スイス/スイス基本情報

スイスのトイレ事情 紙は流せる?有料の場所もある?

旅の先々で、どうしても避けては通れない必ず利用する公共トイレ。スイスは全体的にイメージ通り清潔で、場所によっては有料ですが、観光客も利用しやすいように配慮されています。有料なのか?トイレットペーパーは流せるのか?どんな場所でトイレを利用するのかで変わってくるので、事前に知っておくと得する、先進国スイスならではのトイレ事情をご紹介します!

矢鳴 菜都

執筆者:矢鳴 菜都

スイスガイド

日本のトイレとの違い

トイレのマーク

トイレのマーク

先進国のスイス、それでも日本のように電気でヒーターが入れられて便座が温めてあったり、ウォッシュレット機能がついている公共のトイレはありません。少し前の日本では一般的だったトイレと同じく、個室は鍵がかかり、便座、蓋があり、流してもいいトイレットペーパー(堅めの紙)、小さなゴミ箱がついています。

水を流すボタンは何種類かあり、一番多いタイプは壁に埋め込み式、または、壁にセンサーがついています。次によく目にするのがトイレの水タンクについているタイプ。たまに、足元のボタンを踏まないと流れないタイプがあるので、ボタンらしきものが見当たらなければ、足元を探してみて下さい。

洗面所の水は、ほとんどがセンサーに反応して水が出るタイプ。手をふく紙、またはハンドドライヤー(エアータオル)が設置されています。
大きな公共施設の場合、車いす専用トイレも整えられています。

男性と女性は青と赤、といった色分けよりも、ズボンとスカートの形の違いで分かるマークが描かれています。または田舎のレストランなどはHerren(男性)、Damen(女性)と文字のみの場合もあるので、この表記を覚えておくと役立つかもしれません。


有料トイレと無料トイレ

登山列車の乗換駅、標高2,061mのクライネシャイデック

登山列車の乗換駅、標高2,061mのクライネシャイデック

観光立国スイスは、トイレの数も多いです。利用する際に「小銭は必要かしら?」とよく質問されますが、有料と無料との簡単な区別の仕方は、そのトイレに行くために、各個人が特別な料金を支払っている場所にあるかどうか?です。

列車内のトイレは、乗車賃を払っている乗客が利用するので、各トイレにお金はかかりません。観光地の展望台までロープウェイや登山列車を利用して登った場合も、無料で利用できるものが大半です。空港駅も、お迎えの人も利用できるように無料です。なので、町中にいる時に、たまたま目の前にあるホテルにトイレを拝借しようと入っていくと、基本的には宿泊客のみが利用できるものなので、近くにある公衆トイレの場所を教えられてしまうことが多いです。

誰でも利用できる最近整えられた公衆トイレは、有料です。鉄道駅や、街中に設置されています。スイスは高速道路の料金が非常に安いのですが、その休憩所にあるレストランに設置されているトイレは有料の場合が多いです。その費用が、清掃する人への給与として還元されるのです。


列車内のトイレ

登山鉄道内のトイレ

登山鉄道内のトイレ

スイスは鉄道大国で、九州ほどの大きさの国土を隅々まで網羅しています。基本的に、国鉄はもちろん、私鉄に至るまでも車内にトイレが設備されています(長距離を走らない市内の地下鉄やトラムを除く)。

昔は田舎に行くと、ぼっとんスタイルで走行中にトイレに入ると線路が見えていたので、駅での停車中はトイレが利用できないようになっていたのですが、さすがに近年は汲み取り式になっています。

だいたい2車両に一つは設置されており、座席からWCマークのランプが見えるようになっていて、緑色だと空き、赤色だと使用中です。


有料の公衆トイレ

有料公衆トイレMc clean.

有料公衆トイレMc clean.

スイス国鉄の主要各駅にある有料トイレは、男性と女性によって料金が異なります。正確にいうと、個室に入って紙を使用する場合は男女ともに2.00スイスフラン、男性が個室に入らない場合は 1.50 スイスフランと、入り口で入る方を選べます。

手洗い場は入口にあり男女兼用ですので、個室から出てきたところで男性が手を洗っていても、驚かないでくださいね。ここでは、常に白い服に身を包んだ清掃員が清潔を保ってくれています。

スイスとドイツを網羅するこの会社は、日常のストレスから少しの間だけでも離れられるサービスと空間を提供することをコンセプトにしているそうです。
http://www.mccleangroup.com/


山小屋のトイレ

アイガーのミッテルレギ小屋(標高3,355m)

アイガーのミッテルレギ小屋(標高3,355m)

標高の高い山小屋にも、もちろんトイレが併設されています。近年はほとんどのトイレが汲み取り式で、ヘリによって輸送されます。山小屋によっては、ハイキングでランチに立ち寄るだけのお客様と、宿泊客が利用できるトイレが別々の場合がありますが、いずれも山小屋の施設を利用する場合は、無料で利用できます。


観光地ならではのお洒落なトイレ

ローザンヌの透明トイレ

ローザンヌの透明トイレ

ローザンヌのおしゃれなレストランやショップが立ち並ぶ、歩行者専用通りの真ん中に、ぱっと目を引く透明のガラス張りのトイレがあります。11面の特殊ガラスで組み立てられており、外から見ると透けていますが、中に入って鍵をかけると一瞬で曇りガラスになり、中が見えなくなります。

デザイナーのコンセプトは、個室内に何も落ちていない(汚れていない)のを確認してから中に入ることができるし、利用者にとっては中からも外の音が聞こえるので安全だろうとのことですが、お洒落な通りで目を引く、革新的なデザインも評価されています。
このトイレは、無料で利用できます。


イベント会場、災害時の仮設トイレ

イベント会場に並ぶToi Toi

イベント会場に並ぶToi Toi

夏祭りやスポーツイベントの会場、コンサート会場、あるいは公衆トイレが工事の際には仮設トイレのToi Toiが設置されます。衛生面も考慮されており、ヘリやトラックで運搬することが可能な、無料で利用できる移動式簡易トイレです。もちろん、災害時にも大活躍。スイスの専門会社が広くヨーロッパを網羅しており、旅先のどこかで見かけるかもしれません。
http://www.toitoi.ch/


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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