スペインバルで食べておきたい!おすすめ「定番タパス」
スペイン料理と聞いて思い浮かぶ料理は何ですか? すぐに出てくるのはパエリアとオムレツくらい。アヒージョってスペイン料理だっけ? ピンチョスってよく聞くけど、どういうお料理だっけ? なんて方も多いことでしょう。 お米が好き、魚が好き、調理法も味付けもシンプルな物が好き……。実は日本人の嗜好にとても近いスペイン料理。そして何より、食べることが大好きなスペイン文化。他にも美味しいお料理がたくさんあるんですよ。パエリアだけ食べて満足していちゃもったいない! スペインっ子たちが愛する定番タパス(小皿料理)をご紹介します。<目次>
1. 生ハム&チョリソ(ドライサラミ)
世界三大ハムの1つ、スペインの食に欠かせない生ハム「ハモンセラーノ」。塩漬けした豚腿を半年~数年かけて乾燥熟成させ、ゆっくり溶けた脂が赤身に染み込んだ芸術品です。スペインでは「バルの人気は生ハムに左右される」と言われるほど、何はともあれ美味しい生ハムの獲得が重要。日本のスペインバルも、まずは生ハムを食べてみるとお店の気合い度がわかります。関連記事:スペイン産の生ハム&ドライサラミの選び方とおいしい食べ方
2. トルティージャ(厚焼きオムレツ)
フライパンの形に丸く焼く、スペイン風オムレツ「トルティージャ」。クラシカルなタイプには、ジャガイモとタマネギが入っています。ジャガイモはクタクタにしてトロっと半熟に焼く、ふわふわに焼く、具も卵も食感を残してしっかり焼く……。シンプルだけどそれぞれにこだわりがあり、バルの数だけトルティージャがあると言われるほど奥の深いタパス。自分の好みとお店の味が近いかどうか? トルティージャを食べれば判断できるかもしれません。ちなみにコーンの粉を焼いた、タコスの「トルティーヤ」はメキシコの料理。その昔、中米を訪れたスペイン人が、丸く焼いている外見が似ていることから名付けたとか。スペインバルで食べるトルティージャは、全くの別物ですのでご注意を。
3. アヒージョ
最近日本でブームの「アヒージョ」も、スペインバル常連タパスの1つ。ニンニクの香りをまとったオイルの中で調理されたエビ、チキン、マッシュルーム、ジャガイモ……、具は文句なしに美味しいのですが、何より絶品なのは具の旨みが溶け込んだオイルの方なのです。具だけを食べて満足してしまったら、これは非常にもったいない食べ方! お行儀など気にせず、パンをオイルにドボンと浸して食べるのがスペインスタイル。深い旨みと香り、これだけでワインをもう1本開けたくなっちゃいます。4. ボケロネス(イワシの酢漬け)
カタクチイワシに塩をふって水分を抜き、酢漬けした後にオリーブオイルで調味。やわらかな食感とキリリとした酸、ワインやシェリーとの相性は間違いなし! スペインの酒飲みには欠かせないタパスです。5. マッシュルームのセゴビア風
マッシュルームに生ハム・にんにく・オリーブオイルを詰めて焼いた名物タパス。肉厚でジューシーなマッシュルームの食感はもちろん、内側に入った旨みの詰まったオイルがまたたまらなく美味。2本の楊枝を両手で持ち、こぼさないように慎重に口へ運んでいただきます。6. フリット
衣をごくごく薄づけにする、ちょっと天ぷらに似た揚げ物。イカやエビなど魚貝が多いですが、ピーマンやししとうのような野菜も見かけます。サクサクと軽い食感で、レモンを絞ればもう手が止まりません。7. タラのブニュエロ(鱈のコロッケ)
ブニュエロはスペインの修道院が発祥のデザートが有名ですが、バルでブニュエロと言えばたいていこちら。マッシュポテトにほぐした鱈の身をたっぷり混ぜ、オリーブオイルでカラリと揚げたタパス。ふわっふわの柔らか食感と、じんわり広がる旨みが絶品です!8. カジョス(ハチノスの煮込み)
マドリード料理の3大スタンダード、ハチノスの煮込み「カジョス」。パッと見イタリア料理のトリッパ(内臓のトマト煮)に似ていますが、口に運んだ瞬間いい意味で裏切られます。ほのかに和風カツオだしのニュアンスのある、ほっこり優しい味わい。この上なく柔らかな食感で、ちょっと日本のもつ煮込みに通じる懐かしさがあります。9. ブティファラ(カタルーニャの塩ソーセージ)
カタルーニャ地方の代表的なタパスの1つ、「ブティファラ」。豚肉を粗挽きにして食感を残し、味付けは塩だけ。余計な物は一切加えず手作りされたシンプルな美味しさ。かじった瞬間、うまみがじゅわっとはじけ、しっかり食感と肉の旨み、食べごたえは見た目のインパクトを裏切りません。10. クレマカタラナ(カスタードクリームのカラメリゼ)
最後にちょっと甘い物を食べたいな、という時に。美味しいデザートを用意しているスペインバルも少なくありません。バルデザートの一番の定番なら、カスタードクリームの表面をカラメリゼさせた冷たいデザート「クレマカタラナ」。スプーンでよーく混ぜて、パリッと香ばしいカラメルと、ほのかにレモンの香りをまとった滑らかなクリームのコラボを楽しめます。人気のチューロ(チュロス)のチョコレートクリーム添え、パンを使ったフレンチトーストのようなデザート「トリハ」、アーモンドパウダーで作る素朴なケーキ「タルタデサンディアゴ」、ちょっと意外なところでは「プリン」にこだわりをもってるバルも多いですよ。
お気に入りを探しにバルに出かけよう!
スペインには、タパスを食べに出かけると言う意味の「タペオ(tapeo)」と呼ばれる習慣があります。1軒のバルであれこれオーダーして長居するのではなく、このバルではビールとオムレツ、隣のバルでは生ハムとワイン、煮込み料理はあっちのバルで……。こんな調子で、1品1杯でバルをはしごするスタイルが主流です。今回ご紹介したのは、あくまでも代表的な定番タパス。日本でも東西で味付けの違う料理があったり、地方ならではの郷土料理がたくさんあります。日本のスペインバルも、シェフが修行した地方や店により、得意料理は本当に様々。タコが美味しいバル、イワシが美味しいバル、ここは米料理、ここは肉団子と、バルごとに看板メニューがあります。ちょっとだけスペイン人をマネして、それぞれのバルのお気に入りを探しに出かけてみませんか?
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