ハーメルンだけじゃない!ドラクエの世界そのまんまなドイツのおすすめスポット
日本が誇る人気コンピューターRPG「ドラゴンクエスト」(以下ドラクエ)。ドラクエの舞台はゲームの中だけの架空の場所ですが、世界じゅうにある「ドラクエっぽい場所」がファンの間で話題を集めています。なかでもドイツには中世の街並みがそっくり残る街や城などが星の数ほどあり、あっちにもこっちにも「ドラクエの世界そのまんま! 」とファンなら興奮せずにはいられない場所がたくさんあるんですよ。今回は、中世の街並み、中世を再現したマルクト(市場)、古城、修道院、秘境、絶景……などをキーワードに、ガイド目線でドラクエに出てきそうな場所を選んでみました。もちろんドラクエを知らない人でも楽しめる場所ばかり。人気観光地から日本ではあまり知られていないおすすめの場所までありますので、旅の参考にしていただけると嬉しいです。
ハーメルン ドラクエの舞台になった!?メルヘンの町
昔々、町に大量発生したネズミを笛の音で退治した男性の物語「ハーメルンの笛吹き男」で知られるハーメルンは、ドラクエ7に出てくる架空の街「ハーメリア」の舞台ともいわれ、ドラクエファンの間で一度は行きたい憧れの街として話題になっています。この街がますますドラクエっぽくなるのが、中世を再現したマルクト(市場)が開かれる時(クリスマス市やイベント時に開催)。マルクトではお店の人の衣装から商品、屋台のフードメニューや使われる言葉まで中世風で、まるでドラクエに出てくる道具屋のよう。昔ながらの衣装で開催される笛吹き男の野外劇(夏期の日曜正午から)やミュージカル(夏期の水曜16:30)もお見逃しなく。ヴェルニゲローデ 魔女伝説が残る可愛い町
ドイツのハルツ山地に佇むヴェルニゲローデは絵本から飛び出したような可愛い町並みと魔女伝説で知られる町。木組みの家が並ぶ可愛らしい町並みに山上にたたずむお城、ブロッケン山へ登る蒸気機関車など丸ごとおとぎの国のような町ですが、ここはテーマパークではなく人々の生活の場でもあるのです。作りものではない、リアルなドラクエの町を「勇者」の気分で歩いてみましょう。詳細記事>>>魔女が集うおとぎの国!ヴェルニゲローデ観光/ドイツ
クヴェトリンブルク 世界遺産の中世の町並み
ハルツ山地にはヴェルニゲローデの他にもおとぎの国のような町が点在しています。木組みの家はドイツ全国いろんな場所で見られますが、なかでもクヴェトリンブルクは中世そのままの姿が残るとびきり可愛い町。美しい旧市街は、城山、聖セルヴァティウス教会とともに世界遺産にも登録されています。職人さんたちの工房兼ショップが集まる一角などもあるのでゆっくりと散策してみましょう。夜の町も幻想的でさらにドラクエ感アップ。1泊して夜警おじさんのガイドツアーに参加してみるのもおすすめですよ。エスリンゲン 中世を再現したクリスマスマーケット
シュトゥットガルトの郊外、ネッカー河畔のエスリンゲンは中世の面影が色濃く残る街。「小ベニス」とも呼ばれる運河と水車の眺め、天文時計と仕掛け人形のある市庁舎、ドイツ最古の木組みの家々が残る絵本の世界のような可愛らしい街で、約1000年前の中世にタイムスリップしたような幻想的なクリスマスマーケット(Mittelaltermarkt)が開かれます。テント風のワイルドな屋台では中世の衣装を着た染物屋や鍛冶屋の職人さんが実演販売中。ドラクエ風にいうなら、ここでしっかり「装備して」冒険の旅へ出かけましょう。詳細記事はこちら>>>中世の世界を再現したクリスマスマーケット/ドイツ
ローテンブルク ロマンティック街道のおとぎの国
ドイツを旅する日本人観光客に不動の人気ナンバーワンを誇るロマンティック街道。そのなかでもローテンブはあまりにも有名な観光地ですが、やはりここは何度行っても素敵です。城壁の中は中世の町並みが忠実に再現されていてタイムスリップしたような錯覚を覚えるほど。教会の迫力ある木彫りの祭壇や「中世犯罪博物館」など、じつはかわいいばかりじゃない見どころがあるあたりもドラクエっぽい所以。この町の魅力を堪能するなら、観光客で賑わう昼間ではなく、朝や夜の旧市街を歩いてみることを強くおすすめします。詳細記事はこちら>>>街が丸ごと中世のテーマパーク!ローテンブルクの魅力
ザンクト・ゴアール ライン川の絶景
ドイツ観光のハイライトとして人気のライン川のクルーズ。ビンゲン/リューデスハイムからコブレンツまでの間は「ロマンティック・ライン ライン渓谷中流上部」として世界遺産に登録されています。伝説の舞台ローレライやたくさんの古城、ぶどう畑がおりなす絶景はうっとりするほどロマンティック。船で風をきって雄大なライン川を進めば冒険心が否応なしに掻き立てられます。観光客にはワインの町リューデスハイムが人気ですが、ガイドのいちおしは電車でもアクセスできるザンクト・ゴアール(St. Goar)。丘の上にある古城ホテル(ラインフェルス城)に泊まれば気分はすっかりファンタジーの主人公です。モンシャウ 「アイフェルの真珠」と呼ばれる美しい町
ドイツ西部、ベルギーとの国境近くに広がるアイフェル山地は、火山湖や森が織り成す起伏に富んだ地形と自然が魅力的な地域。交通の便がよくないこともあって日本ではあまり知られていませんが、それだけに秘境感はたっぷり。なかでも山間にひっそりと佇むモンシャウは、アイフェルの真珠と呼ばれる美しい町。スレート葺きの木組みの家が並ぶ石畳の路地を歩けば、古い水車やアンティークショップ、カフェなどが次々とあらわれ「かわいい~!」を連発せずにはいられません。丘の上にある要塞跡からの眺めはまさに絶景! この町のクリスマスマーケットはガイドのいちおしです。ベルヒテスガーデン 神秘の僧院と塩のパワースポット
南ドイツ、オーストリア国境に隣接するベルヒテスガーデンは、雄大なヴァッツマン山をはじめアルプスの山々に囲まれた人気の山岳リゾート。ドイツで一番美しい湖といわれるケーニヒス湖を遊覧船に揺られること1時間でたどり着ける聖バルトロメ―僧院(St. Bartholomä)の神秘的なことといったら、周囲の絶景も合わせてこの世のものとは思えないほど。山上にはかつてこの場所に目を付けたヒトラーが建てた山荘ケールシュタインハウスがあることでも知られています。ドラクエだとこの辺りに隠しダンジョンが潜んでいそう!?隣町バート・ライヒェンハルは「アルペンザルツ」のふるさととして知られる町。旧岩塩採掘場では、細い通路が張り巡らされた洞窟内をアドベンチャー気分で見学できます。豊かな自然、おいしい空気と水、そして塩の力……パワースポットのようなこの場所で旅の疲れを癒して元気をチャージし、最終決戦に備えましょう。
詳細記事はこちら>>>塩の温泉リゾート、バートライヒェンハル/ドイツ
最後に、タイムトラベル気分で楽しめるテーマパークを2か所ご紹介します。
古代ローマ帝国の国境線 リーメス
ローマ帝国時代にゲルマン民族の侵攻を防ぐために建設された防衛線「リーメス(Limes)」は、いわば欧州版万里の長城。英国にある長城と合わせてローマ帝国の国境として世界遺産にも登録されています。550kmにわたるドイツ・リーメス街道の中でも最も研究と復元作業が進み、当時の様子を詳しく知ることができるのがバート・ホンブルク(Bad Homburg)近郊のザールブルク砦。城砦内では物見櫓や浴場跡などの遺跡が発掘され、現在は博物館や当時のメニューを出すレストランなどが整備されたテーマパークになっています。古代ローマの衣装を着た人たちのマルクト(市場)やローマ兵士のショーが開催されるイベント時には、さらにドラクエ気分を味わえるはず。■Römerkastell Saalburg(公式HP)
ヘッセンパーク 昔にタイムスリップできる野外博物館
フランクフルト郊外にある「ヘッセンパーク(Hessenpark)」は古い家や建物が移築された野外博物館。広い敷地内には農家や労働者の宿舎、学校やパン焼き小屋などが点在し、昔の田舎の様子が忠実に再現され、タイムスリップしたような気分で人々の暮らしぶりを体験することができます。マルクト広場には風情たっぷりなホテルやレストランもあり。昔の石釜で焼かれたパンやチーズ、木のおもちゃや雑貨など素敵なアイテムもみつかりますよ。■Hessenpark(公式HP)
取材協力:ドイツ観光局