「今の自分が好き?」だと聞かれたら?
2015年度台湾年間興行収入第1位ほか、中国、韓国、香港でも社会現象を巻き起こす大ヒット作となった映画『私の少女時代 OUR TIMES』が日本でも11月26日に公開になります。切なくて流す涙には最高の癒し効果が… (C)2015 Hualien Media Intl. Co., Ltd 、Spring Thunder Entertainment、Huace Pictures, Co., Ltd.、Focus Film Limited
ヒロインの林真心(リン・チェンシン)は、残業続きでお疲れぎみのどこにでもいる平凡なOL。高圧的な態度の上司には逆らえず、後輩たちには「あんなふうには、なりたくないよね」と陰口をたたかれ、デートする時間さえありません。何もかもイヤになったある夜、ラジオから流れるアンディ・ラウの歌声を聴いたとき、純粋でひたむきだった自分の“少女時代”の思い出がよみがえります。あの頃の自分が、今の自分を見たら何て言うだろう……。
真心が思い出したのは、SNSはもちろん、携帯電話もなかった90年代。好きな音楽をカセットテープで録音して、好きなアイドルの写真やシールを友だちと競うように集めていた高校生の頃のことです。髪はボサボサ(手抜きというより、まだおしゃれにも目覚めていない状態)で、アイドルオタク、“男子が興味を持たない平凡な女子高生”だった真心が憧れていたのは、イケメンの優等生、欧陽(オウヤン)でした。
アンディ・ラウとの結婚を夢見ていた非モテ女子・真心の日常がドラマチックに動きはじめて…(C)2015 Hualien Media Intl. Co., Ltd 、Spring Thunder Entertainment、Huace Pictures, Co., Ltd.、Focus Film Limited
恋に恋する女子高生だった真心の日常に変化が訪れたのは、「幸福の手紙」という名の不幸の手紙を受け取ったことがきっかけ。一瞬「ラブレター?」と胸を高鳴らせたものの、それは同じ内容の手紙をほかの3人に送らないと不幸になるという、よくあるたちの悪い迷惑メール(手紙)でした。
悩んだ結果、真心は幸福の手紙を送る相手を見つけます。それは、嫌味な数学教師と隣に住む同級生でモテモテ美少女の敏敏(ミンミン)。そして最後に決めた一人は学校一の不良で、仲間からは“ボス”と呼ばれる太宇(タイユイ)でした。校舎裏で欧陽に因縁をつけて絡んでいるところを見た直後だったこともあり、手紙の送り先として選ばれた太宇。
「なぜ自分に?」と疑問を感じるよりも、太宇は送った相手である真心に興味を持ちました。度胸があるのか、バカなのか? 彼女を試すように「友だちになろうぜ」と仲間のように振る舞ってきます。
ドジな真心とワイルドな太宇、学校の王子様的存在の欧陽とアイドルのようなモテ女子敏敏の四角関係はいつの時代でも青春ラブストーリーの王道とはいえ、懐かしさと切なさと甘酸っぱいエピソードが満載。真心は太宇と敏敏の恋愛が成就するように、太宇は真心の片思いが実るように、お互いの恋愛を応援するカタチで友情を深めていくのですが……。
女心は難しい?
真心は太宇に難しい女心について解説します。「女の子が“大丈夫”っていうのは、大丈夫じゃない。つまり“心配して”ってこと」「“何でもない”……何かある(大あり)」「女の子の“もう知らない”は、“とても気になる”」などなど。また、敏敏のようなモテる女の子は褒められることが当たり前で慣れているから、「かわいい」だの「ステキだね」だの、単純に褒めても効果が薄い。彼女の欠点をけなしたり、マイナスなことを言ってから「でも、好きだ」と告白するとインパクトがあって、効果的だということ。
「そうそう!」と共感するシーンに胸キュンするだけでなく、恋する男心、女心、それぞれに効くアドバイスに励まされたりもするのです。
学校一のイケメン優等生と学校一の不良ワイルド男子との間で揺れ動く…(C)2015 Hualien Media Intl. Co., Ltd 、Spring Thunder Entertainment、Huace Pictures, Co., Ltd.、Focus Film Limited