株を保有すべきか、損切りすべきか、悩んでいます……

日本株で含み損が。どうする?

日本株で含み損が。どうする?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、株式投資に悩む50代の会社員の方です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)






■相談者
よしさん(仮名)
男性/会社員/55歳
愛知県/持ち家一戸建て

■家族構成
妻(パート)、子ども(高校2年、中学2年)

■相談内容
株に700万円ほど投資していて毎月何かしらの株主優待や配当金があります。ただ、100万円ほどの評価損が出ています。このまま放っておくべきか、損切りした方が良いのかご教授願います。ちなみに、妻の収入は本人が管理し、貯蓄等についても知りません。

■家計収支データ
「よし」さんの家計収支データ

「よし」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち
全額貯蓄

(2)住宅ローンの詳細
ローン残高1100万円、金利0.775%、64歳で完済

(3)保有する株式の銘柄
日本マクドナルドホールディングス、武田薬品工業、明光ネットワークジャパン、日産自動車、キヤノン、三井物産、住友商事、ANAホールディングス、吉野家ホールディスングス、みずほフィナンシャルグループ、JXホールディングス、ワタミ、東京電力ホールディングス、大和証券グループ、ユニーグループ・ホールディングス、アトム

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 配当性向と業績のチェックを
アドバイス2 投資額は現在を上限として老後に備える
アドバイス3 住宅ローンも今のうちに完済を
 

アドバイス1 配当性向と業績のチェックを

まず、現在保有されている株式についてですが、近いうちに現金化して使う予定はないのですから、焦って売却することもないでしょう。ただし、保有されている銘柄を見る限り、やや偏った傾向がある点が気になります。

全体に、配当の高い輸出関連銘柄が揃っています。そういう買い方自体は悪くはないのですが、結果的に円高や世界情勢などの外部要因に影響されやすい銘柄が多くなっています。部分的に、内需関連銘柄と入れ替えをすることで、一斉に株価が急落するといったリスクを抑える効果が期待できます。

また、銘柄を選定する際、配当利回りだけを見るのではなく、「配当性向」も確認すべきでしょう。配当性向とは、企業がその期の純利益から配当金をどのくらい支払ったのかをパーセンテージで表したもの。

配当性向は高いほど、株主に利益を還元していると言えますが、業績が低下しても100%を超える配当性向を維持する企業もあります。それはいわば、無理をして高い配当を出している状態です。相談者の方が所有されている中にも、そのような銘柄が見受けられます。

そうなると、利益だけでは配当が出せないのですから、余剰金を削ることになります。結果、財務体質が弱体化し、減配や無配当という可能性もあります。つまり、高い配当性向に隠れた落とし穴でもあるわけです。配当性向と業績との関係性を絶えずチェックしておくことが大切なのです。
 

アドバイス2 投資額は現在を上限として老後に備える

投資に関しては、全体の資産に対する割合はいいと思います。投資額3000万円のうち、8割は個人向け国債と国内の社債ですから、実際にリスクを取っているのは株式だけと言っていいでしょう。ただし、年齢的にも老後準備をそろそろ始める時期であり、同時にお子さんの教育費も今後まだかかるのですから、できればこれ以上、投資額は増やさない方が賢明だと考えます。

その教育費ですが、高校まで公立とすれば、事前に用意すべきは大学費用ということになります。まだ進路は具体的に決まってはいないでしょうが、私立理系であっても、2人で1000万円用意できていれば、ほぼ学費はカバーできます。
資産状況を見る限り、それを定期預金から捻出したとしても、まだ十分余裕があります。教育資金も問題はないでしょう。
 

アドバイス3 住宅ローンも今のうちに完済を

また、資金的に余力のある今のうちに、住宅ローンの残債1100万円を繰上返済で完済してしまってはどうでしょう。それでも、支払利息で得をするのは50万円前後(プラスしてローン保証料が返還される)。その1100万円を運用に回せば、それ以上の利益を出せるかもしれません。しかし、実際に投資もしているのですから、一方で定年前にローンをなくすことは、とても有効なこと。老後に向けて確実に家計リスクの削減できるわけですから。

もうひとつ、奥様の貯蓄に関してはノータッチとのことですが、できれば内容は把握しておく方がいいでしょう。老後資金としては、現在の生活費とほぼ変わらない老後を送るのであれば、ご主人が管理されている資金だけでも十分です。ただし、将来、何が起こるかわかりません。そのときに慌てないためにも、急ぐ必要はありませんが、どこかのでタイミングで知っておきたいところです。


教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ




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