ダイハツが開発!トヨタの新型パッソがフルモデルチェンジ
トヨタ車で最も小さい『パッソ』がフルモデルチェンジをした。このクルマ、開発は100%ダイハツ。したがってダイハツの『ブーン』も全く同じクルマだと思ってOKです。先代モデルは直近の1年間で月平均3500台も売れている人気車ながら、クルマの評価はパッソより売れていないスズキ・スイフトと比べてもお世辞にも高いと言えず。トヨタの“販売力のスゴさ”を象徴している。
ちなみにパッソは同じトヨタのヴィッツや、コンパクトカーで最も売れているホンダ・フィットより一回り小さく、ライバルを挙げるなら、販売台数からすれば失敗作と言ってよい日産マーチや三菱ミラージュ。つまりライバルが存在しないと言ってよかろう。しかし同じトヨタのヴィッツと新型パッソを比べると、圧倒的にヴィッツ優位。というかパッソを選ぶ理由などほとんど無いと思う。
以下、比べてみよう。まずパッソで最も安いグレードは『X』の115万5000円。ヴィッツの場合『F”Mパッケージ”』となり115万3637円。ほぼ同じだと考えていい。装備を見ていくと、パッソのフロントガラスは普通のUVカットガラス(紫外線カット率90%程度)。一方、ヴィッツを見るとほぼ100%紫外線をカットするスーパーUVカット&赤外線カットガラスが付く。
自動ブレーキの性能だって圧倒的な差がある。トヨタ開発のシステムを採用しているヴィッツは停止している車両に対し、車速40km/hなら追突を回避可能(車種や条件によって50km/hでも止まれる可能性ある)。ダイハツ開発のシステムを採用してるパッソの資料見ると、停止可能な速度域が表記されていない。
今までの実績からすれば(最も新しいダイハツ・キャストの実車試験データ)、10~20km/hという極めて限られた車速でしか自動停止出来ておらず。装備や安全性、クルマのサイズなど全ての評価項目でヴィッツの方が勝っている。決定的なのが値引き。デビューしたばかりということでパッソの値引きは渋く、実際に購入しようとすれば10万円以上ヴィッツの方が安いと思う。
燃費はパッソ優位!28km/LというクラスTOPを実現
では、なぜパッソを強気な価格で出してきたのか? 理由は一つ。燃費である。1リッター3気筒エンジン搭載のヴィッツの燃費を見ると、アイドリングストップ付きで24km/L(無しだと21.6km/L)。パッソは同じ1リッターエンジンながら改良型を搭載。アイドリングストップを全グレードに標準装備した上、28km/LというクラスTOPの数字を実現してきたのだった。
このあたりでまとめてみよう。マーチやミラージュといった本来ならパッソのライバルとなる車種は販売台数を見てもわかる通り勝負にならない。スズキ・イグニスもライバルなのだけれど、実質的に20万円近く高いため予算的に厳しい感じ。唯一のライバルが同じトヨタのヴィッツということになる。性能も安全性も全てヴィッツ優位。燃費のみパッソがリードしています。
ということで新型パッソの試乗を済ませていないこともあり、現時点では推奨しにくい。乗ったら「素晴らしい!」になるかもしれませんが。もし新型パッソを考えているなら、ぜひヴィッツと比べることをすすめておく。
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