厚生年金に加入するとどうなるの?
厚生年金に加入することでどのくらい保障が充実するのでしょうか?
■1. 将来受け取る自分の年金が増える
厚生年金に加入すると、国民年金(基礎年金)に加えて、給与と賞与の額に基づいて計算される「報酬比例」の厚生年金を受け取ることができます。例えば、月収が88,000円(賞与なし)の人が厚生年金に40年間加入した場合を考えてみましょう。
国民年金の保険料は収入に関係なく定額ですが、厚生年金の保険料は給与(標準報酬月額)に応じて決定されます。2017年9月以降の保険料率は18.3%(上限)となり、会社と折半負担なので、本人負担の保険料は毎月約8,000円となります。仮に月収の変動がないと仮定すると、将来受け取る年金額は毎月19,000円増えるということになります。
■2. 障害年金や遺族年金の保障が厚くなる
公的年金の給付には、老齢だけでなく、障害年金や遺族年金があります。また、それは国民年金と厚生年金それぞれにあります(ただし受給要件等は異なります)。厚生年金に加入している間に、万一、障害状態になった場合には、要件を満たせば、国民年金からの障害基礎年金だけでなく、厚生年金からも障害厚生年金が支給されます。なお、障害基礎年金は障害等級1級または2級の場合に支給されますが、障害厚生年金は障害等級3級の場合も支給されます。
また、万一死亡してしまった場合も、要件を満たせば一定の遺族に対して、国民年金からの遺族基礎年金のほかに厚生年金から遺族厚生年金が支給されます。なお、遺族基礎年金は18歳未満(高校卒業するまで)の子がいない場合は配偶者に支給されませんが、遺族厚生年金は18歳未満の子がいない場合も配偶者に支給されます。
■3. 公的医療保険(健康保険)の給付も充実する
厚生年金に加入するということは、同時に健康保険にも加入することになります。勤め先の健康保険に被保険者として加入すると、給与に応じた保険料となり、一部の現金給付について差があります。健康保険に加入していると、病気やけが、出産などで仕事を休まなければならない場合には、傷病手当金や出産手当金として、賃金の3分の2程度の給付を受け取ることができます。
■4. 会社が保険料の半分を負担してくれる
国民年金(国民健康保険)では被保険者本人が保険料を全額負担しますが、厚生年金(健康保険)に加入した場合には、保険料の半分を会社が負担します。つまり、厚生年金では、被保険者本人が支払った保険料の2倍の額が支払われていることになり、それが給付につながることになります。
厚生年金の対象外の人はどうすればいいの?
今回の厚生年金の適用拡大は、パートタイマーなど短時間で会社に勤務している人にとっては、将来の年金額に厚みを持たせることができる制度ですが、まだその対象者は企業規模が501人以上ということもあり非常に限られています。また、もともと厚生年金の適用事業所ではない事業所で働く場合は、厚生年金には加入しません。自営業者など国民年金の第1号被保険者に当たる人については、厚生年金がありませんので、自分でその代わりとなる年金を準備する必要があります。国民年金基金などを活用して、厚生年金の代わりの年金を早めに用意しておくことが、今後ますます必要になっていくでしょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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