国債・債券/個人向け社債の最新情報

預金金利20倍以上も?個人向け社債は期待が持てる

マイナス金利の導入により預金や貯金、あるいは個人向け国債を始めとする確定利付きの商品は壊滅状態に瀕していましたが、新年度を迎え一筋の光明が見えつつあります。発行が減少するのではないか?と思われていた個人向け社債の起債情報が続々と報じられているからです。前年度と比較すれば金利は低いものの、預貯金よりは魅力的な水準です。最新情報をお届けしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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高金利の個人向け社債は一服の清涼剤に!

高金利の社債をチェック

高金利の社債をチェック

マイナス金利が導入されてから預貯金、国債などの金利は目を覆うばかりの低さに辟易しているはずです。メガバンクの普通預金金利は0.001%、定期預金ですら1ヵ月物~10年物まで全て0.01%に過ぎないのですから。

社債に至ってはマイナス金利の影響で機関投資家が新規募集に殺到、2016年3月に発行されたあおぞら銀行の第4回債は償還期間3年にも関わらず0.04%の金利だったのです。個人向け国債の最低金利0.05%も下回る金利ですから、機関投資家が金利が付く債券に殺到していることをうかがわせる出来事でした。

機関投資家の行き場のない運用資金が社債に殺到していることから、個人向け社債の発行は減少するのではないかと思われていたのですが、新年度に入ってから風向きが変わったようです。続々と言ったら誇大表現かもしれませんが、新年度に入って10日も経たないのに複数の個人向け社債の発行が公表されているのです。

確定利付きの商品は全滅と思われていたことから、間違いなく一服の清涼剤となるはずです。発表されている個人向け社債の情報を見て行きましょう。

募集殺到が予想されるのでお早めに!

既に募集は終了してしまったのですが、後学のためにご紹介しておきます。

SBIホールディングスは償還期間約2年、利率0.75%の個人向け社債の募集を行いました。SBIホールディングスの社債は、SBI証券に口座を開設していて、かつメルマガを登録していないと購入ができません。しかも募集の情報を知ることさえもできないのです。購入は抽選、抽選申込期間は1日強(今回は2016年4月4日12:00~4月5日15:00までのネットのみの申し込みでした。SBIホールディングスは年に数回、個人向け社債を発行しているので、口座を開設してメルマガ登録を忘れないようにすることです。

この記事を書いている時点で発行が決まっているものをご紹介します。

大和証券グループ本社が償還期間7年、利率0.40%の個人向け社債を発行します。募集期間は2016年4月6日から4月22日になります。


クレディセゾンが償還期間5年の個人向け社債を、2016年4月11日から4月22日まで募集します。利率は仮条件で0.15%~0.45%となっています。

近畿日本鉄道(近鉄)が償還期間約5年の個人向け社債を、2016年4月18日から4月27日まで募集します。利率は仮条件で0.15%から0.45%となっています。

東海東京フィナンシャル・ホールディングスが償還期間1年、利率0.32%の個人向け社債を発行します。募集期間は2016年4月4日から4月20日になります。

この4月(記事を書いている時点)だけで既に5本の個人向け社債の発行が決定しています。利率を見るとあまり金利は高くないなと思われるでしょうが、メガバンクの定期預金金利が全期間0.01%なのですから、一服の清涼剤となる程度の金利を得ることができるはずです。

既発債に目を向けよう

個人向け社債は不定期発行、かつ如何に最新の情報を入手することが出来るかが良い発行条件の社債を購入できるかの鍵になります。常に情報を張っておく必要があり、またフットワークが軽くないと購入できないのも事実。

新規に発行される個人向け社債の購入が難しいようであれば、証券会社が在庫として保有している既発の個人向け社債に目を向けるのも良いでしょう。毎日(一部、毎日更新ではないケースあり)、その証券会社が在庫として持っている個人向け社債の一覧が公表され、在庫があれば即購入することができます。

ネット専業償還が既発債を在庫として保有していることは少ないので、大手証券のホームページをマメにチェックするようにするよいはずです。具体的には、野村証券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券をチェックされるとよいでしょう。筆者が見る限りでは、三菱UFJモルガンスタンレー証券の在庫が豊富なようです。

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