クラシック/クラシックおすすめ新譜CD

2016年3月の、クラシック音楽のおすすめ新譜CD(3ページ目)

2016年3月のオススメはこれ!クラシック音楽の新譜CDの中からレコード会社が自信をもってオススメするアルバムをセレクト&オススメコメントをもらい、更にガイド大塚が聴き手としての感想をつけて紹介します。

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

リュビモフ、他(ピアノ) ストラヴィンスキーとサティ

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■レコード会社からのオススメコメント
作曲家が知っていた“当時”の創り方どおりの楽器を、その頃の弾き方で鳴らしてこそ、曲本来の魅力があらわれる。「古楽器演奏」の考え方は、ヴィンテージのピアノを鳴らすときにも有効です。時代にあわせたピアノ奏法を探り、ヴィンテージ楽器の魅力を最大限に引き出してきた異才リュビモフらが、シャネルやコクトーらが生きた「ストラヴィンスキーやサティと同時代のピアノ」で、めくるめく音響世界を描き出す……桁外れの音楽性あればこそ、の境地!

■ガイド大塚の感想
これは反則なくらいの良さ!(笑) 現代のピアノと違い、歴史的ピアノの強靭さのない、どこか温かみのある音色が、少しジャジー少しデカダントな雰囲気を持つこれらの曲によく合う。この魅力を知ってしまうとモダンピアノでこれらの曲を聴くと冷たく堅く聴こえてしまい戻れなくなるような。演奏自体も音色やピアノの特徴をよく理解し完璧にコントロールされていて「単に歴史的ピアノで弾きました」で終わらず作品の内容を研究し演奏した、作品と楽器と奏者がぴったり合った演奏。

 

ユンディ・リ(ピアノ) ショパン:4つのバラード、他

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■レコード会社からのオススメコメント
2015年~2016年、再び集中的にショパンに取り組んでいるユンディ・リ。昨年秋発売のプレリュード全集に続き今回はバラードを録音しました。ショパンの繊細さ、エレガントな詩情、そして嵐のような激情を見事に表現したユンディだけのリリカルなショパン演奏は、伝統的な解釈に立脚しながらも、現代の若者らしいスマートな感覚を付加したものとなっています。5~6月の日本ツアーでもバラードの演奏を聴くことができます。

■ガイド大塚の感想
彼は伝説のショパン・コンクール優勝時からそうだと思うのですが、何でもないところに突如光を差し込むような天才肌の感覚が魅力。このアルバムでもリリカルに進める中で彼らしい一瞬のきらめきのような感性の飛翔があり、ハッとさせられる。
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小林有沙(ピアノ) ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番、他

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■レコード会社からのオススメコメント
ベルリン~ウィーンで7年半研鑽を積んだ若手実力派ピアニスト小林有沙。2年ぶりのセカンド・アルバムは、ラフマニノフを取り上げました。ピアノ・ソナタ第2番の冒頭から、力強いタッチでスケールの大きな音楽が広がります。同時にロマンティックで優美なメロディを爽やかに聴かせる演奏は秀逸です。ラフマニノフによるピアノ編曲版「愛の悲しみ」「愛の喜び」も収録し、この作曲家の世界を存分に楽しめるアルバムとなりました。

■ガイド大塚の感想
やはり注目はソナタ。力やこれ見よがしの技術で弾くのではなく、ほの暗さもあるスコアから色彩をうまくすくい取る。ストレートに調和させるところやあるいは意図的に濁らせるところなどメンタル・景色を弾き分け、モダンさとほのかに色香をも感じさせるノスタルジックさを同居させる。ラフマニノフ編曲のクライスラー『愛の悲しみ』などを聴いても、溜めや和音のアルペジオなど、やはりどこかノスタルジックな夢想のような心地良さがある。
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コープマン(オルガン) ブクステフーデ、パッヘルベル、J.S.バッハなどの作品

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■レコード会社からのオススメコメント
巨匠コープマンの2015年9月の最新録音は名器ヒルデブラントのオルガンを使用したオルガン名曲集。オルガンビルダーのヒルデブラントはゴットフリート・ジルバーマンの愛弟子で、J.S.バッハとも親交がありました。当時のオルガン音楽を支えた重要なオルガンビルダーの一人で、音色は崇高で豊かなストップが最大の魅力です巨匠コープマンによりオルガン音楽の絶頂期の名作を堪能することができます。2016年6月来日公演予定です。

■ガイド大塚の感想
力強さと十分な機動力、多彩な音色を持つこのオルガンを弾く事をコープマンが喜びを隠せない様子が伝わってくる。音に影響を受け、その音に合う演奏がなされ相乗的に高まっていく。正に教会のオルガンとはそういうものなのだなと再認識させる。1曲目のブクステフーデからコープマンらしい生き生きとした演奏でインパクト十分だが、圧巻なのが、最終曲のバッハ「パッサカリア」。澱みなく荘厳に、高音から低音まで多彩な音色のシャワーのようにバッハの想像した宇宙を語る様は、格別な感動と気持ちの良さをもたらせる。
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