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【フラット35】リノベで中古住宅をより快適&お得に!

立地や価格面でも人気がある中古住宅。条件を満たしていれば、最長35年の長期固定金利の住宅ローン【フラット35】を利用することができますが、このたび、【フラット35】リノベという新しい制度が登場しました。今回は、【フラット35】リノベについて紹介します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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【フラット35】リノベとは?

中古住宅でも、リノベーションすることで快適&お得になる!?

中古住宅でも、リノベーションすることで快適&お得になる!?

新築住宅よりも、立地や価格面で魅力的、という点で「中古住宅を買って自分たちの希望に合わせてリフォームをする」という方が増えています。

中古住宅でも、条件を満たしていれば、最長35年の長期固定金利の住宅ローン【フラット35】を利用することができますが、このたび、【フラット35】リノベという新しい制度が登場しました。これは、中古住宅を購入して、省エネルギー性や耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性の分野で住宅性能を向上させるためにリフォームを行う場合、または、住宅事業者が性能向上リフォームを行った中古住宅を購入する場合に、一定期間、【フラット35】の金利を引き下げてもらえる制度です。金利引き下げプランは、以下の2つがあります。

【フラット35】リノベのチラシを元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

【フラット35】リノベのチラシを元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


【フラット35】リノベを利用するためには、いくつかの条件をクリアする必要があるので、順番に見ていきましょう。

■STEP1:従来の【フラット35】を利用するための住宅の耐久性等の技術基準やその他融資基準を満たす。
まずは、【フラット35】を利用する際の申込時の年齢や総返済負担率(年収に占める借入の年間合計返済額の割合)などの融資条件や、中古住宅の規模などを確認しましょう。各基準の詳細は、以下のリンクをご参照ください。
【フラット35】 中古住宅の技術基準
【フラット35】利用条件(お申込みいただける方)

■STEP2:基準を満たす「性能向上リフォーム」を行う
金利Aプラン、金利Bプランともに、以下の基準を1つ以上適合させるリフォームを行う必要があります。なお、いずれも、「リフォーム工事前に適合していない基準について、リフォーム工事により適合させる」ことが要件なので、既に基準に達している部分は対象外です。

【フラット35】リノベのチラシを元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

【フラット35】リノベのチラシを元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


■STEP3:「中古住宅の維持保全に係る措置」を行う
以下の(1)から(4)までのいずれかの措置がとられていることを、適合証明検査機関による「適合証明検査」において確認されます。
(1)インスペクションの実施
:住宅の劣化状況や性能等について、専門家による現況検査を実施すること。
(2)瑕疵(かし)保険の付保等
:「既存住宅売買瑕疵保険」または「リフォーム瑕疵保険」をつける。
(3)住宅履歴情報の保存
:リフォーム工事に関する写真及び図書(見積書、工事箇所を示す図面、詳細図面等)について、保存形式や保存場所を明確にした上で買主が保存する。
(4)維持保全計画の作成
:リフォーム工事後の住宅について、住宅を長期間良好な状態で使用するための維持保全計画を作成する。

一見すると面倒そうに思えますが、どれも中古住宅を購入する人にとって、大切なことだと思います。中古住宅は、築年数や性能も様々なので、購入する場合に「安心して住めるかどうか」といった不安があります。 (1)で専門家に住宅の現状を検査してもらうと、安心できる住宅かどうか判断することができますし、(2)は万が一、引き渡しを受けた後に住宅の保険対象部分に瑕疵が見つかった場合でも、補修費用が賄えたらだいぶ安心感が増すと思います。

また、(3)で性能向上リフォームを行ったことを記録に残し、(4)で今後の修繕計画などを立てることは、新たな住民となった方が長く安心して暮らすことができ、将来売却する必要がある時にも、売りやすくなると思います。

【フラット35】リノベを利用するためには、(1)~(4)のいずれかを行う、とあるので、全てを行う必要はありませんが、中古住宅を長く活用するための措置を講じていれば、金利を引き下げてもらえる、というのは、利にかなっているな……と思いました。

【フラット35(リフォーム一体型)】との違いは?

中古住宅、どうリフォームするかによって、利用できるローンも変わるね!

中古住宅、どうリフォームするかによって、利用できるローンも変わるね!

【フラット35】リノベは、中古住宅を購入して省エネ性等、性能を向上させるリフォームを行う場合に、一定期間、借入金利を引き下げてもらえる制度ですが、性能向上に限らず自由にリフォームしたい、という場合は、【フラット35(リフォーム一体型)】を利用する方法もあります。これは、中古住宅の購入と併せてリフォームを行う場合、その費用を含めて1つの【フラット35】で借り入れることができる、というしくみです。

さらに、省エネ性、耐震性等の基準を満たした住宅を購入(新築)する場合に利用できる【フラット35】Sの技術基準を満たす場合は、【フラット35】Sを利用することもできるとのこと。金利の引き下げ幅は、【フラット35】の借入金利から年0.3%と、【フラット35】リノベよりは少ないですが、侮れません。

【フラット35】Sのチラシを元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

【フラット35】Sのチラシを元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


「中古住宅を買って、自分たちの希望に合ったリフォームをしたい」という方にとって、リフォームの内容によって、ローンもお得に借りられるのは、嬉しいですね。
詳細は、こちらをご覧ください。
●【フラット35(リフォーム一体型)】

親身になって相談してくれる不動産仲介業者やリフォーム業者を選ぼう

今まで以上に住まいの選択肢が増えるといいね!

今まで以上に住まいの選択肢が増えるといいね!

中古住宅の性能やリフォームの内容によって、【フラット35】もいろいろなパターンで借りられるのは、嬉しい半面、条件をどうクリアすればいいか、分かりにくいことも多いと思います。不動産仲介業者等を選ぶ際は、住宅の技術基準やインスペクションなど、専門的なことも含めて親身に対応してくれるかどうか、についてもチェックしてみると良いでしょう。

なお、【フラット35】リノベは、まだ本格的な制度の導入ではなく、試行的に実施されるので、適用期間は「平成28年10月1日~平成29年3月31日までの申込受付分(*)」と限られています。((*)予算金額に達すると見込まれた場合は、受付を終了します。)けれども、条件に該当したリフォームを行う場合に、一定期間金利を0.6%も引き下げてもらえるのは、大きいと思います。中古住宅を買ってリフォームをしようと思っている方は、この制度を活用できるかもしれませんので、検討してみてはいかがでしょうか?

【関連リンク】
三世代同居の木造住宅建築で補助金をもらう方法とは?
「同居」「近居」を始める前に知っておくべきこと
リフォーム予算、戸建とマンションどう違う?
子世帯の住み方で、実家の相続税どう変わる?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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