国際結婚

国際結婚で印鑑はどうする?印鑑登録する実印の注意点とは

国際結婚をして日本で印鑑を作る際に注意したいことはなんでしょうか。日常的に使う「認印」なら、アルファベットでもカタカナ、漢字の当て字でもOKです。しかし、印鑑登録を必要とする「実印」の場合、住民票に記載のある文字で作る必要があるなどいくつかの規定があります。

執筆者:シャウウェッカー 光代

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国際結婚の印鑑はどうするの?

国際結婚で印鑑を作る際の注意点とは

「日本に行ったら印鑑を作りたい」と思っている外国の方、実はけっこういるようです。


国際結婚カップルが日本で暮らすとき、外国人配偶者でも必要になってくるのが印鑑です。役所関係の書類や銀行口座開設など、日常生活のさまざまな場面で印鑑を使う機会は多いですよね。一部、外国人はサインでよいとされる書類もありますが、いずれ必要になるので、作っておいたほうがよいでしょう。

印鑑は大きく分けて3種類あります。
1.実印(印鑑登録をし、印鑑証明を受けられるもの)
2.銀行印
3.認印

最も重要な役割を持ち、不動産や自動車の契約に用いるのが「実印」です。市区町村役所へ印鑑登録をして、印鑑証明を受けられるのは実印のみです。銀行口座の開設などに使うのが「銀行印」、日常的な届出書類や宅配便の受け取りなどに使うのが「認印」です。

 

外国人でも印鑑は当て字でも可能

外国人でも印鑑は作れます。「認印」として使うだけのものなら、アルファベットでもカタカナでもよく、漢字の当て字で作る人もいます。縦書きか横書きかも自由です。

認印は通常、苗字で作ることが多いようです。誰の印が分かるよう読みやすさが大事とされるので、認印に適した6~7種類の書体の中からお好きなものを選べます。

現在はインターネットでも簡単に注文できるようになりましたが、外国人名の場合はとくに、最初の1本は印鑑の専門店に行って直接オーダーするのがおすすめ。文字数や書体など全体のバランスを見て、いろいろ相談にのってもらえるからです。最近はカタカナやアルファベットの印字面の見本を置いているお店も増えてきました。

「日本に行ったら印鑑を作りたい」と思っている外国の方、実はけっこういるようです。日本の友人にイメージの良い当て字を考えてもらって漢字で作りたいとか、印鑑の材質も和柄やカラフルなものを選んで、朱肉付きケースも買うなど、それぞれ楽しんでいるご様子。外国のお友達へのプレゼントにしても喜ばれます。

 

実印は作れる? 印鑑登録は住民票に記載のある文字が必須

在留カードを作る時、また住民票を作る時には、実印と印鑑登録のことを念頭におきましょう。

在留カードを作る時、また住民票を作る時には、実印と印鑑登録のことを念頭におきましょう。


外国人でも実印を作れます。ただし、いろいろ規定があり、作る際には注意が必要です。印鑑登録できる印鑑は1人1個ですので、慎重に手続きしましょう。

実印を作るということは、印鑑登録をすることを念頭に入れていると思いますので、その説明から先にしますと……。

印鑑登録ができるのは、住民票に記載のある文字で作られている印鑑です。配偶者として日本に住む外国籍の人は、在留資格を有し、在留カードを持っていて、日本人とおなじように住民票を作成することができます。その住民票に記載されている表記の文字で実印を作り、印鑑登録をする必要があります。


●アルファベット表記の名前
在留カードの名前がアルファベット表記の場合、住民票の備考欄にカタカナ表記も書いて登録しておけば、その文字で作った印鑑は印鑑登録できます。

または、日本の社会生活で使用しているカタカナ表記の名前(通称名)を、居住している市区町村役所で通称名登録しておけば、その印鑑でも登録できます。

●アジアの人は漢字表記もできる
漢字の名前を持つアジアの国出身の人は、在留カードに漢字表記とアルファベット表記を併記することができます。

ただし、中国の簡体字などは使えないので、日本の正字の範囲の文字に置き換えて、在留カードに記載されます。

上記のような使える文字・表記の制限を踏まえたうえで、「姓名」「姓のみ」「名のみ」「省略のない氏名」のいずれかで作られた印鑑が、印鑑登録できます。

 

ミドルネームがある場合の実印は?

外国人配偶者の名前にミドルネームがある場合、次の内容の印鑑なら印鑑登録できます。
「名前のみ」
「姓のみ」
「名前+姓」
「名前+ミドルネームと姓のイニシャル」

ただし、「ミドルネームのみ」または「すべてのイニシャルのみ」の印鑑では登録できませんのでご注意ください。

 

ダブルネーム(複合姓)の場合は?

ところで、国際結婚では「ダブルネーム(複合姓)」という言葉もよく聞かれます。これは、結婚して、相手の外国姓を名乗り自分の日本姓も保持しておきたい場合の姓になります。

たとえば、日本人の名前を仮に「山田花子」とし、外国人配偶者の姓を「スミス」とします。結婚後、ダブルネーム(複合姓)にすると、日本人の姓は「山田スミス」(←これで1つの苗字となります)、名前は「花子」で、変更後は「山田スミス花子」が正式な氏名となります。

この氏名の順序は自分で申請できます。ただ、結婚後のパスポートの英語表記のことを考え、「山田スミス」とする方が多いようです。この順番ですと「(名)Hanako (姓)Yamada Smith」となり、配偶者と姓が一致するからです。

また、女性は実印を「名前のみ」で作っておくと、結婚で姓が変わっても作り変える必要がないので便利かもしれません。

 

国際結婚の印鑑に関するガイドの体験談

日本の運転免許証を取得したスイス人の夫が車を購入することになり、印鑑証明が必要に。しかし、せっかく作った印鑑では登録ができないと言われてしまいました。そんなガイドの体験談は、記事「通称名登録(ガイドの場合)」へ≫≫

国際結婚をした方が印鑑を作る場合の注意点や豆知識は以上です。とくに、在留カードを作る時、また住民票を作る時には、実印と印鑑登録のことを念頭において、カタカナや漢字表記でもぜひ登録しておきたいですね。

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