定期預金金利は過去最低に。ATM手数料には注意を
預金金利は低下
普通預金金利こそ、2000年代前半のゼロ金利政策時に肩を並べた0.001%ですが、定期預金金利は軒並み過去最低を更新しています。
メガバンクを例にあげれば、1ヵ月物から10年物まで全期間0.01%に低下しています。100万円を1年間定期預金に預け入れてもその利息額は100円、10年間預け入れても1000円です。そのわずかな利息額から20.315%の税金を徴収するのですから、言葉は悪いですがもはや金利は無いに等しいと言えるでしょう。仮に時間外や休日にATMを利用すれば、1回で1年分の利息が無くなり、10回引き出せば(税金を考慮すれば実質8回)10年分の利息が無くなってしまうのですから……。
マイナス金利政策では、個人の預金金利はマイナスにしないと明言していますが、ATMの引き出し手数料などの無駄なコストを払ってしまうと自分自身でマイナス金利預金を作ってしまうことになるので、こらからはより手数料等に注意を払う必要が出てくるでしょう。
3月中旬に入っても依然として高めの金利を提示ている銀行がありますが、いずれ大多数の銀行はメガバンクの水準まで引き下げてくることが予想されます。もちろん、自由金利なので独自の戦略で金利水準を決めてくる銀行もあるとは思いますが。
それでも地方銀行のインターネット支店などは妙味あり
メガバンクを中心に定期預金金利は過去最低水準まで低下していますが、頼みの地方銀行のインターネット支店の定期預金はどうなったのでしょうか。結論から言えば、1年物=0.40%を提示していた銀行は皆無となってしまいました。1年物で言えば、トップクラスが愛媛銀行四国八十八カ所支店のだんだん定期、高知銀行よさこいおきゃく支店の0.30%となっています。その他、鳥取銀行のとっとり砂丘大山支店の大山定期、砂丘定期、らくだ定期が0.28%(3月15日より)、香川銀行セルフうどん支店の超金利トッピング定期、トマト銀行ももたろう支店のスペシャルきびだんご定期が0.25%となっています。
これらの金利はメガバンクの25倍~30倍の金利を付けているため、依然として有利と言えるのですが、先を見通すと1年物の預け入れで良いのかという疑問が出てきます。日本銀行の黒田総裁は、今後も目標が達成できなければ躊躇なく追加の政策を明言してます。さらに、追加の政策が行われなかったとしてもマイナス金利政策が当面続くと考えられます。仮に1年物を利用した場合、1年後の金利はさらに低下している可能性を否定できないということになるのです。
事実、愛媛銀行四国八十八カ所支店の定期預金、高知銀行よさこいおきゃく支店のよさこい定期の金利は、3年物は0.25%なのに、5年物は0.10%と長短金利が逆転しているのです。あるいは、インターネット専業銀行のソニー銀行や住信SBIネット銀行でも長短金利が逆転しているのです。
定期預金は1年物よりは多少金利が低くても3年物が良い?
長短金利の逆転は、高めの金利で預入期間の長いもので資金を集めたくない、言い換えれば将来的に金利は下がる傾向にあるので、預入期間の長い預金を受け入れる場合は、金利を低くしておこうという戦略なのです。なぜなら、銀行の定期預金金利は固定金利。将来的に金利が低下する局面で、高金利の預入期間の長い預金を受け入れると金利が低下しても高金利を保証しなければならなくなるからです。将来の金利はどうなるのかは定かではありませんが、定期預金金利を見る限り金利の高い1年物だけではなく、1年物よりは多少金利が低くても3年物などを交えて預入をする方が賢明と思えてなりません。
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