梅雨は、革バッグの天敵
冬は、全国平均50%強で推移している湿度も、夏には70%強から80%弱まで高まります。換気をすることが少ないクローゼットの中は、どうしても湿気が溜まりやすくなってしまいます。革バッグは水濡れや湿度に弱いため、雨に濡れたままの状態で収納したり、湿度が溜まりやすい場所に長期間放置してしまうと、カビや臭いの原因になります。
女性の場合、夏になるとカゴバッグやビニールバッグなど、リゾートやマリンスタイルに適したバッグに切り替え、革バッグをクローゼットの奥に収納してしまうという方も多いでしょう。しかし、湿度の高い梅雨から夏にかけての季節に、なんのお手入れや対策も行わずにクローゼットに革バッグをしまってしまうのはとても危険なのです。
ここでは、梅雨や湿気から革バッグを守る、正しい保管方法について解説していきます。
ネル生地は避けて、不織布で保管しよう
ブランドバッグの場合、購入時は厚手のネル生地や不織布(ふしょくふ)に包まれていることが多いと思います。ネル生地とはコットン素材をベースに少し起毛させている丈夫な生地なので、バッグを傷から守ってくれるというメリットがあります。革バッグのお手入れでクリームを塗りこむ時にも、ネル生地を使用したりします。
一方で、ネル生地は分厚い素材のため、革バッグを包んでおくと湿気を溜め込みやすく、通気性にあまり優れないというデメリットもあります。
そのため、梅雨時期の革バッグを保管する時には、ネル生地に包んで収納するのは避けた方が良いでしょう。
おすすめは、不織布に包んで収納する方法です。不織布とは、読んで字のごとく「織らない布」のこと。一般的な布は、繊維を織ったり編んだりして作られていますが、不織布の場合は綿や羊毛などの天然素材や、レーヨンやナイロンなどの化学繊維を絡ませたり、接着樹脂で結合させたりしてできています。
繊維どうしがぎっしりと密集していないため、光にかざすとやや透けているのが特徴です。通気性に優れているため、梅雨時期にバッグを包んで保管しておくには最適の素材と言えます。
次のページでは、不織布に入れたバッグをどのように保管すると良いかを解説していきます。