収入減と家計支出のアップ。どう対処すればいいですか?

夫婦で不安定な収入に悩む

夫婦で不安定な収入に悩む

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、不安定な収入に悩む40代、派遣社員の男性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
まんもすさん(仮名)
男性/派遣社員/43歳
関東地方/賃貸住宅

■家族構成
妻(派遣社員/46歳)

■相談内容
今年の5月に派遣契約が切れ、9月に短期の派遣の仕事があり(通勤片道3時間)12月までは記載した収入が確保できていますが、その後またしばらく休職状態になる可能性があります。常用雇用型の派遣会社に登録しているため、休職中でも月11万円の手当が受けられますが、ボーナスもなくこの収入では生活できません。ハローワークで転職先を探したりしていますが、未だ希望する勤務先(フルタイム/月収20万円)はありません。今年結婚した妻も派遣社員のため、彼女も契約が切れたらと思うと、とても不安です。

また、独身時代に比べ、食費や光熱費が2倍になったのをもう少し抑えたいと思っています(結婚前は月14万円で生活できていました)。家族の小遣いやレジャー費も半分くらいにしたいと考えています。ただし、妻は今よりも節約することに反対で、むしろもう少し外食する機会を増やしたいようです。妻をなかなか説得できず、収入も減って不安です。アドバイスを頂けたら幸いです。


■家計収支データ
「まんもす」さんの家計収支データ

「まんもす」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち
生活費補てん30万円、家財購入5万円、旅行その他支出(予備費)10万円、貯蓄15万円

(2)加入保険の内訳
・夫/がん保険(終身払い終身保障、入院1万円、診断給付金100万円)=保険料4000円
・夫/終身保険(死亡保障3000万円、55歳払込終了)=保険料1万2000円
・夫/個人年金保険(65歳から10年確定、年金額93万円)=保険料2万円
・妻/定期保険=保険料7000円
(一時払い済み保険)
・夫/個人年金(2016年満期/満期金1万5000米ドル)
・夫/個人年金(2019年満期/豪ドル/元金240万円、年利3%)
・夫/個人年金(2020年満期/米ドル/150万円、年利3%)

(3)住宅について
住宅購入は現在考えていない。定年後は、兄弟が使用していなければ、妻または夫の実家に(土地は借地、建物は両親の持ち家)引っ越すか、このまま賃貸暮らしとなる。65歳以降でどちらかの体に不自由が出てきたら、有料老人ホームへの転居を考えている。

(4)貯蓄と投資について
今まで投信を利益確定売りしたことはない。8割は分配金再投資、2割は分配金受取。貯金はすべて夫が独身時代に貯めたもの。投資信託は評価益で100万円くらいはプラス(元本1500万円)。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 2年程度は妻の言い分を受け入れてみる
アドバイス2 金融資産を老後まで取り崩さない
アドバイス3 終身保険は前納してもいい
 

アドバイス1 2年程度は妻の言い分を受け入れてみる

相談文を拝見すると、ご夫婦で性格の違いがよくわかります。ご主人のまんもすさんは堅実で何事にも慎重。一方、奥様は楽観的なのでしょう。

それでなくても、まんもすさんの資産状況を見れば、これまで頑張ってこられたことがよくわかります。相当支出を抑えないと、ここまでは貯まりません。それだけに、結婚したらからと言って「さあ、今日から使いましょう」と、簡単に生活を切り替えることはできないはず。収入が不安定という現状もあり、家計支出を削減したい気持ちはよくわかります。

では、奥様はどうでしょう。今年結婚されたわけですから、いわば「楽しみが優先する時期」だと言えます。もちろん、お金をかけなければ楽しくない、というわけではありません。しかし、節約、節約では息が詰まるのも確かです。

そこで、今年と来年くらいは、まんもすさんの方が奥様の言い分を受け入れてもいいかと思います。とは言え、支出が家計を圧迫するほど増えれば、それは問題。一応、目安としては現状の生活費を上限にして、何かが増えればどこかを削るといったことで調整してみてください。また、その後は徐々に節約を意識していくわけですが、削減するにしても、たとえば外食費をいきなり半分に抑えるのではなく、3分の2程度から始めるなど、極端にならず、全体のバランスを見ながら、家計管理をしていくといいでしょう。
 

アドバイス2 金融資産を老後まで取り崩さない

働き方につては、収入が安定するのが第一の目標となります。そのためにハローワークにも通われているとのことですので、今は継続して努力していくしかないと思います。

ただ、収入の安定はそれがより長く続かなくては意味がありません。老後の生活や保障が不透明なこの時代、それに備える効果的な方法はより長く働くことです。具体的には65歳、できれば70歳までは働きたいところ。そのためには、健康を維持していくことが不可欠。普段から健康管理を意識し、そのための支出(健康診断等)は必要経費と考えてください。

老後について言えば、住宅がひとつポイントになるでしょう。将来、ご夫婦どちらかの実家に戻る場合、実家はどの程度リフォームする必要があるのか。予算はどの程度になりそうか。また、60歳以降の新たなローンは避けたいので、現金で支払うならどの程度までかもしっかり試算しておきたいところです。

ずっと賃貸であれば、そのコストも計上した上で、老後の生活費と公的年金の支給額との差額を割り出します。当然、年金だけは赤字になりますから、それを老後資金でどれだけカバーできるかということ。その意味で、現在の金融資産(貯蓄、投資商品、一時払いの保険商品)は老後に向けた大事なお金です。仮に収入が安定せず、これ以上増やせないとしても、これを老後まで取り崩さない。そのことが今後のライフプランにおいてとても重要になります。
 

アドバイス3 終身保険は前納してもいい

家計については、これまで十分貯められたマンモスさんですから、さほど問題はないのですが、保険だけは気になります。

死亡保障3000万円の終身保険ですが、これほど保障は要りません。ただし、55歳で払込終了ですから、予定利率が高いようでしたら、残りを前納してもいいかと思います。資金的にもその程度の余裕はあります。あるいは、払済保険にしてしまってもいいでしょう。どちらにしても、その分の保険料は今後貯蓄に回していきます。

また、支払い保険料から考えて、3000万円全額が終身保障ではなく、定期部分を含めた額ではないかと思います。主契約の金額や解約返戻金などを見てもわかると思いますので、そこを確認してから、前納か払済保険にするかを判断する(どの程度増えるのか=予定利率)といいでしょう。

もうひとつ。ご夫婦とも、身体が不自由になったら有料老人ホームへの入居を検討するとのことですが、そこはあまり考えなくてもいいのでは。施設入居は、コスト的にまだまだ高いのが現状です。それにより、大きくマネープランが崩れる可能性もあります。先ほども触れましたが、元気に長く働くことが第一。そのためにどうすればいいか、お金の使い方も含めて、ご夫婦でいろいろ話し合われるといいでしょう。

教えてくれたのは…… 

深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ




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