お金の悩みを解決!マネープランクリニック/40代独身の人のお金の悩み

40歳独身、貯金700万。社保がない会社は転職すべき?(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、転職先が社保完備でないことを悩む40代の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

  • Comment Page Icon

アドバイス1 60歳で貯蓄3000万円も不可能ではない

まずは勤務先についてですが、結論から言えば、社会保険を完備している企業に転職すべきでしょう。年齢から考えても、遅くとも4~5年以内にはしておきたいところです。

現在の職場でのデメリットは、やはり厚生年金に未加入という点。勤務先そのものにも問題はありますが、それよりも、ちゃむさん自身がそのことで老後に不安を残してしまうことが、解決すべき大きな問題です。おそらく正社員としての勤務かと思います。それなのに、その間の老齢厚生年金が受給できないわけですから、実際は給与が半減しているようなものです。

次に家計管理ですが、一言でいえば、素晴らしいと思います。決して高くない給与で、しかも賃貸住宅。それなのに毎月6万円を貯蓄に回し、700万円もの貯蓄ができたのですから、本当に感心します。

だからでしょうが、支出はこちらが心配するほど、抑えています。逆にもう少し遊びがあってもいいと思うほどです。体力をつける、あるいはストレスを解消するなど、自分にプラスになることにもう少し支出してもいいかもしれません。

ともあれ、現在、月6万円の貯蓄は年間72万円。仮にボーナスから半分の40万円貯蓄できたとすると、計112万円。60歳まで20年間で2240万円が貯まることになります。今の貯蓄を加えれば約3000万円。老後資金として、ひとつ目標にしていい金額だと言えます。
 

アドバイス2 実家に住むことを想定しての賃貸が正解

ちゃむさんの場合、いささか心配なのが、健康面です。転職も含め、無理は禁物です。長く働き、収入のない期間を作らないこと。これが地味なようで、もっとも効果的な老後対策です。できれば、公的年金が支給される65歳まで働けば、さらに老後のリスクは解消されます。その意味でも、絶えず体調を気遣うようにしてください。

また、老後についてさらに言えば、家がポイントになります。過去にマンションを購入しようとしたが、ローンを組むリスクを考え、断念したとのこと。正解です。住宅ローンを組めば、必ず一定額の返済をしなくてはいけません。その分、さまざまな場面で家計における選択肢が限られてしまう。それが、ちゃむさんのケースでは、もっとも怖いことです。

しかも、複雑な事情があるようですが、ご両親に何かあれば実家に戻る可能性がある。持ち家なのですから、リフォーム費用が発生するかもしれません(先の3000万円があれば、ローンを組まずにできるはず)が、老後を迎えて住むことも想定されます。その意味でも、賃貸の方がコストに無駄が出ず、合理的だったということです。
 

アドバイス3 保険に無理に入らず貯蓄でカバーする

保険については「あまり体が丈夫ではないため、安い医療保険には加入できなかったため任意の保険にも未加入です」と、言われています。もし、一般の医療保険に入れないことを、何か恥ずかしいように思うのなら、まったくそんな心配は要りません。

引受基準緩和型の保険ならおそらく加入できるでしょう。しかし、おっしゃるように割高です。保険料コストの方が医療費を上回るかもしれません。

保険に入ったと思い、その分を貯蓄に回す。それで十分です。医療費は貯蓄でカバーするという考えです。ご存知だと思いますが、健康保険に加入していれば高額療養費制度が利用できます。必要以上に心配する必要はありません。

最後に確定拠出年金(DC)ですが、興味があればぜひ始めてみることをおススメします。勤務先にその制度がなければ、個人型DCとなります。拠出金(=掛け金)の上限は2万3000円。資金の引き出しは60歳以降という制限がありますが、老後資金という目的が明確になっていいと思います。

また、拠出金の全額が所得税、住民税を計算する際の所得から控除される点も大きなメリットです。ただし、運用商品を選べばリスクをともないます(元本保証の商品もある)ので、元本割れすることも想定されます。さらに言えば、金融機関によって、DCで扱う投資商品の種類も、また運用によって発生するコストの額も異なります。どの金融機関で行うかも重要なポイントとなりますので、事前によく調べてみてください。
 

相談者「ちゃむ」さんから寄せられたご感想

家計はもっとダメ出しがあるかと思っていましたが、むしろ逆に絞りすぎだったんですね……。医療保険に加入できない漠然とした不安も、貯金で解決という考えで大丈夫とのことで安心しました。今後も無理に入らないようにします。転職活動は大変だし、どうしようか悩んでなかなか踏ん切りがつきませんでしたが、先生のアドバイスのおかげで踏ん切りがつきました! 転職活動をもう一度やってみようと思います。今回は本当にありがとうございました。


教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん
 
undefined

 

業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ




【関連記事をチェック!】
38歳、貯金2500万。現金でのマンション購入は可能?
34歳独身、貯金40万円でローンあり。転職したいです
35歳独身、貯金250万円。住宅ローン繰上返済で悩む
41歳、貯金6万。病気を克服して3年。夢を叶えたい
 
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/11/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます