幼児の「自己主張」と衝突しない状況を整えましょう
・環境を見直す「触ってダメ!」としょっちゅうぶつかる必要がないよう、危ないものや触って欲しくないものは、幼児の目も手も届かないところにしまいましょう。
・出かける時や場を見直す
お腹がすいていたり眠い時間などに、欲しくなるものに溢れたお店や、お友達とルールを守って遊ぶ場や、静かにじっとする必要のある公の場など、幼児にとって「かなり頑張る」必要のある場に出かけるのを避けましょう。
・出かけ先で夢中になれるものを用意する
とはいえ、様々な事情から、どうしても「この時間にそこへいく必要がある」ということもあるものです。そんな時は、塗り絵やパズルや絵本や人形など、出かけ先で気をそらすことができるものを用意しておきましょう。
・目的地に到着する前に話し合っておく
少し大きな子とは、「玩具をほしいときには何ていうのかな? そう、『かして』っていうんだよね」などと、話し合っておきましょう。
幼児の「自己主張」をかわす方法を試しましょう
・選択肢を与える肌寒い日の外出に「コートはイヤ!」という場合など、「じゃあどっちのコートがいいかなー? ピンクも可愛いけど、ブルーもステキねー」など2つか3つ選択肢を与えてやりましょう。「イヤ!」と言っていたのが、「うーん」と考え始めます。
・気をそらす
「あの高い塔に登りたいの!」と聞かない場合など、「あっ、見て見てー、あっちに大きな犬がいるよー、飼い主の人に撫でていいか聞いてみようか?」など気をそらしてやりましょう。より年齢が下の子ほど有効な方法です。
幼児の「自己主張」と衝突し癇癪を起した場合の対応
・静かに向き合える場へ移動する
自分の気持ちを落ち着けるためにも、幼児の気持ちを落ち着けるためにも、周りの目を気にせず静かに向き合える場へ移動しましょう。
・まずは自分の気持ちを落ち着けましょう
少し一人になって深呼吸などできる状況なら、そうしましょう。興奮状態の幼児に怒っても、火に油を注ぎますますヒートアップするか、「自己主張」を力で抑え込むことになるかのどちらかです。
思い通りにならない悔しい「気持ち」を包み込んでやりましょう。
・気持ちが落ち着いてから話し合う
例えば、「お友達から玩具を取った」のを咎められ癇癪を起こした子とは、「お友達どんな気持ちだったかな?」「今度はどうしたらいいかな?」と話し合ってみましょう。気持ちが落ち着いてから話しをすることで、癇癪も、「ルール」を身につけるチャンスとして生かしていくことができます。
あれもこれもきちんと教えないと! と力の入った姿勢を少し見直し、その子その子に合った対応を調整しつつ、「健やかな自我」が育つ過程を見守っていきたいですね。
参考資料:
(*1)Rogoff, B., & Mosier, C.E. (2003). Privileged treatment of toddlers: Cultural aspects of individual choice and responsibility. Developmental Psychology, 39(6), 1047-1060.
(*2)Hewlett, B.S. (1992). The parent-infant relationship and social-emotional development among Aka Pygmies. In J.L. Roopnarine & D.B. Carter (Eds.), Parent-child socialization in diverse cultures (pp. 223-244). Norwood, NJ: Ablex.
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