そもそも生涯独身だと、不幸なの?
生涯独身だと、不幸なの?
国立社会保障・人口問題研究所によると、直近の2010年の段階で、男性が20.1%、女性は10.6%だと言われています。
独身者の中には「自分も一生独身かもしれない」と不安がっている人は少なくありません。それは、生涯独身である不安というよりも、その結果、不幸になってしまう恐怖心からきていると言えるでしょう。
でも、そもそも生涯独身だったら、不幸なのでしょうか?
生涯独身でも幸せな人はいる
生涯独身の人の中には、自らの意思で、独身でいる人もいれば、結婚の機会がなく、しなかった人もいます。まず、自分の意思の場合は、不幸でも何でもありません。
また、結婚の機会に恵まれなくて独身の人はどうか?というと、もし経済的にも精神的にも自立している人であれば、「自由な時間があり、自分のペースで生活できるから、不幸とは思っていない」という人は意外と多くいます。
「老後が心配」という人もいますが、夫婦共々高齢になったら、相手の介護をする体力がない、なんてこともありますし、現代は子供がいようと施設に入る人は少なくありません。子供は自身の人生で忙しいから、自分の介護のために子供の時間を奪いたくないと思う人だっているでしょう。
よく誤解されがちなのが、生涯独身なのと、「自分の思いを分かち合う人がいない」というのは、別の話です。後者は孤独です。それは、結婚経験者であっても、そういう人がいなければ寂しい人生になってしまうでしょう。
なんだかんだ言って、人は生まれるときも、死ぬときも一人です。
だからこそ、心を許せるような友達がいて、また、一人で死ぬ覚悟を心のどこかで持てるのであれば、生涯独身でも、結婚経験者と変わらず、それなりに幸せな老後を過ごせる人もいるでしょう。
結婚未経験者よりも、結婚して離婚した人の方が多い!?
ある程度の年齢になって独身でいる人の中には、生涯独身の人だけではなく、離婚経験者もいます。現在は、「3組に1組が離婚をしている」と言われているので、単純計算をすると、「生涯独身である人よりも、離婚して独身になった人の割合の方が多い」と言えます。
つまり、「そもそも結婚をしていない生涯独身者の方が、離婚の苦しみを味わわない分、よかったのでは?」なんて見方だってできるのです(笑)。とはいえ、もちろん何事も経験なので、離婚も含め、人生経験としては、決して悪いことではないですけどね。
だからと言って、別に結婚することを否定しているわけではありません。ただ、手放しに「結婚すればいい」というものではない、とは言いたいです。
だからこそ、生涯未婚率など挙げて、独身者の不安をあおるニュースに対しては、疑問です。焦らせたところで、いい結婚はできないし、むしろ判断力を誤って、不幸になってしまうこともあるからです。
結局、「生涯未婚率」なんて話題をわざわざ出すのは、結婚相談所など、「結婚」をビジネスにしている人たちが多いもの。日常的に友人らの口から出る言葉でもないですしね。
つまり、「結婚=幸せ、生涯独身=不幸」というロジックで、加入を薦めているだけのことです。そこにあるのは、相手への思いやりというよりは、自分のメリットです。
また結婚しない人が増えると、年金などを問題に出してくる人もいます。でも、そもそも戦後のベビーブームの人たちの老後を支えられるだけの多くの若者を増やすことなど、現実的に不可能です。
少子化防止ばかりを目指さないで、今後は年金制度自体を変えていくことが重要です。もっと国がお金を増やす方法を考えるなり、税金の使い道を変えるなりして、今までの方法を変える方が効率的とも言えるでしょう。
結局、生涯未婚率についての話題は、「自分が独身であることに不安を感じている人」「それをビジネスにしようとしている人」、もしくは「人が独身であることを面白く思わない人」など、様々な人がいるからこそ、色々な反響があるのでしょうね。
では、「人が独身であることで面白くない人」というのは、どういう人なのでしょうか? 次のページで紹介します。