に留まりません。まもなくやって来るお正月。ハレの日の食事まで「レトルト」というのは少し味気ないかもしれません。外出もままならない高齢者に食事から季節を感じてもらうというのはとても大切なこと。家族みんなで食べるなら「できればおばあちゃんにもおせちを」と思う方も多いのではないでしょうか。

そこで利用していただきたいのが、高齢者向けのおせちを販売している通販サイトです。

<目次>  

高齢者向けやわらかおせちが買える主な通販サイト

新春用のやわらかいおせち料理を販売している主な通販サイトを紹介します。いずれも時期限定の予約商品ですので、ご予約はお早めに。

ヘルシーフード
介護食・病態食を扱う専門業者。歯茎でつぶせる~容易にかめる固さの商品と、舌でつぶせる~歯茎でつぶせる固さの2種類があります。都内から宅急便で配送されます。開発の方いわく「味に濃淡をつけて楽しんでもらう」という考え方で味を決めているそうです。

ふくなお
歯茎でつぶせる固さの商品と、舌でつぶせる固さの2種類があります。他に、迎春セットなどもあります。関西風の味付けが自慢のようです。

あいーと
ユニバーサルデザインフード(以下、UDF)「舌でつぶせる」相当ですが、見た目には、普通の料理とほとんど変わりません。しかし非常にやわらかく、スプーンを乗せるとその重みでくずれてしまうほどです。袋から出す際にカタチが崩れてしまうことがありますので、見た目を維持したまま盛り付けるためには細心の注意が必要です。UDF区分は「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4段階です。
 

介護食おせちは、やわらかさの他見た目や予算で絞り込みを

味やお値段がさまざまなので、どこの会社が一番とは一概には言い切れません。もしも舌でつぶせる程度の固さをお探しなら、「あいーと」がよさそうです。

先述しましたが、あいーとの他の特徴としてはデザイン性に優れていることも挙げられます。凍結含浸法という製法を使っているため、見た目は普通の食事にそっくりです。そのためお正月の食事としては、大変豪華で見た目もよく、食べる方にも喜ばれる商品と言えそうです。

一方で、「あいーと」は1品ずつのレトルト商品も販売されていますが、1袋ずつがやや高価格帯。ご飯・主菜・副菜を1食分そろえると日常的な食事の商品でも2000円近い値段になってしまうようです。予算に合わせてですが、誕生日やお正月などのお祝い限定で利用するという使い方も良いかもれません。
 

高齢者向けのおせち選びには「噛む力」と「飲みこむ力」に注意

■高齢者向けといえども最低限の噛む力は必要
販売されている高齢者向けおせちは、基本的に「容易にかめる~歯ぐきでつぶせる」固さを想定して作られた商品のようです。

「あいーと」など「舌でつぶせる」を想定しているものもありますが、いずれも「舌でつぶせる」の商品となっているので、噛む力を把握して商品を選ぶ必要があります。

■咀嚼・嚥下が苦手な方へ
残念なことに、普段「かまなくてよい」ように刻んで食べている方やペースト状にして食べている方(「かまなくてよい」よりやわらかいものを食べている方)、また嚥下(飲みこみ)が苦手な方向けのおせちは見当たらないのが現状です。その理由は、自宅で介護している人のほとんどが「容易にかめる」相当か「歯ぐきでつぶせる」相当で食事をしていること、おせち料理はどうしても見た目の美しさが必要になるため、ミキサー等でつぶした料理では雰囲気が出せないことの2点が考えられます。

しかし、レトルトのおかずとして「だし巻き」や「芋きんとん」「大豆の煮物」といった商品を扱っているところもあるので、お正月らしいおかずを選んでお正月の気分を味わってみてはいかがでしょう。自分で作ってみようという方は「嚥下調整食2以下の介護食の作り方とコツ:上」も参考にして下さい。

■ペースト状料理のおせち風アレンジ方法
ペーストにした料理を盛り付けただけだとやはり味気ないですね。病院ではニンジンやほうれん草など色の濃い野菜で作ったペーストをビニール袋に入れて絵を描くというアレンジも行われています。色をつけるだけでも十分ですが、だんだん上達してくれば色んな絵を描くこともできるので、ご自宅でも楽しめると思います。

せっかく家族みんなで迎えるお正月です。皆によい思い出として残るようなお正月の食事を用意できたらステキですよね。もちろん、一次帰宅等をされずにお正月も病院に残られる患者様のためには、我々、栄養科が心をこめておせち料理を提供させていただきますので、ご安心ください。

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