グレイゾーンって何? 発達障害か個性か
ひと昔前なら「少し変わっている」「元気過ぎる」「個性的」と捉えられていた子供が、今では「発達障害」「グレイゾーン」と言われることがあります
グレイゾーンとは、発達障害にあてはまる症状がみられるのですが、それらが基準を満たしていなかったり、経過観察が必要だったり、ハッキリ断定されない場合、現在の日本では、その言葉が使われています。
子供がグレイゾーンと言われたら、若しくは、我が子はグレイゾーンかも?と感じたら、親はどのように対応すればよいのでしょうか?
<目次>
発達障害から考えるグレイゾーンとは?
先ずは発達障害から考えてみましょう。発達障害には、広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、トウレット症候群)や学習障害、注意欠陥多動性障害などがあります。■発達障害の症状の特徴
・人と目線があわない
・一人でいることを好む
・オウム返しが多い
・話の流れが理解しにくい
・人の気持ちが理解しにくい
・聞く、読む、書く、計算するなどの能力を身に付けることに困難を生じる
・集中力がない
・落ち着きがない
・衝動的な行動に出ることがある
・特定の物事に対して強いこだわりを持つ
・興味のあることに対しては強く追及する
などが、発達障害の子供の特徴の一部としてあげられます。
発達障害グレイゾーンの子供は、この一部が当てはまったり、その症状が基準値を満たしていない場合です。親は子供が、どれに当てはまるか、どのような場面で日常の生活をしづらそうにしているかなどを観察し、その行動を支援する関わりを考えましょう。
発達障害グレイゾーンの子どもが生活面で困りやすい事柄
これらの要因から、生活面での影響が出てくる場合があります。特に親が気になるものを次にあげてみました。■グレイゾーンの子供が生活面で困りやすい事柄
・忘れものをよくする
・整理整頓ができない
・授業中も落ち着きがない
・急がなければならない時でも、ゆっくりマイペースである
・親や先生の言う事を聞かない、指示を理解できていない
・人と会話がかみ合わない
・こだわりが強い
これらは程度に差があるものの、どの子どもにも、多少はみられる傾向です。ですので、親の受け取り方によっても若干違ってくるでしょう。おおらかに受け取る親もいれば、子供のこのような言動に対し、イライラして怒鳴ったり、本人自身を否定するような言葉を投げかけてしまう親もいます。
後者の場合ですと、子どもは、うつ状態や自信の喪失、引きこもりなどの二次障害を引き起こすこともあります。ですので、親は充分、我が子の個性を理解し、子ども自身を受け入れる事が大切です。
発達障害グレイゾーンと言われた時、親が考えるべき事
子供の様子を見ていて、本人が困っている事や日常生活に支障があることを見極め、その事を支援しましょう
発達障害グレイゾーンの子どもへの具体的な支援の仕方
■1、先ずは理解を示しましょう「この子は、こういう子なんだ」とありのままを受け入れてあげましょう。「どんなあなたも愛している」という親の気持ちが伝わることにより、子供の自己肯定感が高まり、人生にも積極的に取り組むようになるでしょう。
■2、何が困っているか、何に支障を感じているか、子供を観察しましょう
子供の様子を見ていて、本人が困っている事や日常生活に支障があることを改善するように支援しましょう。
例えば整理整頓ができない子には、片付けやすい分類別ボックスを用意したり、覚えることが苦手な子には、紙に書くようにするなどの工夫をしてみましょう。
■3、指示語や抽象的な言葉を使わず、具体的に話しましょう
例えば「ちゃんとしなさい」や「そこのコップを取ってきて」という言葉は使わず、「靴は揃えてぬぎましょう」「食器棚の右端にある赤いマグカップを取ってきて」と具体的に伝えましょう。
またイラストや図を使って伝えるのも有効的でしょう。
発達障害グレイゾーンの子どもの環境の選択
グレイゾーンの子供の親として、思案するところが、小学校入学時です。中には通常のクラスか支援学級か、悩み迷う方もあるでしょう。確かに支援学級では、子供の人数に対し先生も多く、丁寧な指導を受けれるように感じます。また卒業後の進路なども情報が多いでしょう。ですが、一旦支援学級に入学すると通常学級に戻ることは非常に困難です。ですが、その反対はいつでもできます。ですので、先ずは通常の学級で様子を見てはいかがでしょうか……。成長とともに、他の子供と変わりなく進学し、生活できるようになる場合も多々あります。
親がするべき最も大切な事
発達障害やグレイゾーンと言われた子供の中には、秘めた能力を発揮し、その道の専門家になる事も稀にですがあります。大切な事は、その子供の個性を見極め、「どういう支援をして、どのような道に進ませれば、その子にとって最善の人生を歩ませられるか」と考える事です。親は不安を抱くより、おおらかな気持ちで接してあげましょう。
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