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ラ・フォル・ジュルネ2016『la nature』、GWに開催(2ページ目)

クラシック音楽最大級の祭典『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン』。2016年のテーマは『la nature ナチュール 自然と音楽』。今年はなんと日比谷野音での公演も。概要とオススメ公演をご紹介します。

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

注目の公演

今回は、時代的にも空間的にも選曲の幅が広いのが特徴。

古くは12~16世紀に歌われたというルネサンス時代のピュイ写本に始まり、最新では、近年大きく注目される「ポスト・クラシカル」の代表曲であるマックス・リヒターによるヴィヴァルディ「四季」のリコンポーズ版まで揃います。
ポスト・クラシカル

話題の「ポスト・クラシカル」を庄司紗矢香さんの演奏で聴ける!(C)Marc Roger

特に後者のマックス・リヒターは1966年生まれのロンドン在住ドイツ人作曲家で、ミニマル・ミュージックの大家スティーヴ・ライヒと同じくルチアーノ・ベリオに師事。6人のピアニストによるアンサンブル集団「ピアノ・サーカス」のメンバーとして、argoレーベルにミニマル・ミュージックの美しい録音を多数残した後、2002年にソロ作を発表し、以降、クラシックをベースにエレクトロニカやミニマル・ミュージックを現代的に昇華させた「ポスト・クラシカル」の旗手として知られます。

ヴィヴァルディ「四季」のリコンポーズドは、著名な「四季」を断片に分け再構築したもので、聴きやすく、また、原曲にない深い精神性を感じさせる曲です。世界が注目するこの曲をなんと日本が世界に誇るヴァイオリニスト庄司紗矢香さんが演奏します。ヴィヴァルディの「四季」はオーソドックスな演奏もありますので、比較して聴くのもおもしろいでしょう。

空間的という点ではクラシックに留まらず民族音楽的なものが多いのも今回の特徴で、中国の伝統的な楽器・二胡とオーケストラの共演や、ブルンジの太鼓、和太鼓、尺八などが登場する公演があります。
ブルンジ

ブルンジの太鼓はナントでのラ・フォル・ジュルネで大変盛り上がったそう!(C)Marc Roger

また、アーティストでは、知的技巧派として著名なピエール=ロラン・エマール、人気ア・カペラ・グループのVOCES8、鳥のさえずりを再現するユニットのジョニー・ラス&ジャン・ブコーなどが登場。また、アコーディオンのcobaや常連の渋さ知らズオーケストラが今回初めて会場に加わる日比谷野音(日比谷公園大音楽堂)に登場。

例年以上にリラックスして一日楽しめそうなラ・フォル・ジュルネとなりそうです。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2016
日時:2016年5月3日(火・祝)・4日(水・祝)・5日(木・祝)
場所:東京国際フォーラム、日比谷公園大音楽堂、大手町・丸の内・有楽町エリア

他都市でも開催
ラ・フォル・ジュルネ新潟 音楽祭2016
2016年4月28日(木)~30日(土)

ラ・フォル・ジュルネびわ湖音楽祭2016
2016年4月29日(金・祝)~5月1日(日)

ラ・フォル・ジュルネ金沢 音楽祭2016
2016年4月28日(木)~5月5日(木・祝)

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