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ニュースを読んでも投資の勉強にはならない

投資の勉強のためと、新聞や雑誌を精読する人がいます。本当にその努力が、投資力を上げているでしょうか。ニュースはどうして作られて、マーケットはどう動いているのか。それを知ったら、投資の勉強法を変えないといけないことに、気づかれることと思います。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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投資の勉強とは?

投資の勉強をするために、皆さんは何をしていますか?

よく聞く話が、経済新聞を精読する、株価ニュースを読みあさる、情報誌を購読するなどの情報収集です。しかし、その種の情報収集をしても、投資の勉強にはなりません。なぜなら・・・

株価の動きを後講釈している

報道されている株価変動の理由は、ほとんどが後講釈なので真実ではありません。たとえば、「利益確定で売られた」、「原油市場を好感して」、「発表された数字にいや気して」などと、いろいろな理由が書かれています。それらは、取材の結果、そのようなコメントが市場関係者から得られたというだけのことです。後付けのへ理屈と言えます。

確かに、動きのキッカケにはなっているかもしれませんが、本当の理由はもっと深遠なところにあります。だから、ニュースに書いていることを記憶しておいても、あなたの投資利益を創出するリソースにはならないのです。

主観的な予測を売っている

市場関係者からの”また聞き”が報道されているのならまだしも、中には主観的な予測で描かれているニュースもあります。いわゆるポジション・トークというヤツです。これから相場はこう動くだろうと、未来を示唆するようなニュースには要注意です。真実は、まったく逆だったりします。

記者の個人的な主観ばかりでなく、特定の企業や運用会社の受け売りでストーリーが作られる場合もあり、こうなるともう一種の企業宣伝です。今時、ニュースが報道されてから株価が動いたなんてことはあまりなくなりました。本物はニュースになった時点で、すでに株価には織り込み済みだからです。

ニュースを読んでも勉強にはならない。ならば、何を勉強すべきでしょうか。

古典から学ぶ

世界一の投資家であるウォーレン・バフェットは毎日500ページの財務諸表を読むと言われていますが、それをするには基礎知識が必要です。

基礎から学ぶには、古典を読むという方法があります。株価の動きを知るという意味では、ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法」がおすすめです。マクロ経済を学ぶためには、ジョセフ・E・スティグリッツの「入門経済学」を推奨します。

原点からの勉強ではシンドイという方には、実践家の発信物ならまだ読みやすいと思います。

実践家のメルマガ、ブログから学ぶ

たとえば、投資の成功者のブログ、メルマガを定点観測して学ぶ。あるいは、評判の高いアナリストやエコノミストのコメントやレポートを定点観測する方法があります。具体的に誰のものが良いかは、投資スタイルによりますので、ご自身でお探しください。

大事なことは定点観測することです。いろいろな人の言葉をつまみ食いで読み散らかしていると、迷うばかりで成果につながりません。時間をかけて同一人物の発言、発信を読み続けて、信頼に足る、自分にもできそうと思うものだけを選び抜いて、自分の定点を作ることです。

そして、それを読み続けます。最初のうちは、意味が分からないことでも、1年も続けているとかなり分かってくるはずです。

勉強にもルールと継続が必要ですね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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