株・株式投資/日経平均株価の動向を専門家がチェック

1万7000円を抜けきれなかった日経平均の今後は?

日経平均はまたもや1万7000円の壁で跳ね返されました。しかし、日銀のETF買いもある上、世界的な株価動向も調整後は上昇に転じられるところだと思われ、下がったところは買いのチャンスと見て良いと思います

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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1万7000円を抜けきれなかった日経平均、今後どうなる?

1万7000円の壁で跳ね返された日本株、しかし、下がったところは逆に買いのチャンスか!?

1万7000円の壁で跳ね返された日本株、しかし、下がったところは逆に買いのチャンスか!?

16年9月5~9日の日本市場は「小動き&閑散」という様子でした。週間の日経平均は+40円高で、終値を16,965円となりました。週初の円安で一時、5月以来となる1万7000円を回復し、ついに1万7000円を上抜けていくかと思わせるような勢いでした。しかし、米国休場の影響もあってか、東証一部の商いレベルは5日(月)、6日(火)とも1兆円台半ばに過ぎず、閑散としていました。そして、7日(水)は2円も円高に逆戻りし、株価も反落してしまいました。

ただし、7日(水)には今月初めての日銀介入が入り、下落幅が限定的だったのに加え、主力株に代わってゲーム関連、フィンテック、バイオ医薬など新興市場は盛り上がりを見せていました。そし9日(金)のメジャーSQは7円高としたものの、売買代金は僅か2兆1,662億円と、SQとしてはありえない程の薄商いでした。メジャーSQの日の売買代金が前日より低下したという事も記憶にないように思います。これは日銀の買いでボラティリティーが極度に低くなっていることの影響かもしれません。

他にも最近の相場は過去10年余りで見たこともない事が複数散見されます。特に異常と思えるのが、毎週の外国人売買額と日経平均の間にあった強い相関が、全く消えてしまっていることです。たとえば外国人が売ってくれば日経平均は下落する傾向があったわけですが、最近は逆の動きになります。10年以上見たことのない現象です。恐らく日銀が買うからそうなっていると思いますし、上場企業の4つに1つの筆頭株主が日銀やGPIFなどの公的マネーとなっている事も異常です。

下がったところは買いのチャンスか!?

相場判断ですが、日経平均はまたもや1万7000円ライン、そして200日移動平均線で弾き返されました。その下がったところで日銀が入ってくる形になります。8月後半以降、売買代金を増して下げる日が多く見られます。これほど頻繁に売り勢力拡大サイン(売買代金を増して下げる日)が出現すれば、通常は下落トレンドと見ても良い状況ですが、日銀介入で上昇基調が保たれてきたというところだと思います。それが良いことかは別として、それだけ日銀の介入は強力だということでもあります。

米国株の調整もあり、目先は調整基調が続くかもしれません。しかし、日銀の買いもある上、日本や欧州の緩和政策で流動性が非常に強く高められている中で世界的な株価急落は発生しにくい状況と思います。世界経済としても、米国は堅調ですし、中国も金融緩和と人民元安が徐々に効いてきており、財政出動も検討されているところで復調気味です。したがってやはり、しばらく調整局面は続くかもしれませんが、もしも大きく下がるところがあれば、そこは買いのチャンスという認識で良いではないかと考えます。

参考:日本株通信


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