世界経済の先行き不透明感はいっそう強まり貧富の格差は開く

皆さんお久しぶりです、ロバート・キヨサキです。2016年もあと2カ月を残すのみとなりました。今年は、年明けから世界経済を揺るがす大ニュースが相次ぎました。株式市場の乱高下に始まり、パナマ文書で垣間見えた租税回避の実態、中東の政情不安、中国経済の陰り、英国のEU離脱で表面化した欧州経済の内情、情報合戦が続く米国大統領選と枚挙にいとまがありません。世界経済の先行き不透明感はいっそう強まり、貧富の格差は国を問わず急速に拡大しています。

世界経済がどうなるのか不安

世界経済がどうなるのか不安



ご自分の将来の暮らし向きに不安を感じている方も多いかと思います。今回はそんな皆さんのために緊急特別編をお贈りします。

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弱い米国経済が世界に及ぼす影響

私の親友であるマクロ経済学者のリチャード・ダンカンは、「金持ち父さん」英語公式サイトに寄稿した10月15日付のコラムで、「米国経済はぜい弱で、再び景気後退に陥りかねない」と述べています。これは世界経済にも大きな影響を及ぼします。

彼が駆使するユニークな分析方法の1つに「景気後退のしきい値」があります。「しきい値」とは変化の境目となる数値のことで、「(インフレ調整後の全体の)信用拡大が2%未満にとどまったとき、米国経済は景気後退に陥る」というのが彼の見方です。

金融経済用語の「信用(クレジット)」とは、ごく大ざっぱに言えば「借りたお金を返す能力」のことで、この信用に基づいて世界中で無数の金融商品が開発され流通しています。

ダンカンが書いていることをかいつまんで紹介しましょう。
「2009年に米国で信用収縮が始まると、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は米国経済の破たんを防ごうと3回の金融緩和を通じて3兆6000億ドル(日本円で約376兆円)もの紙幣を刷った」

「私の最新の予測によれば今年の信用拡大は3.1%とかなり低く、来年2017年は2.0%となる。米国経済はすでに非常に弱くなっており、来年が2%になれば景気後退が始まるおそれがある」

「FRBはとくにひどい経済指標の数字が出てこないかぎり12月の利上げを示唆しているが、利上げは私の予測以上の信用拡大の鈍化につながり、景気後退のリスクはかなり高まる」

「日銀や欧州・英国の中央銀行が3カ月ごとに5000億ドル(約52兆円)規模の紙幣を刷っているし、もし米国経済が今以上に弱くなれば、FRBがQE4として金融緩和の輪に再び加わっても不思議ではない。そうなれば株債券、不動産や金は高騰するだろう。今後の信用拡大の動向を注視していく必要がある」

時代は変わった!グローバル時代を生き延びるために

少し難しい経済の話を要点だけお伝えしました。なぜお伝えするかというと、こうしたことが私たち個々人の生活に影響を与えるからです。金持ち父さんは私に「法律の変化にいつも気を付けておくんだ」と言っていました。大まかでよいので法律の改正や経済の動きに目を配り、どうしたらその動きを自分の生活が豊かになるように活用できるのかを考えてみてください。

しかし、あなたが取り組むべき一番大きな問題は、「では自分は今どうすればいいのか」ということです。米国の大統領選の投開票もあと数日後に迫っていますが、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプのいずれの候補が次の大統領になっても、米国経済の難問は容易には解けません。問題があまりにも大きくなりすぎてしまっているからです。

国や会社が面倒を見てくれる時代はすでに過去のものです。グローバル化が進み、米国の労働者ははるかに低い賃金で働く途上国の労働者と競争しなければなりません。終身雇用制は崩れ、年金は確定給付型から運用成績で給付額が変わる確定拠出型になり、市場の暴落で老後の蓄えを失くした高齢者が大勢います。医療費も高額になり、保険に入るお金がなければ病気もできません。大学を出ても就職先がない学生も増えていて、学資ローンの返済に四苦八苦しています。

もはや「学校を出て会社に就職し、マイホームを買って長期投資をする」時代ではないことを認識することが、あなた自身の明るい将来の経済状態への第一歩です。

あなた自身のお金と向き合おう

「金持ち父さん」シリーズの読者の皆さんはすでにご存じですが、こういうときこそまず「自分のファイナンシャル教育に時間を投資する」ことが重要です。国の政治や経済の状態が改善することはもちろん重要ですが、それにはとても長い時間と大きな労力がかかります。まず自分自身を変えてみませんか?そしてあなた自身のお金について考えてみませんか?他人を変えようとするより、自分自身を変えるほうがはるかに簡単で短時間ですむのです。

「お金がすべてではない」という言葉をよく聞きます。もちろんそうです。金持ち父さんの言葉を思い出します。「お金はこの世で一番大切なものではない。でもお金は、君の一番大切なものに影響を与えているんだよ」誰もが毎日お金を使っていますが、学校ではお金について教えてくれません。だから自分で自分を教育する必要があるのです。

「金のなる木があると思っているのか」という言葉もよく耳にします。無駄使いをやめることは大事ですが、お金がないからといって夢をあきらめるのは私には受け入れられません。金持ち父さんは私と彼の息子に「私には買えない、できない」と言うことを禁じ、かわりに「どうしたら買えるか、できるか」と問うように教えました。あなたの頭脳はあなたの貴重な「資産」です。問いかけたとたんに、その答えを見つけるために働き始めるのです。

「投資はギャンブルだ」これもよく言われます。何の知識もなく投資する場合はそのとおりです。大事なのはまず投資について学ぶことです。ある程度学んだら、少額の投資をして成功と失敗を繰り返してさらに学んでいきます。国や銀行にお金を預けていない人はほぼいないはずです。国や銀行は私たちのお金を投資しています。つまり誰もがすでに投資家なのですから、自分で投資する分を増やした方がいいと思いませんか?継続的に利益を生むものに投資できれば、それがあなたの生活を長期に支える収入の柱の1つになるのです。

「間違いは許されない」という言葉もよく聞きます。たしかに学校のテストではそうでしょう。でも人間は、間違いを犯しながら学ぶ動物です。間違いを怖れてはいけません。大事なのは二度と立ち上がれないほどの大きな間違いを犯さないこと、小さな間違いを犯してそこから学ぶことです。一度も倒れずに自転車に乗れるようになった人はいないはずです。

ずいぶん前から「お金のルール」は変わっています。それを私に教えてくれたのが金持ち父さんでした。そのルールは金持ちに有利になるように作られています。だからこのお金のゲームで勝ちたいなら、金持ちのお金のルールをまず学ばなければならないのです。

お金の基本について手軽に学ぶ方法としては、「金持ち父さん」シリーズを一読されることをお勧めします。第1弾『金持ち父さん 貧乏父さん』、第2弾『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』、最新刊『金持ち父さんのセカンドチャンス』、最近の既刊『アンフェア・アドバンテージ』、『金持ち父さんの「大金持ちの陰謀」: お金についての8つの新ルールを学ぼう』を書店で一度手にとってみてください。会計と投資について楽しく安全に学べるボードゲーム『キャッシュフロー』をプレーするのもお勧めです(携帯・スマホアプリもあります)。

幸い今は情報時代です。本や雑誌、新聞に加え、インターネットで様々な情報を手軽に入手できるようになりました。まず金持ちのお金の考え方や使い方について情報を手に入れ、学んでください。そして本当の資産を見分ける目を養うことが大事です。現実の投資にお金を入れるのはそれからです。

今あなたがお金をいくら持っているかは問題ではありません。あなた自身の将来のより良い経済状態のために、今あなたが何をするかが問題です。少しずつでいいので毎日続けることが大事です。お金について楽しく学びましょう!

★金持ち父さんのエッセイは次回に続きます!

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ロバート・キヨサキ氏

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投資家、ビジネスマン、ベストセラー作家。著書『金持ち父さん 貧乏父さん』にて金持ちがお金について自分の子供たちに教えていること、中流以下の人たちが教えていないことを明かす。労働所得(給料)で生きるのではなく、お金がお金を稼ぎ出す不労所得の重要性を説き、お金教育の一環として『キャッシュフローゲーム』を開発した。

「金持ち父さん」日本オフィシャルサイト
http://www.richdad-jp.com/

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