アイテムを買うアイテムは通貨である
パズドラの魔法石のようなものは、アイテムではありますが、ゲーム内通貨のような役割も持っています
ゲームユーザーに分かりやすい例では、ガンホー・オンラインエンターテイメントが提供する「パズル&ドラゴンズ」の魔法石がそれに当たります。ユーザーが現金で購入し、ガチャを回すのに使ったり、モンスターのBOXで保管できる数を増やしたり、あるいはコンテニューをするのに使ったりできます。魔法石、という名前ではありますが、実質上はゲーム内通貨的な役割を持っています。このような役割を持つアイテムは多くのモバイル端末向けのゲームに登場します。
LINE POPでこの魔法石に当たるのがルビーで、実はこのルビ-に関してはLINEは前払式支払手段として届け出をしていて、ゲーム内で資金決済法に基づく表示もしています。そして問題になっている宝箱の鍵は、このルビーで購入するアイテムです。
宝箱の鍵は通貨なのか?
宝箱を開けてアイテムを手に入れるのに必要な鍵は、役割としては通貨といえるのでしょうか?
ルビーにしても、宝箱の鍵にしても、ゲーム中無料で手に入る分に関しては該当しません。一方で、ルビーで購入する宝箱の鍵に関しては、ルビーが前払式支払手段に該当し、それをもって消費者が対価を払っていると考えられるので、この条件に当てはまります。
もう1つ重要なポイントがありまして、商品を購入したりサービスを受けたりする支払いに対して利用できる、という条件があります。法律には「代価の弁済のために提示、交付、通知その他の方法により使用することができるもの」と書いてあります。これを「権利行使」と呼びます。色々なアイテムなどを購入できるルビーはゲーム内通貨のようなもので、この条件に該当します。じゃあ、宝箱の鍵はどうなのか、ということです。
LINE POPの宝箱の鍵は、ゲーム中に手に入る宝箱を開けるのが主たる役割で、宝箱の中にはゲームを有利に進めるアイテムや、ルビーなどが入っています。毎日新聞によると、以前は宝箱を開ける以外にも、ゲームを先に進めたり、キャラクターの獲得などに使え、通貨に近い役割がありましたが、2015年7月に仕様変更をし、宝箱を空ける役割に限定したことで、前払式支払手段に該当しないように内部処理したと報じています。
この点に関しLINE側は仕様変更前でも「外観や使用場面等を総合考慮して前払式支払手段に該当しない」としつつ、関東財務局と協議を進めています。
さて、毎日新聞とLINEの主張の食い違いはどこからくるのでしょうか?