カラーコーディネート/インテリア・小物のカラーコーディネート

おしゃれを磨き、夢を叶える、クローゼットの収納術

おしゃれは楽しいけれど、増えすぎる服が悩みの種。本当におしゃれな人たちは、少ない服で暮らしています。今回は服の収納方法から、カラーコーディネートのコツをご紹介します。

松本 英恵

執筆者:松本 英恵

カラーコーディネートガイド

ベストセラーになった書籍『フランス人は10着しか服を持たない』や『服を買うなら、捨てなさい』のタイトルが示すように、私たち日本人女性にとってファッションは楽しみであると同時に、増えすぎる服が悩みの種となっているようです。

春と秋は衣替えの季節。クローゼットの中を見直し、整理するのによい機会です。今回は、カラーコーディネートの観点から、クローゼットの収納術をご紹介します。

服はたくさんあるのに、着る服がない!?

あなたのクローゼットには、何着の服がありますか?

あなたのクローゼットには、何着の服がありますか?

『フランス人は10着しか服を持たない』の著者ジェニファー・L・スコット氏は、典型的なカリフォルニアガール。フランスの貴族の邸宅にホームステイした際、小型のクローゼットに入りきらない大量のワードローブ(大型のスーツケース2つ分)と悪戦苦闘した経験が綴られています。

渡仏する前は、同じ服を1週間に2回着るのは恥ずかしいと感じていたそうですが、フランスでは当たり前。クローゼットをひとつのきっかけに、フランス人マダムのミニマムでエレガントな暮らしを学び、カリフォルニアに戻ってからも実践しているそうです。

10着のワードローブには、アウターやドレス、アクセサリーやシューズなどは含まれていません。また、10着のワードローブは季節ごとに見直して、アイテムを入れ替えます。クローゼットにかかっているのは、普段づかいの服が10着だけ。秋・冬用の10着の例として、次のようなアイテムが紹介されています。
  • カシミアのセーター 3枚(ベージュ、クリーム色、黒)
  • シルクのブラウス 3枚 
  • 白のボタンダウンシャツ 1枚
  • 濃紺またはダークグレーのウールのテーラードパンツ
  • 黒のウールのスカート
  • 黒のスキニーもしくはブーツカットのジーンズ
カシミアやシルクというように、上質な素材を指定し、量よりも質を重視する姿勢が伺えます。そして、10着のうち、7着は無彩色などベーシックカラーを指定しています。ベーシックカラーを基調に、シルクのブラウス、アクセサリーやシューズなどで色を加えるのが、フランス流カラーコーディネートのようです。

「イマイチ服」を無くせば、日本の女子は輝く!?

おしゃれになるために必要なのは、「今週2回着たい服」だけ!?

おしゃれになるために必要なのは、「今週2回着たい服」だけ!?

『服を買うなら、捨てなさい』の著者でスタイリストの地曳いく子氏も、おしゃれな人ほど、少ない服で暮らしていると述べています。服を増やすほど、おしゃれ度が下がる原因のひとつは、「イマイチ服」の割合が増えるから。「今週2回以上着たい服なのか?」を吟味することが、おしゃれ上手になる秘訣なのだそう。

地曳氏は、ワンシーズンの約3ヶ月に対して、理想的なアイテムの数として、次のような例をあげています。
  • 普段履きの靴 2~3足
  • トップス 10~15枚(ニットやブラウスなど。Tシャツ類も含む)
  • ボトムス 3~4枚(スカート、パンツ。あるいはどちらだけでもOK)
  • ジャケット、カーディガンなどの羽織もの 2枚
シューズと羽織ものを除いた、トップスとボトムスだけで13~19枚。『フランス人は10着しか服を持たない』と比較すると、色や素材の指定はなく、アイテム数がやや多めとなっています。地曳氏は、好きな色にこだわることが、自分らしいスタイルをつくる早道だと述べています。

ワードローブの大半は、無彩色

『フランス人は10着しか服を持たない』と『服を買うなら、捨てなさい』は、量と質のどちらに重きを置くかの違いはありますが、目が行き届くアイテム数に絞るという点は共通しています。

フランスを代表するカラリスト、ジャン=ガブリエル・コース氏をインタビューした記事「行動、自信、機嫌…人間の欲求は色に支配されていた?」でご紹介したように、フランス人女性に比べると、日本人女性の方がより多くの色(有彩色)を着る傾向があります。しかし、多くの人が買い求めるのは「白・黒・グレー」といった無彩色です。

季節ごとにクローゼットの中身を入れ替えるのであれば、10~20着ですから、色数もそれほど多くなりません。トップス、ボトムスというように、アイテム別にクローゼットに収納すれば、目が行き届き、コーディネートもしやすいでしょう。

似合わない理由を教えてくれる、パーソナルカラー

なんとなくしっくりしない理由を探ってみましょう。

なんとなくしっくりしない理由を探ってみましょう。

朝の身支度のとき、一度袖を通してみたもの、鏡に映った自分の姿を見て脱いでしまう……。そのようなご経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。

いらない服を処分することも、理想的なワードローブづくりの第一歩となります。なんとなくしっくりしないのは、好みではない、流行遅れなど、いくつか考えられますが、似合わないことも理由のひとつです。

パーソナルカラーは、肌や瞳の色と調和しない、雰囲気やイメージを損なってしまう、コンプレックスを感じるボディパーツが目立ってしまう……といった具体的な原因を探る手がかりとなります。服を処分するかどうか迷ってしまうとき、参考になさってみてはいかがでしょうか。
さて、処分する服を決めたら、クローゼットに今着る服だけをアイテム別に並べましょう。10~20着程度に絞り込むと、自分が好きなもの、自分に似合うものの傾向をおおまかにつかめるはず。

同じような服ばかり買ってしまう方は、少し違うものを。自分のイメージからかけ離れた服を買ってしまい、着ない服が増えてしまう方は、冒険しすぎないものを。というように、新しく服を買うときの指針となるでしょう。

ニューヨーカーは、クローゼットに「夢」をかける!?

小物を含めたコーディネートが、お気に入りの服をより一層輝かせます。

小物を含めたコーディネートが、お気に入りの服をより一層輝かせます。

必要なものだけ、今着る服だけを買う暮らし……。今着るものだけが整然と並んだクローゼットは、シンプルで美しいけれど、何か物足りない感じもします。

『ニューヨークの女性の「強く美しく」生きる方法』の著者エリカ氏は、単身でニューヨークに渡り起業した経験を通して学んだ、ニューヨーク流のワードローブを紹介しています。

ニューヨークで仕事をしている女性は、今着るものが一通り揃っているのは当たり前。エリカ氏は、いつ着るかわからない出番待ちの、眺めているだけで幸せな気持ちにしてくれるドレスやシューズにも、大切な役割があることに気づかせてくれます。

「今の私」には必要ないけれど、あなたをときめかせてくれる服は、「夢」を思い描く原動力になります。気持ちが沈んだとき、クローゼットを開き、鏡の前でその服を着てみると、気分が上がり、元気がわいてくる……。非日常の服には、なりたい自分になるための勇気を奮い立たせてくれる、お守りのような力が秘められています。

エリカ氏は、服のコーディネートにアドレスとニックネームをつけましょうと提案しています。例えば、恋人とデートに出かけるとしたら?なりたかった役職に昇進したら?次の休暇はどうやって過ごす?……あなたは、どこへどんなファッションで出かけますか?

ここに行きたいという具体的な場所(アドレス)を思い描き、服だけでなくシューズやバッグ、アクセサリーなど、トータルコーディネートを考え、ニックネームをつけましょう。アイテム別ではなく、コーディネート別に収納することによって、その場所に出かける自分の姿をより鮮明にイメージできるのではないでしょうか。

心をときめかせる、カラーコーディネート

おしゃれをすると、身も心も引き締まるだけでなく、こうなりたいと思う自分を目に見える形で表現してくれます。クローゼットに、「今の私」が心地よく過ごすための服、そして、「少し先の未来の私」になるための服があるのが理想的。

ワンシーズンにたくさんの色を揃える必要はありません。まずは、好きな色を取り入れてみてはいかがでしょうか。好きな色はあなたの気持ちに寄り添い、心をときめかせてくれます。そして、色と色が響き合い、心地よいハーモニーを奏でるように整理整頓することが、クローゼットを「夢」を育む空間にすることにつながっていきます。

「夢」を実現するのはあなた自身です。「夢」がたくさんつまったクローゼットは、「今のあなた」を応援し、「少し先の未来のあなた」に近づけるよう後押してくれるでしょう。

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