『君の名は。』を超えるか!またもやアニメの名作誕生!

ご紹介する10作品の中から、映画ガイドが「絶対見るべし!」なイチオシをトップで1作品ピックアップします。今月はこちらのアニメ作品です。

今月のイチオシ!『この世界の片隅に』(2016年11月12日公開)


広島県呉市にお嫁にやってきた18歳のすず(声:のん)の日々を、第二次世界大戦を背景に描いた、こうの史代原作漫画の映画化です。

戦争とともに生きた人々の話ですが、ヒロインのすずも嫁ぎ先の家族もみんな苦しみに耐えてばかりいるわけではありません。不平不満を言うより、ある物を工夫してちょっとでも豊かになろうと前向きです。その姿がとてもいい。どんな状況でも、楽しく生きることがとても上手な人たちなのです。

片渕須直監督の戦争との距離の取り方も抜群で、過剰にならずに要所を決める演出はとても品が良いです。強く生きることは、ゆっくりと丁寧に生きることだと教えてくれる。どんな時代に見ても色あせない、心に残るアニメーションの傑作です。(公式サイト

監督:片渕須直 声の出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔ほか
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会  

ここからは11月の映画を公開日順にお届けします!

おバカ大学生の能天気な日々『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』(2016年11月5日)


『6才のボクが、大人になるまで。』『スクール・オブ・ロック』のリチャード・リンクレイター監督が描く大学の野球部員たちの寮生活を描いた青春コメディ。

野球以外は、女の子と酒と珍騒動ばかりの男子学生たちの行動がおかしすぎて、女子は絶対「男子って本当にバカだよね~」と思うはず。そして男子は大共感!? 大きな事件が起こるわけじゃないのにバカ騒ぎだけで魅せ切ってしまうリンクレイターの演出の巧さが光る。80年代の音楽とファッションも楽しいです。(公式サイト

監督:リチャード・リンクレイター 出演:ウィル・ブリテン、ゾーイ・ドゥイッチ、ライアン・グスマン、タイラー・ホークリン、ブレイク・ジェナー

閉園危機の幼稚園を救った実話の映画化『小さな園の大きな奇跡』(2016年11月5日)


セレブ幼稚園の園長から閉園の危機にある幼稚園の園長に転職した女性教師の実話を映画化。

園児がたった5名の幼稚園を、園児の家族の協力も得て、閉園阻止に挑むルイ先生の頑張りに胸が熱くなる。諦めない姿勢が周囲の人の心を動かしていくのです。どんな境遇の子供でも教育を受ける権利はあり、子供の可能性、才能の芽を開花させるのが大人の務めだと考えさせられます。あらゆる世代に見てほしい香港・中国映画です。(公式サイト

監督:エイドリアン・クワン 出演:ミリアム・ヨン、ルイス・クーほか

トム・クルーズ一匹狼シリーズ第二弾!『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(2016年11月11日)


2012年の『アウトロー』の続編は、政府の裏の巨大悪を暴こうとするジャック・リーチャーの活躍をアクション満載で描きます。

それにしてもトムは本当に自分を精神的肉体的に追い込んでいくのが好きな俳優だなあと。肉体の鍛え方はもはやアスリート級で、年を重ねるごとに強くなっていくような……。とにかくアクションで押し切っていく本作。リーチャーアクションが凄いので、ぜひ、ジェイソン・ボーンとガチ対決してほしいものです。(公式サイト

監督:エドワード・ズウィック 出演:トム・クルーズ、コビー・スマルダーズほか

おじいちゃん&おばあちゃんが最高に可愛い!『オケ老人!』(2016年11月11日)


高校教師の千鶴(杏)が、地元の楽団に入ったら、そこは老人たちのオーケストラ。ドヘタな音楽を奏でる老人たちだったけど、指揮者の野々村(笹野高史)の熱い思いと千鶴の努力が功を奏して、彼らの音楽はカタチになっていく……という人情音楽劇。

杏は映画初主演で音楽愛が深い千鶴を好演し、笹野高史、左とん平、小松政夫、藤田弓子らの演技巧者たちがハッピーオーラを振りまいています。彼らを見ていると年をとるのが楽しみになる! 愉快で感動的な音楽人情劇です。(公式サイト

監督:細川徹 出演:杏、黒島結菜、坂口健太郎、左とん平、小松政夫、藤田弓子、石倉三郎、茅島成美ほか

軍事政権に立ち向かった弁護士の勇気!『弁護人』(2016年11月16日公開)


学歴もコネもなく努力して弁護士になったソン・ウソク(ソン・ガンホ)が、税務弁護士ながら親しいクッパ屋の息子の逮捕と拷問に不信を抱き、真相を追う姿を描いた実話ベースの映画。

コンプレックスをバネに成り上がっていった弁護士が正義に目覚めて、軍事政権に真っ向から勝負を挑む潔さ! 1970~80年代を舞台に、政府の暗部をあぶりだした意欲作で、政治に斬りこむ勇敢な映画表現とこの題材をエンタメに昇華した監督の手腕に拍手です。(公式サイト

監督:ヤン・ウソク 出演:ソン・ガンホ、キム・ヨンエ、オ・ダルスほか

正反対の性格の女ふたりの熱い友情『マイ・ベスト・フレンド』(2016年11月18日公開)


幼い頃からずっと親友の英国人ミリー(トニ・コレット)と米国人ジェス(ドリュー・バリモア)。ミリーは乳がんになり絶望的な気持ちを抱えながら暴走、ジェスはそんな彼女を叱咤しながらも支えるという家族以上に絆が深い女の友情を描いた作品。

正反対の性格で、生きる道が違っても繋がっているソウルメイトのようなミリーとジェスの関係が興味深い。言葉にしなくてもわかるでしょ的な感じは日本女子の心にも刺さりそうです。(公式サイト

監督:キャサリン・ハードウィック 出演:トニ・コレット、ドリュー・バリモア、ドミニク・クーパー、パディ・コンシダインほか

天才棋士の人生を描く『聖の青春』(2016年11月19日公開)


天才棋士でありながら、29歳で亡くなった実在の棋士・村山聖の自伝映画。幼いときに腎臓の難病を発症。しかし、入院中に将棋と出会った聖(松山ケンイチ)は、将棋にのめりこんでいく。

松山ケンイチが体型を変えて見た目を聖に寄せながらも、彼の人となりがしっかり際立つ名演を見せています。将棋映画というより、聖の将棋への情熱を描いたまさに青春映画。最大のライバル羽生善治を演じた東出昌大も好演です。(公式サイト

監督:森義隆 出演:松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田顕、リリー・フランキーほか

『ハリポタ』のスピンオフ映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年11月23日公開)


『ハリー・ポッター』シリーズのスピンオフとして、J.K.ローリングが自ら脚本を執筆した新シリーズ。魔法動物学者のスキャマンダー博士の冒険は、魔法少年の成長物語でもあった『ハリー・ポッター』シリーズよりも、大人な魔法映画になっていそうです。

スキャマンダーを演じるのは『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞を受賞したエディ・レッドメイン。数々の魔法動物たちも楽しみだし、ローリングはいずれアメリカの魔法学校も描く予定と語っており、実に楽しみです!(公式サイト

監督:デヴィッド・イェーツ 出演:エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、コリン・ファレル、エズラ・ミラーほか

有名ジャズミュージシャンの半生を描く『ブルーに生まれついて』(2016年11月26日公開)


甘いマスクと声で一世を風靡したジャズトランペット奏者&シンガーのチェット・ベイカーの波乱に満ちた人生を描いた自伝映画。

麻薬に溺れてキャリアを失いかけますが、周囲のサポートで再起を目指すチェットをイーサン・ホークが熱演。ドラッグでボロボロになっても音楽と離れられないチェット。彼の人生において、ジャズは自分の分身。でも常にドラッグも一緒だったのかもしれないと思うと、愚かで悲しいと思わずにいられません。(公式サイト

監督・脚本:ロバート・バドロー 出演:イーサン・ホーク、カーメン・イジョゴ、カラム・キース・レニーほか



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