にがりブームで注目されたマグネシウム

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ナッツ類には、マグネシウムが多く含まれています。

マグネシウムは、成人の場合、体内に約20g~30g存在しているミネラルです。その約6割はリン酸マグネシウムや炭酸水素マグネシウムとして骨や歯に含まれ、残りは体内の筋肉や脳・神経に存在しています。

カルシウムやリンとともに骨や歯の形成に必要ということが最も知られているかと思いますが、300種以上の酵素の働きを助ける補酵素であり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整など、幅広い機能に役立っている縁の下の力持ちなのです。

ちなみに、豆腐を作る時に使われる「にがり」は、塩化マグネシウムが主な成分です。一時にがりブームが起きた時に、マグネシウムについての情報を見聞きした記憶がある方も多いのではないでしょうか。

近年種類が豊富なポリフェノールなどがますます脚光を浴びる一方、五大栄養素であるミネラルはあまり取り上げられる機会がなかったように思いますが、マグネシウムにはこれまであまり知られていなかった働きが見出されています。

マグネシウムは体内時計に欠かせない役割

英国のエジンバラ大学は『Nature』に、マグネシウムが体内時計の調整にも役立っているという研究を発表しました(「LINK de Diet」国立健康・栄養研究所より)。1日は24時間で生活していますが、ヒトの体内時計は個々に24時間からズレが生じます。

その体内時計のズレをリセットするには、朝日を浴びたり、朝ごはんを食べることが有効というお話は、「規則正しい食事が、健康管理に欠かせないワケ」に詳述していますので、併せてお読みください。

今回の発表の内容は次の通りです。
研究チームは、ヒト培養細胞、藻類、菌類で実験し、どの場合に細胞中のマグネシウム濃度が体内サイクルに合せて変化するかを調べました。その結果、マグネシウムは、サーカディアン・リズムを環境の昼夜サイクルに適合させることを助けていることが示されました。

さらに細胞内のマグネシウムは、エネルギー燃焼能力にも影響していることも分かりました。マグネシウムは食物をエネルギーに変換するための酵素を助けるために必須の栄養素であることは知られていましたが、この生物学的な機能を効果的にコントロールする役割も担っていることも示されました。
まだ細胞レベルの発見ですし、まだまだこの研究には今後の更なる知見が必要ですが、時間栄養学・時間薬剤学などが注目される中、体内時計に関わるとなればマグネシウムは、食事や薬、農学など、様々な分野での利用が期待されることでしょう。

マグネシウムは血圧や心機能のコントロールにも関連

その他にもマグネシウムは、カルシウムの作用と密接に関わっています。カルシウムやナトリウムの量が過多になると高血圧にながりますが、細胞内のカルシウム、ナトリウムの量を調節し、血圧を調節することに役立っています。

また筋肉はカルシウムの刺激で収縮し、マグネシウムがこれを必要に応じて調節します。心臓が規則正しく鼓動を刻むのも、カルシウムとマグシネウムの拮抗があってこそなのです。