“インドで生産された日本車”、スズキ・バレーノを試乗レポート

日本で初めての「インドの工場で生産された日本車」であるスズキ・バレーノに試乗してみた。結論から書くと「ネットなどの情報を見る限りけっこう好評なので期待していたら、やはり日本車のクオリティに届いていませんでした。価格の割に質感もイマイチ」。以下、どんなクルマなのかを紹介しよう。バレーノの基本的な内容については以前のガイド記事を読んで頂ければ、と思う。
バレーノXT

バレーノはマルチ・スズキ・インディア社で生産し、輸入車として販売


ドアを開け、運転席に座った瞬間から「う~ん」が始まった。シートの基本構造の剛性不足なのか、シート地の下に使われている素材なのか不明ながら、座った場所だけ沈み込む。「座り心地が良いと評価されるシート」は高級ベッドと同じく案外と表面が硬く、全体でクッション感を出す。けれどバレーノのシートに座ると、表面が柔らかい。シート地の素材も明確なビニール風だ。

さらにダッシュボードの「シボ」(表面の細かい模様)もべったりしており、テカテカと光る。イマドキの日本車でこんな質感のシボを使っているモデルは軽自動車にも無い。その他、室内に使われている樹脂類の質感だって厳しいです。日本車と明らかに違う。リアシートも座ってみたけれど、これまた日本車の低グレードモデルの如し。総合評価で安価な軽自動車に届いていない。

バレーノXT

今回試乗したのは1.0Lターボエンジン搭載車(バレーノ XT)


あえて薦めるなら、装備と価格でライバルに勝る1200ccエンジン搭載の「XG」

エンジン掛けると(プッシュボタン式スタート)、3気筒エンジンということを考慮しても、けっこうな振動である。試乗車は上級グレードという位置づけの1リッターターボだったのだけれど(161万7840円)、Dレンジでブレーキペダルから足を離すと、プルプル車体を揺らす。なぜかアイドリングストップ機能が付いていないため、信号待ち中、ずっと振動を感じてしまう。

ただ走り出せば振動は気にならなくなる。絶対的な動力性能で言うと、111馬力/160Nmというスペック通り、コンパクトカークラスならターボ無し1500ccクラスと同等。ちなみにATはCVTでなく6速トルコン式だ。ハイオクガソリン指定というのがコスト的に厳しい。スイフトなどにも搭載される1200ccの4気筒エンジンを選んだ方がいいかもしれません。

乗り心地は良くない意味で日本車と同じ傾向。細かい路面のデコボコを拾う。同じスズキ車で言えば、スイフトの方がずっと質感ある。ハンドルの手応えも真っ直ぐ走っているときに不明瞭(直進時に曖昧な感じ)。交差点で大きくハンドル切った後の戻りの感じは少し違和感があります。もちろん全て「ダメ」というほど悪くないけれど、強いてバレーノを選ぶ気にはならない。

といった具合で、少なくとも1000ccターボエンジン搭載グレードは高価だし内容的にも厳しいと思う。知人から相談されたら上記の内容を教えた上「試乗して決めてね」と答えるだろう。141万4800円の1200ccグレードは、ミリ波レーダー式の自動ブレーキなど標準装備するなど(その割にサイド&カーテンエアバッグ無し)、装備と価格はライバルに勝っている。

もしバレーノを考えるなら、1200ccエンジンをプッシュしておく。その上で、日本車に届いていない質感や、乗り味なども納得出来るならどうぞ。参考までに書いておくと、居住性はホンダ・フィットと良い勝負。安全装備で迷うなら、同じスズキのイグニスなどと迷ってみたらいかがか。


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