エアコンの風が届きやすい間取りにする

ここ数年はとても暑い夏が続いています。昼間はエアコンなしでは過ごせない…という方も多いでしょう。とはいえ、リビング・ダイニングや個室にはエアコンがあるけど、キッチンにはないご家庭がほとんどだと思います。

キッチンの暑さを和らげるには、リビングのエアコンからの“冷たい空気”が届くように、オープンな間取りへのリフォームを検討するとよいでしょう。
例えば、セミオープンプランの場合、吊戸棚と壁を取り除くと、エアコンの風がキッチン内に入るようになります。
独立プランの場合は、思い切って間仕切り壁を取り除くのも一案です。リビング・ダイニングからの視線が気になるなら、前壁を一部分だけ残したり、少し立ち上げるとよいでしょう。

undefined

吊戸棚や壁を無くせば、リビング・ダイニングの空調が届くように!夏はもちろん冬も快適に過ごせるようになります。
 

レンジフードを交換して排気をよりスムーズに

加熱料理中に発生する熱を帯びた空気や蒸気をスムーズに排出するには、レンジフードの選び方も大事なポイントです。

例えば、60cm幅のコンロの場合、レンジフードも60cm幅を選ぶケースが多いです。しかし、少し大きめの75cmや90cmのレンジフードを選べば、鍋から上に向かって広がる熱い空気や水蒸気を幅広くキャッチできるようになりますし、調理中の匂いが室内に広がりにくくなる効果もあります。

undefined

調理中の熱や蒸気を排出するレンジフード。お手入れがラクなタイプを選びたい!


undefined

オープンキッチンの場合、コンロ前にガラスパーテーションを取り付ければ、明るさを保ちながら、熱や蒸気、油を含む煙の捕集効率を高めます。

ときどき、リフォームで「2口コンロ」から「3口コンロ」に交換するのに、レンジフードは交換しないという方がいます。しかし、口数が増えると熱や蒸気の排気量も増えるため、夏場はかなり暑く感じるはずです。今の換気扇がプロペラファンの場合には、ダクト工事などのプラス費用がかかりますが、コンロを変えるなら、レンジフードも相応の製品に変える方がよいでしょう。

また、レンジフードは使い方も重要です。音がうるさいからといって、揚げ物や炒め物の調理中や、3口すべて使用中なのに「弱運転」では、暑くても仕方がありません。最近では静音タイプの製品も増えているので、気になる人はカタログやショールームなどでチェックしてみてください。

 

給気口を設けて換気力をアップする

レンジフードで効果的に排気するには、排気する分だけの空気を外から入れなければなりません。その空気の取り入れ口を給気口といい、通常は手動で開閉できます。設置が義務付けられているので、室内に必ずあるはずですが、外の空気がダイレクトに入ってくるために冬場に閉めてそのままになっている、以前の模様替えのときに塞いでしまった、ほこりなどで目詰まりしているなど、機能していないことも多いようです。
リフォームで最新型のレンジフードに交換すると、おのずと排気量はアップすると思うので、換気力が発揮されるよう、給気口もチェックしておきましょう。

給気口の新設が必要な場合、マンションでは外壁に穴をあけることはできませんが、戸建てなら構造に影響のない部分に取付け可能です。その工事は、外壁に15cm位の穴を開け、屋外・室内に部品を取り付けるだけと手軽で、工事費や材料代は比較的安く済みます。

undefined

給気口は手動で開閉できるタイプがほとんど。換気量に合わせて開閉し、目詰まりには注意しましょう。


給気口から入り込む外気が不快な場合、外壁に穴を開けられるケースに限りますが、排気と同時にレンジフードに直接外気を取り入れる「同時給排タイプ」のレンジフードを選ぶ方法もあります。ダクトが排気用・給気用の2本必要で、機器の値段も高くなりますが、一般的な「排気のみのタイプ」より換気の効率が良く、外気が室内に入り込まないメリットがあります。

ちなみに、一戸建ての場合、換気も採光もできる“窓”を新たに設けたいというご要望も時々あります。しかし、外壁工事を伴わないリフォームの場合、新たに設けた窓サッシのまわりの防水処理ができないため、そのような工事はできません。

壁や床の断熱性を高める

断熱性を高めるリフォームは、冬の寒さはもちろん、夏の暑さ対策にも効果的です。エアコンで冷やした室温を保ちやすくなるうえ、西側にキッチンがある場合には、熱い日差しで温められた壁の熱が室内に伝わるのを防ぐ効果もあります。

キッチンに窓がある場合、断熱性の高いペアガラスに交換したり、今ある窓の内側に新たな窓を取り付ける方法がおすすめです。

undefined

サッシは現状のままで、ガラスだけ断熱性が高い「複層ガラス」に交換する方法もあります。
 

壁や床の断熱性を高める工事は、壁紙や床材を剥がして下地材を取り除いた後、断熱材を新たに入れ直し、下地や壁紙・床材を新たに張る方法が主流です。しかし、大がかりな工事になるため、費用や日数もそれなりにかかってしまいます。
最近は、石膏ボードに断熱材を張りつけたものを、室内側の壁や床にビスやクギで打ちつけて張る方法があります。室内空間が若干狭くなりますが、手間も費用も抑えたいという方は検討してみるのもよいでしょう。


太陽の光をコントロールする

最近の戸建住宅では、リビング・ダイニングと一体にした間取りが増えていますが、少し前までは西側や北側に独立して配された間取りが主流でした。
西側にキッチンがあると、夏は窓から入る西日でとても辛いと思います。窓にカーテンやブラインドが設置できるとよいのですが、窓とコンロが近いと火災の心配がありますし、多少離れていても油汚れがつきやすいため、できれば避けたいものです。

そこでおすすめしたいのが、窓の外側で太陽の光をコントロールする方法です。例えば、よしずやすだれ、オーニングなどを設ければ、西日を外側で遮断できるので、室内に光や熱を取り込まなくて済みます。
ただ、冬の西日は暖かく、有り難く感じられるものです。太陽光の調整は、四季に応じて変えられる方法にしておかないと、冬は寒くて辛いかもしれません。

undefined

日よけ効果の高いオーニング。冬を考慮して、日差しに応じて調節できるタイプを選びましょう。



“家事の時短”の工夫も忘れずに!

ここまで様々な方法をご紹介しましたが、加熱調理をするキッチンでは、熱と湿気の発生はどうしても避けられません。
そこで、キッチンにいる時間を少しでも短くするために、リフォームでは調理や片づけが手早くできるようになる工夫も採り入れましょう。例えば、出し入れしやすい収納をつくる、配膳や片づけがしやすい動線にする、日々の手入れがしやすい素材や形状のシンクやコンロを選ぶ、調理スペースを広めに確保しておく、などが考えられます。

undefined

使う場所まで考えた収納があるキッチンなら、料理をテキパキと進められます!
 

さらに、自動調理メニューが充実しているコンロを選べば、魚焼きや煮込み料理中にコンロの前にいる必要がないので、汗をかきながらの料理時間が減らせます。今はほとんどのコンロに「立ち消え防止機能」がついているため、吹きこぼれて火が消えて…という心配も不要です。このような最新機能を備えたコンロを選び、夏の時期こそ上手に使いこなしたいですね。

undefined

温度を調節できたり、グリルで様々な調理を行えたりと、ガスコンロやIHヒーターも進化しています(左:リンナイ製、右:日立製)



夏を快適に過ごせるキッチンにリフォームすれば、冬でもそのメリットが享受できるはずです。記事を参考にして、自分の住まいやライフスタイルに合う方法を取り入れて下さい。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。