それはイカの煙突焼き!から始まった
燻製は1万年以上前の石器時代から始まったとか。人類が火を使うことを覚えた頃、食べきれず吊るしてあった獣肉が、偶然焚き火に燻された。齧ってみると焼いただけより香ばしい、噛むほどに旨味が口いっぱいに!食べ物を乾燥させ煙で燻すことで、長期間の保存ができるうえに、雑菌や害虫を寄せ付けなくなる……燻製の発生です。
ボクが初めて燻製に興味を持ったのは、地元居酒屋で常連の漁師さんから「煙突焼き」の話を聞いた時です。
獲れたてのイカを出刃で開き、船の煙突にそのまんまパシリ!と貼り付ける。焼き具合を見てむしっては食べ、煙突のサビを叩いては貪りつく。船の上でしか味わえない豪快&痛快な漁師料理。エンジンの排熱と煙が燻製器代わりになるのだ。これが不味いはずがない。それが、イカの煙突焼き!
いつもの食材を煙でアップグレードする
素材が良ければ、それだけで美味しいのは当たり前。そこにひと手間かけて、より一層味わい深い一品にするのが燻しの達人への第一歩。卵に蒲鉾、チーズにウィンナー、チキンに刺身。桜や楢、樫などのチップを燃やした煙で燻せば、たちまちスモーキーな香りと旨味たっぷりの食材に変身してくれます。まずは簡単スモーカーを準備しましょう。
■台所にある中華鍋を燻製器にする
燻製ビギナーにピッタリの、最も簡単なスモーカーです。冷蔵庫に放りぱなしの、竹輪、ウィンナー、チーズ等のいつもの食材が、一味違うおつまみに変身します。
必要なものは中華鍋+金網(100円ショップで調達)+アルミホイル+スモークチップ。
- 深めの中華鍋にアルミホイルを置いて、その上にスモークチップを載せる
- 更にチップに触れない高さに金網を設置し食材を並べる(食材には好みのスパイスを)
- 蓋をして着火しチップが焦げ煙が立ち始めたら、5~10分ほど待つ(食材によって異なります)
- 自家製燻製の出来上がり。あぁ、この食欲をそそる琥珀色!
※詳細はココで>>家にある中華鍋で燻製を楽しもう
■段ボール製スモーカー
アウトドアへの持ち運びも簡単な、段ボール製の組み立て式スモーカー。低価格で紙製ながら繰り返し使用可能。卵やチーズといったお手軽スモークから、本格的なスモークチキンまでをこなす、燻製達人ボックスと言えます。田舎での本格的な燻製作りを目指し、クラッシュするまで練習に励んでください。
以下で紹介する商品には、必要な道具(本体・スモークウッド・金網・金棒・フック・アルミ皿)がセットになっています。
- ペッタンコになっている、ダンボールスモーカーを組み立てる
- 食材をフックで吊るす。又は金網に食材を載せる
- スモークウッドをセットし着火。1時間ほどで燻製終了(食材によって異なります)
- 自家製燻製の出来上がり。あぁ、この食欲をそそる芳醇な香り!
※詳細はココで>>燻家(スモークハウス)
漁師気分でイカゲソ・スモークに挑戦する
煙突焼きが忘れられないので、イカの燻製(イカクンですね)にチャレンジしてみましょう。イカは真夏は傷みやすいので、秋・冬が燻製のベストシーズン!釣り好きの友人を仲間に引き入れ、新鮮なイカを手に入れよう。- 燻製の長期保存と味わいを実現させるための、魔法の塩水を作る。鍋に2リットルほどの湯に、粗塩とスパイス(黒胡椒やローリエ等お好みのスパイスで)を溶かす
- イカゲソを沸かした塩水に入れ5~10分ほど茹でる(イカゲソ1杯分の目安です)
- 茹で終わったイカの水分を拭き取り、風通しのよい日陰で乾かす
- 表面が乾いたイカを、1時間ほどスモークチップで燻す。リンゴやヒッコリー等のチップで、あれこれ香りを楽しみましょう
最近はベランダの喫煙だって訴えられる時代(もはや死語ですが、ホタル族って呼ばれていましたね)。屋内で煙を使う燻製づくりは勇気がいります。ご近所や社会の迷惑にならないのが街の燻し達人。基本的にはキャンプ等の屋外での燻製作業がオススメです。
燻製道の仕上げは、やっぱり移住してから。ボール紙や中華鍋を卒業して、ウィスキーの空樽の活用やログハウス風など、手作りスモーカーにも挑戦してみましょう。
アウトドアが満喫できる田舎暮らしで、煙を気にせず豪快にワイルドに!
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