いつまで続くの? 子育てに追われる日々
ずいぶん大きくなった。でも、まだまだ手がかかる。この子育ての日々は、いつまで続くのかと考えると、気が遠くなります。
「子育てが一段落したら、あれもしたい、これもしたい」そう思っているママは多いですよね。でも、「子育てが一段落」って、いったいどのタイミングを指すのでしょう?
子どもの成長は、スロープではなく階段状
精神分析の創始者であるフロイトは、人間の精神的な発達過程を、性的な発達とリンクするものとして、いくつかの時期に分類しました。・ 口唇期(0歳~1歳半頃)
おっぱいを飲んでいる時期。口や唇で感じる快感がメインの時期。
・ 肛門期(1歳半~3歳頃)
排泄をコントロールできるようになる時期。排泄の快感と自尊心の発達。
・ 男根期(4歳~6歳頃)
男女の違いに興味をもつ時期。性器いじりをする。エディプス期とも。
・ 潜伏期(6歳~12歳頃)
性的な欲望が勉強や友だち関係で一時的に不活発になる時期。
・ 性器期(12歳~)
性的な欲望が、自分以外に向けられるようになる時期。
心のエネルギーは性的なエネルギーが元になっているというこの理論(リビドー論)には賛否ありますが、子どもの成長過程として納得できるところも多いのではないでしょうか。
フロイトが分類したそれぞれの時期の境目は、「離乳の時期」「おむつが外れる時期/幼稚園入園」「小学校入学」「中学校入学」に概ねリンクしています。「1歳半検診」「3歳児健診」「就学前検診」もそうですよね。
子どもには、ぐっと成長する時期があります。「大人の階段を登る」という表現がありますが、まさに階段を登るように、力をためて、力をためて、ある日突然、次の段階に進んでいきます。立って、歩いて、走り、ジャンプする。その後ろ姿は、とても誇らしげです。
一段落の時期は必ずやってくる
一段落の時期は、子どもの個性や、子育ての環境によってさまざまです。上にきょうだいがいる子と、ひとりっ子でも違いがあるでしょう。
とはいえ、多くは、「年少さん」が最初の、次が「入学」の時期だろうと思います。フロイトのいう「肛門期」や「潜伏期」の入り口の時期です。自己コントロール能力が大きく発達する年齢であるとともに、生活環境が変わり、子ども自身に「おにいちゃん、おねえちゃんになった!」という自覚が生まれる頃でもあります。
「小1の壁」など、社会的な整備の面がまだ十分ではないため、小学校入学によって、共働きの親は子育ての負担が増えるということがありますが、それでも家の中での子どもの様子を見ていると「手がかからなくなった」と感じることは多くなると思います。
共働きの家庭では、「学童保育がなくなる」時期も、大きな成長のステップになります。学校から帰ってきて、ひとりでお留守番ができるようになる時期でもあります。家の鍵を渡される子どもも増えるでしょう。鍵を管理するというのは、家族の一員としての責任を持たされるということでもあります。親は、学童のお迎えの時間に縛られて、キリキリと仕事を終わらさなくてもよくなるので、少し気持ちに余裕がでてくるでしょう。
「子育てが一段落したら、したいことがある」人は、これらの時期を迎える前から準備をしていきましょう。子どもや家族に事前に話して協力を得ておくのもいいでしょう。子育てサポートなどを利用して、子育てに関わってくれる人を探しておくのもいいかもしれません。子どもが習い事を始めるというのも、その時間を利用して親が何かを始めたり、交友関係を広げていくチャンスです。